「キラキラネーム」は心理学的にもマイナスの影響がある!?

独特過ぎて漢字から読めなかったりする「キラキラネーム」の改名が話題になっています。そこで「キラキラネーム」と、その人の印象について心理学的に説明していきます。

高校生が自分の「キラキラネーム」を改名

いわゆる「キラキラネーム」と呼ばれる個性的な名前の改名を、家裁に申し立てた高校3年生が話題となりました。親から付けられた名前は「王子様」でしたが、「高校に入って自己紹介した時は女子生徒から噴き出すように笑われるのがショックだった」(『産経新聞』2019年3月13日)と改名を決意したそうです。母親は「唯一無二の王子様のような存在」という想いを名前に託したとのことですが、本人にとっては馴染めない名前だったようです。

じつは奇抜な名前の影響については、『子供の名前が危ない』(牧野恭仁雄 著/ベストセラーズ)でも、いじめの原因になっていることが報告されています。また真実かどうかはわかりませんが、就職活動に不利だといった話もネットを中心に出回っています。

では、実際のところ奇抜な名前は、どれぐらいの影響力があるのでしょうか。

リーダーシップと「キラキラネーム」の関係

北海道大学大学院の伊藤資浩さんのグループが発表した「奇抜な名前が社会的評価の印象形成に及ぼす影響」という論文では、一般的な名前とキラキラネームなどの奇抜な名前をつけた顔写真を実験参加者に見せました。結果、奇抜な名前を付けられた顔写真は、一貫してリーダーシップが低いと判断されたそうです。

しかも顔写真が高齢になるほど、リーダーシップが低く見えるという結果にもなりました。これは見た感じと名前が合っていないから起きるのだろうと、伊藤資浩さんは結論づけています。

つまり「キラキラネーム」がリーダーシップのイメージに及ぼす影響は、歳を重ねるごとに強まっていくと予想されるのです。「キラキラネーム」は、1990年代半ばから多くなってきたと言われています。1995年生まれとしても、すでに24歳。あと25年もたつと、リーダーシップが弱いという印象がさらに強まると予想されるのです。

もちろん名前は個人の印象の一部でしかありませんが、ただ履歴書など書類だけで審査する場合には、実際に会って話すことがないだけに名前の印象が強くなる可能性が高くなるでしょう。

男性の「キラキラネーム」は要注意!?

では「キラキラネーム」の影響は、リーダーシップの高低だけに留まるのでしょうか。

神戸大学の特別研究員である宿利由希子さんは、「キラキラネーム」と一般的な名前の印象を、18~27歳の大学生・大学院生にたずねました。その結果、次のようなことがわかったのです。

【男性名】

・信頼できるか    ……「清」=高い              「騎矢(ないと)」=低い

・勤勉か              ……「清」=高い              「楽(わく)」=低い

・活動的か           ……「健太」=高い           「清」「騎矢(ないと)」=低い

・協力的か           ……「清」=高い              「騎矢(ないと)」=低い

【女性名】

・信頼できるか    ……「久美子」=高い       「陽菜(ひな)」「玲海(れいあ)」=低い

・活動的か           ……「陽菜(ひな)」=高い            「久美子」=低い

・自分を美化しているか ……「陽菜(ひな)」「玲海(れいあ)」=高い            「久美子」=低い

この結果について宿利さんは、男性名については「キラキラネーム」の持ち主が普通の名前よりも「比較的低く評価」され、女性名についてはキラキラネームではない「陽菜(ひな)」と「キラキラネーム」の「玲海(れいあ)」が同じような印象を与えたと説明しています。その上で、女性名は男性名よりも「キラキラネーム」が個人の印象評価に影響を与えないと結論づけています。

幼少期の名前の影響は?

「キラキラネーム」は心理学的にみても、リーダーシップのイメージにやや影響があるようです。では名前は、子どもにどんな影響を与えるのでしょうか?

専修大学の高田夏子教授は、「名前とアイデンティティ」という論文で、「親のネーミングは、子どもの自己に実体性や限定を与えていく役割を果たす」と書いています。

さらに、名前とともに発せられた言葉「かわいい」「すてき」「不器用」「遅い」という単語が、「無意識の中に蓄えられ、気がつかないところでその人を支えたり、あるいは可能性を狭めたりしているのかもしれない」と書いているのです。

そう考えると、名前に関連したマイナス評価を浴びることが多かったとすれば、その人の人生に影響がでる可能性も否定はできないでしょう。

元服で名前を変えていたように

ただ冒頭の事例のように改名することで、自分らしい名前で生きていくこともできます。かつて日本でも武士の家系では、元服のときに幼名から元服名にするならわしがありました。また日本以外にも大人への仲間入りとともに名前を変える文化を持つ国はあります。名前を変えることで大人として自覚を持つ。そんな効果が名前の変更にはあるのです。

改名は家裁が認めないとできません。そして改名できる理由も決められています。つまり何でもかんでも変えることはできないのです。その点、「キラキラネーム」は改名が認めらやすい状況となっており、かつての元服名のように大人になって名前を変えることはやりやすいといえるでしょう。

じつは「キラキラネーム」が必ずしもマイナスの影響を与えるわけではありません。社会人になってから、確実に名前を覚えてもらえるといったプラス効果もあるでしょう。しかし改名したいと思う人がいるなら、かつて武家社会で行っていた元服のように、改名することで新たな一歩を踏み出すのもいいかもしれませんね。

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