色が治療の補助として注目されているのを知っていますか?色と気持ちの関係については、20世紀初頭から研究が行われています。研究論文などから色と気持ちの関係について紹介していきましょう。
- 色が治療の補助になる!
- 自然の色が不安を取り除く
- こんな気分にはこんな色
- 朝日を浴びてみよう
色が治療の補助になる!
青色の光を見ると何となく落ち着くといった経験はありませんか?
S.V. Krakov は、赤い色が交感神経系を、青い色が副交感神経系を刺激することを明らかにしています。この研究はさらに発展を生み、青色が心を静めるリラクゼーション効果のあることがわかっています。
『光の医学』(ジェイコブ・リバーマン 著/日本教文社)によれば、赤色の光によって緊張や興奮が高まり、青色の光はくつろぎ感を増加させ、不安や敵意を和らげるとのこと。
また、アメリカ科学振興協会は、
「青い光が広い範囲の精神問題、例えば依存症、摂食障害、インポテンツ、欝の治療に有効であるとし、色が一つの治療の補助になることを示した」(「ストレス映像によるストレス緩和効果の研究」)
のです。
ストレスが多く日々ですから、会社に行きたくないと思うことも多いでしょう。そんなとき色で気持ちをリフレッシュできるなら、有効活用できそうですね。
自然の色が不安を取り除く
京都大学の齋藤ゆみ教授が書いた「カラー映像によるストレス緩和効果の研究」は、ストレスと色の関係を実験した論文です。
174人の学生に1枚につき5秒間、計9枚の映像を流して、気持ちの変化をさぐったのです。映像については、次のように説明しています。
「日本人の美意識や感性に訴えかけると考えられる自然の造詣として、桃色系は桜、青色系は山と湖、緑色系は森、稲、黄色系は銀杏の黄葉、赤色系は花とした。映像はコンピュータに取り込み、それぞれの色彩ごとに各9枚を一組として編集した」
つまり自然の写真などを色ごとに集めて9枚つなぎ合わせたというわけです。
結果、どの色彩映像も不安や倦怠などの感情が下がったそうです。 実験の部屋は暗幕を使って暗くし、縦80センチ、横100センチの大きさでスクリーンに映写したということで、完全再現はやや難しいとも感じますが、例えば自宅のコンピュータで、YouTubeなどから桜や山の景色など選択して流すだけも、ストレス解消になりそうです。
こんな気分にはこんな色
この実験では映像をみた後に形容詞による映像評価をつけてもらっています。つまり映像を見て、どんな感情が引き出されたのかを明らかにしているのです。
順番に紹介していきましょう!
・桃色系……美しさ、穏やかさ、安らぎ
つまり「穏やかさ」や「安らぎ」がほしいなら、桜の花の映像がお勧めということになります。
・緑色系……開放感、清々しさ、爽やかさ、安らぎ
開放感を得たいなら森の映像がいいでしょう。どうもモヤモヤした気分だと感じるなら、部屋を暗くして森の環境映像を流してみましょう。
・黄色系……落ち着き、穏やかさ
なんだかフワフワして上滑りしていると感じたら、いちょう並木の映像が効果あるかもしれません。
・赤色系……かわいらしさ、愛らしさ
つまらない日々で少しホッコリしたいと感じたときは、赤い花の映像を見てみましょう。
じつは赤色ついては、別の論文でも面白い実験結果が発表されています。脳波が「弛緩」や「だらけ」の状態を示しているときに、赤色を見ると感情が安定するというのです。赤を見ると、だらけている脳波がシャキッとするといったイメージではないでしょうか。(「生体計測による感情分類および色彩を用いた感情の安定化手法の提案」)
つまり何もやる気が起きない状況なら、赤色で脳を刺激してみてはいかがでしょう!
朝日を浴びてみよう
色ではなく、光に注目した研究成果をもう一つ追加しておきましょう。
じつは年間の総日照時間が長い都道府県ほど自殺率が低いといった研究があります。こうした状況に注目した大分大学の平川博文氏は、朝の太陽光を浴びるように指導し、抑うつ症状が改善したという症例を発表しています。
つまり夜にストレス解消の環境映像を見て、少し早く起きて太陽光を浴びれば、うつうつとした気分が軽減されるかもしれないのです!
ぜひ、試してみませんか?
ただし翌日の天気予報のチェックをお忘れなく!
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