気が進まないときでも、仕事は終わらせなければなりません。憂鬱だと思って先延ばしすれば、その分だけ取り掛かるのが難しくなるだけ。だからこそ嫌なことを乗り越えるための習慣を身につけたいものです。
小さな習慣が気持ちを切り替えていく
今日は気分を変える習慣を紹介している『ダラダラ気分を一瞬で変える小さな習慣』(大平信孝・大平朝子/サンクチュアリ出版)から、イヤなことを乗り越えるための習慣を紹介しましょう。
①気の進まない電話をかけるとき
クレーム対応や回答が遅くなってしまったときの電話は、誰でもかけたくないもの。といって先延ばしすれば、もっと状況は悪化します。そんなときは、お勧めしたいのが、「上を見て口角を上げる」こと。
人は落ち込むと自然に下を向きます。逆に上を向くだけで視野も広がり、ポジティブに考えられるようになるようです。思考がネガティブな堂々巡りを始めたら、まず上を向いてみることで気持ちが変わってきます。
さらに口角を上げることが、自然と笑顔になります。笑顔をつくると、感情もポジティブになることは、ドイツのマンハイム大学の研究などによっても証明されています。
この2つの効果を合わせれば、少し前向きな気持ちで電話をかけることができるでしょう。クレーム処理は、お客様との信頼関係を繋ぎ直すチャンスとも言われます。気持ちを切り替えて取り組んでみてはいかがでしょうか。
②謝罪をしなければいけないとき
謝罪をしなければいけないときに気が重いのは当然です。一方で謝罪は早ければ早いほど、受けいれてもらえる確率が上がります。ですから、グズグズと先延ばしする時間はないのです。
と思っても、なかなか謝罪に出向けないときは、謝罪の練習をしてみましょう。美しいお辞儀の仕方を、ネットなどで検索しマネをします。さらに鏡で自分の謝罪する姿を映し、相手からはどのように見えるのかを確認します。
何度か練習するうちに、謝罪そのものにも慣れていくのではないでしょうか。練習がうまくいけば、本番へも自信を持って臨めるもの。いやいや行くのではなく、しっかりと謝罪できる自信を持って、先方に伺ってみてはいかがでしょうか。
③苦手な人に出会ってしまったとき
どれだけ心が広くても、苦手な人はいるものです。それが態度に出てしまえば、相手も面白くないでしょうから、どんどん関係は悪化していきます。
こうした悪循環に陥らないためには、苦手な人に会ったときは、過去に会った「最悪の人」と比較するとともに、相手のよいところを探すようにしましょう。欠点だって、よくよく考えれば長所の裏返しだったりするものです。
過去に会った「最悪の人」より少しでもマシだと思えるようになれば、相手に対する印象も少し変わってきます。そうなれば態度も変化するでしょうから、相手の態度も変わってくるはずです。
マインドフルネスに含まれる慈悲の瞑想などで、自分が思い込んでいる相手の印象を変えていくと、人間関係は劇的に変わるそうです。苦手だなと思ってしまったら、少しでも相手の印象を変えるために「愛悪の人」と比較してみましょう。
④同じ部署に苦手な人がいたら
職場のストレスの多くは人間関係です。うまく距離を取れればいいのですが、仕事上、疎遠にできない関係だとストレスは溜まる一方です。
そんなときは「5年後は、その人とどんな関係になっている?」と自分に問いかけてみてください。一時的なものだと考えられれば、苦手意識も収まってきたりするもの。
それでもモヤモヤするときは、5年前はどんな人間関係で悩んでいたのかを、自らに問いかけてみてください。思い出せないことも多いでしょうし、とっくに解決したと思うこともあるでしょう。それが人間の成長なのではないでしょうか。
今の自分では許せない人でも、5年後の自分なら受け入れられるのかもしれません。そうした変化の可能性を感じることも、苦手意識を軽減することにもつながります。
今日はイヤな気持ちのときこそ試したい4つの習慣を紹介しました。
心理学に興味のある方はこちらもご覧ください。
参考:『ダラダラ気分を一瞬で変える小さな習慣』(大平信孝・大平朝子/サンクチュアリ出版)