数字の心理マジックで仕事を取れ!心理実験が教える脳の錯覚

実績の乏しい商品を、取引先や買い手にどうプレゼンするかで頭を悩ませてしまうことありませんか。でも、大丈夫!心理実験で実証されている心理効果を使って、成約件数を伸ばすプレゼン資料を作り上げましょう。

  1. どうしても取りたい仕事にこっそり使える数字のマジック、あります!
  2. 医師だって錯覚に陥る! 死亡率のフレーミング実験でわかるネガティブ優位性
  3. 東京ドーム○個分って大きいの? 小さいの? シャルパンティエ効果
  4. 同じ数字をでも大きく見せる工夫をしよう

どうしても取りたい仕事にこっそり使える数字のマジック、あります!

例えば、「50人に1人がかかる病気です」といわれるのと、「この病気にかかる可能性は2%です」といわれるのとでは、どちらが「自分もかかる可能性がある」と感じるでしょうか。2%というのは小さい数字に思えても、実際には100人いれば2人は罹患するということ。そう、「50人に1人」と同じ数値なのです。

同じように、「ゾウが踏んでも壊れない」と「耐荷重6t」では、どちらのほうが頑丈に感じるでしょうか。ゾウを例えに出したほうが頑丈さは伝わりますが、ゾウの体重はおよそ6t。「耐荷重6t」と、言っている意味は同じです。

こうしたさまざまな数字のトリックに、「本当にみんな引っかかるの?」と思ってしまいますよね。でも、驚くような心理実験結果が出ているんです。

医師だって錯覚に陥る! 死亡率のフレーミング実験でわかるネガティブ優位性

まず、最初に紹介する数字マジックは、「ネガティブ優位性」と呼ばれるものです。

肺がんの二つの治療法について、仮の決定をしてほしいと医師に求めた心理実験があります。一つ目が放射線治療で、二つ目は外科手術です。実験用に組まれた放射線治療は、治療中の死亡率がそれほど高くないけれども、治療後の生存年数はあまり好ましくありません。一方で、外科手術は手術による死亡リスクがあるものの、手術後の生存年数は放射線治療より成績が良いものです。

一部の医師たちには死亡率の観点からフレーミングした情報が与えられ、その他の医師たちには、数値は同じでも生存率の観点からフレーミングしたものが与えられました。正確ではありませんが、それぞれに伝えられた情報は、例えば次のようなものです。

死亡率でフレーミングした情報

「外科手術では治療中に10%が死亡し、1年以内に30%、5年以内に60%が死亡する」

「放射線治療では治療中に0%が死亡し、1年以内に20%、5年以内に80%が死亡する」

生存率でフレーミングした情報

「外科手術では治療中の生存率は90%で、1年以上の生存率は70%、5年以上だと40%」

「放射線治療では治療中の生存率は100%、1年以上の生存率は80%、5年以上だと20%」

すると、死亡率でフレーミングした情報を見せられた医師らの回答は、ちょうど50%ずつがそれぞれの選択肢を選んだとのこと。一方、生存率でフレーミングした情報を見せられた医師たちは、実に84%が外科手術を選んだといいます。長期的な生存率を、医師らは評価したのです。

この結果から実験者は、死亡率の観点からデータを提示された場合のほうが、術中死のリスクが大きく見える傾向があると結論付けています。ポジティブな数値よりもネガティブな数値のほうが大きく見える効果を、心理学者たちは「ネガティブ優位性」と名付けています。

東京ドーム○個分って大きいの? 小さいの? シャルパンティエ効果

別の数字マジックも紹介しましょう。

あなたは、「その大きさ、なんと……東京ドーム1000個分!」といった言い回しを聞いたことがあるでしょう。それを聞いて、どう思うでしょうか。「きっと、かなり大きいに違いない」と感じますよね。

東京ドームの広さは0.047㎢で、甲子園球場や福岡ドームのほうが大きく、東京ディズニーランドの10分の1の広さです。……こう書くと、「それほど大きくないのでは」と認識を新たにする人も多いのではないでしょうか。

モノの実際の大きさ、重さが、イメージによって影響を受けてしまうことを、シャルパンティエ効果といいます。「東京ドーム10個分」と、「甲子園の10倍」とでは、なんとなく前者のほうが大きく感じられますね。このとき、人は屋根つきの巨大な球場という東京ドームの印象に引っ張られているのです。現実には、「甲子園の10倍」のほうがずっと広いにもかかわらず、です。

同じ数字をでも大きく見せる工夫をしよう

あなたが売りたい商品が持っている数字を、ひとまず並べましょう。そしてネガティブ優位性やシャルパンティエ効果が使える要素がないかどうか、考えてみてください。ウソではなく、正確な数字を使って印象を変えることで、、顧客が納得してくれればしめたもの。なお、くれぐれも誇大広告にならないよう、数値はあくまで正確なものを使いましょう。

参考:『その部屋のなかで最も賢い人』(青土社)

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