「どうも元気が出ない」「何だか気分が滅入る、そんなときは誰にもあるものです。そこで気分転換できるテクニックをまとめてみました。簡単にできるものばかりを集めたので、気に入ったら試してみてください。
- 早歩きで散歩する
- 青空を見上げる
- コーヒーを挽いて飲む
- 不安を書き出してみる
- 楽観的な人のマネをする
早歩きで散歩する
落ち込んだなと思ったときに、真っ先に試してもらいたいのは散歩です。
米国のノース・イースト・ルイジアナ大学のリンダ・パルマー氏は、29歳~50歳の抑うつ的な女性に、毎日20分2週間、早歩きで散歩してもらったところ、自信が高まり、血圧も下がり、抑うつ的な症状が改善したと報告しています。
ネガティブに考え過ぎて身動きが取れなくなっている状態のときは、運動をするのが効果的だという研究はほかにもあります。ハーバード大学医学部のジョン・レイティ准教授は、1日平均1400カロリーの激しい運動を課したうつ病患者のグループは、3ヵ月でうつの度合いが半減したと報告しています。
一方、軽めの運動をしたグループは、うつを示す指数が3分の1程度だったという結果もあり、激しい運動の方が気分を向上させる可能性があると書いています。
ただ、激しい運動の基準は、中程度の運動をほぼ毎日30分続けるといったものなので、運動の習慣がない人は早歩きから始める方がいいかもしれません。
青空を見上げる
散歩とセットにしたいのが、青空を見上げることです。
大阪市立大学の研究によれば、癒しを感じる画像が作業中の疲労を和らげると指摘しています。青空は癒しの画像として最適なものの一つでしょう。晴れている日は空を見上げましょう。
また空を見るときは、背筋を伸ばし、できれば腰に手を当てて、自信ありげなポーズを取るのがお勧めです。このスーパーマンのようなポーズによって、気分がポジティブになることも、心理学の実験で証明されています。
コーヒーを挽いて飲む
コーヒーの香りによって、ストレスから脳を守る分子が回復するという実験結果を、ソウル大学の研究チームが報告しています。コーヒーと聞くと、カフェインなどが眠気覚ましに効くといった印象がありますが、香りもストレスを軽減させる重要な要因だったのです。
また香りを引き立たせるために豆から挽くと、精神的にゆったりした時間を作ることができます。忙しくなると、気分転換するのも時間がもったいないような気分になり、余計に追い詰められたような気分になりがちです。そんなときこそゆっくりとコーヒーを楽しむ時間を作ってみましょう。
不安を書き出してみる
気分が乗らなくて、仕事などが手に付かないときには、自分の動きをとめている不安を書き出してみましょう。
シカゴ大学の研究によれば、試験開始10分前に試験について不安に思うことを紙に書き出した方が、書かなかった時より成績がアップしたと報告しています。これは不安が詰まって動きが鈍くなっていたワーキングメモリ(短期記憶)を解放することができるからだそうです。不安を書き出すことで脳の活動領域を増やすだけではなく、客観的に自分の状況を捉えることにも繋がるので、より落ち着いて行動ができるようになります。
行動するための一歩に不安がある場合は、ぜひ試してみてください。
楽観的な人のマネをする
どうにもネガティブな想いが抜けないなら、楽観的な人のマネをしてみましょう。自分の周りにいるめげないタイプの人でもいいし、タレントでもいいでしょう。ポジティブに生きていると感じる人の行動をマネてみましょう。
「そんなものに効果があるの?」と思うかもしれませんが、モスクワ大学の研究によれば、天才バイオリニストだと自己暗示をかけ本人になりきって楽器を演奏した人は、専門家からもより高い評価を得たそうです。
さらに有名数学者になりきって数学の試験を受けさせた実験でも、点数がアップしたとも報じられています。
特に落ち込んでもいないときに、ネガティブな気持ちになった時にマネしたい人物をピックアップして、その言動をまとめておくといいでしょう。そうした人の口癖や趣向などをマネると、よりポジティブに振る舞えるでしょう。
今日は落ち込んだ気分を転換するテクニックを紹介しました。やりやすそうなものから試してみください。
心のしくみについて興味のある方は、こちらもご覧ください。
監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会
参考:『科学的に元気になる方法集めました〈ライト版〉』(堀田秀吾/文響社)/『世界最先端の研究から生まれた すごいメンタル・ハック』(内藤誼人/清談社Publico)/『脳を鍛えるには運動しかない!』(ジョンJ・レイティ/NHK出版)