女性は地図が読めないなんてウソ? 認識力の実験から見る「男性優位社会」

『話を聞かない男、地図が読めない女』なんて本がベストセラーになったことがありましたね。女性は本当に「地図が読めない」といった脳の傾向があるのでしょうか。もしかしたら、地図自体が男性的な脳に向けに作られているなんてことはないでしょうか? そんな疑問に答える認識力実験を紹介します。

  1. 地図をクルクル回す女性を笑ってない?
  2. ソーシャーの地図認識力実験
  3. 従来の地図はユニバーサルデザインなツールじゃないのかもしれない
  4. では「話を聞かない男」のほうは?

地図をクルクル回す女性を笑ってない?

方向音痴な人ほど、地図を自分のいる場所を起点に回して考えるといわれています。一緒に行動する女性が、地図をクルクル回すのを見て「だから女は地図が読めないんだ」と笑ったりしたことがあったら要注意。女性が悪いのではなく、地図が悪いのかもしれませんよ。地図認識力実験が、その可能性を示唆しています。

ソーシャーの地図認識力実験

カナダ・レスブリッジ大学のデボラ・ソーシャー博士は次のような実験を行いました。男子学生20人、女子学生22人に地図AかBのいずれかを渡し、目的地へ速やかに到着するよう告げました。

地図Aは、方位と距離を中心にしたもので、つまり通常の地図と同じようなもの。地図Bは、「まっすぐ進み、銅像にたどり着いたら左折する」など、目的地に至るまでの目印を書いたものです。

結果、「地図Aを渡された女子学生」が、目的地に到着するまでの時間が最も長く、間違えた回数も多いという結果になりました。そして、次に間違いが多かったのが、意外にも「地図Bを渡された男子学生」という結果を得たのです。

さらに、「地図Bを渡された女子学生」は、「地図Aを渡された男子学生」と同じくらいの速さで目的地にたどり着けたことがわかりました。このことから、女性も、脳構造に適した指示が与えられれば迷わずに目的地へたどり着けること、目印を見つけつつ目的地を目指すことに関しては男性より優れている可能性があるということです。

従来の地図はユニバーサルデザインなツールじゃないのかもしれない

ソーシャーの実験結果は、客観性を求めて作られているはずの地図が、実は男性的な脳にとって使いやすだけかもしれないと考えさせられます。老若男女あらゆる人が使いやすさを追及するデザインをユニバーサルデザインといいますが、もしかしたら地図はユニバーサルデザインなツールじゃないのかもしれませんね。

では「話を聞かない男」のほうは?

それでは、「話を聞かない男」のほうはどうでしょう。それは、くだんのベストセラーのなかで男性は女性の話聞くのが苦手と書かれています。つまり、「女性がユニバーサルデザインなツールでない地図が読めない」のと同じようなことなのかもしれません。

脳の傾向性に性差が表れることもありますが、それは確定的なものではありません。だからこそ老若男女あらゆる人にやさしく使いやすいツールこそが大切であり、個々の差を「強み」や「弱み」ととらえることに無理があるのかもしれません。

参考:『実験心理学 なぜ心理学者は人の心がわかるのか?』

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