夏が近づくとダイエットをしたくなる人も多いかもしれません。でも、ちょっと待ってください。そのダイエットは本当に必要ですか?ダイエットを心理学から考えてみました。
- 多くの人が痩せたいと思っている
- 身体をコントロールしすぎる危険
- 身体の本当の要求は、なに?
- 心地よい食べ方を身につける5つのポイント
多くの人が痩せたいと思っている
インターネット調査会社のマイボイスコムが日本で実施したアンケートでは、「現在ダイエットをしている」人が22.3%、「過去にしたことがある」人が33.4%でした。
じつに55.7%がダイエットを経験しているのです。しかも、その7割弱がリバウンドを経験しているとのこと。もちろんリバウンドがダイエットの失敗に直接結びつくわけではありませんが、痩せた体型を維持するのが難しいのは確かなのではないでしょうか。
身体をコントロールしすぎる危険
リバウンドしないダイエットを考える前にそもそもダイエットで痩せる必要があるのか、『毎日使える、必ず役立つ心理学』(サラ・トムリー 著/河出書房新社)を参考に考えてみましょう。
この本で取り上げているのは、心理療法士のスージー・オーバックが書いた『肥満はフェミニストの問題』という書籍です。この本には
「自分の身体をよりスマートに、より輝かしく、より快活に、より魅力的にするのは自分次第なのだと、食品、健康、ダイエット、美容業界から言われ続けている」
のが危険だと書いてあるそうです。
じつはメディアなどが流す「理想の体型」によって、自分にとっての最適な体型が変わってしまっている可能性があるかもしれないのだそうです。メディアの情報を受け入れすぎて、自分の身体の「声」を聴いて体型を維持するということができなくなっているのかもしれません。
こう考えると、少し「危険」という意味がわかるような気がしませんか?
実際、メディアが「理想の体型」を変えたかもしれない例もあるようです。
フィジー諸島のナドロガ地方では、1995年からテレビ放送が始まりました。テレビで流された理想の体型は、自分達との体形とかけ離れていると感じたのではないでしょうか。それから3年もしないうちに思春期の69%が減量のためのダイエットを始め、74%が自分は「大きすぎる」「太っている」と感じるようになったとのこと。
身体の本当の要求は、なに?
近年、タレントの渡辺直美さんのファッションが注目されたりと、太っていることがマイナスだという観念は変わりつつあります。とはいえ贅肉が付いたらダイエットが必要だと感じている人も、依然として多いでしょう。
『毎日使える、必ず役立つ心理学』(サラ・トムリー 著/河出書房新社)は、「どうやって痩せるか」が問題ではないと書いています。
身体に心地よい摂食方を学ぶ気があるかどうかだ。食生活を改善して正常な食欲を回復するためには、身体の本当の欲求を再発見する必要がある」
とも指摘しています。
これはよく言われることですが、不規則な生活をしたときの方がジャンクフードを美味しく感じてしまいがちです。規則正しい健康な生活は、健康な食事を身体が欲するのかもしれません。
心地よい食べ方を身につける5つのポイント
では、「身体に心地よい摂食方」はどうやって身につければいいのでしょうか?
この本に書いてあるポイントは5つです。
①お腹がすいたら食べる
②体が欲している食物を食べる
③お腹がすいていないのになぜ食べるのか理由を突き止める
④一口一口味わう、満腹になったらすぐに食べるのをやめる
⑤自分の身体に耳を傾け、身体の要求を受け入れる方法を見つける
「やけ食い」という言葉があるように、ストレス解消のために食べてしまうことは誰にでもあることでしょう。そんな食べ方を止めて、どうして満腹なのに食べてしまうんだろうと考え、本当に身体が望んでいることを見つけることで、身体は自然と当人の理想体重に近づいていくのだということでしょう。
何度もダイエットとリバウンドを繰り返しているなら、いろいろなダイエットの情報を探すことをいったんやめて、耳を澄まして自分の身体に理想の体型を聴いてみるのもいいかもしれませんね。
参考:
『毎日使える、必ず役立つ心理学』(サラ・トムリー 著/河出書房新社)