うつ病からの復職した人との接し方に迷ったときに読みたい3つのヒント

コロナ禍によって気分が落ち込み気味だという人も少ないかもしれません。また「元気ないな」と感じる同僚を見かけることもあるでしょう。中にはうつ病になってしまい休職した人もいるかもしれません。とはいえ、うつ病から復職した人にどうやって声をかけたらいいのかわからない人が大半かもしれません。今日は、そんな疑問にお応えします。

  • うつ病は世界的に増加傾向
  • 復職の第一声はどうする?
  • 仕事ができない人はどこまでフォローする?
  • 休職から復帰して1年、離席が増えたけど……

うつ病は世界的に増加傾向

厚生労働省が発表している2017年の患者調査では、127万6000人が「気分[感情]障害(躁うつ病を含む)」を患っていると書かれています。うつ病と躁うつ病がかなり多いカテゴリーですが、21年前の約3倍という結果です。

また世界的に見ても、うつ病は増加傾向にあるようで、2015年にはうつ病に苦しむ人は3億2200万人となり、全人口の4%を占め、2005年から18%も増加したと報じられています。米国の人口が3億2700万人余なので、米国民と同数のうつ病患者が世界にいるという計算となります。

日本では、うつ病が原因で休職した人が職場復帰するケースも珍しくなくなってきています。ただ意外に知られていないのが、職場復帰した人への接し方です。「励ましてはいけない」とはよく聞きますが、実際にはどんな行動がNGで、どのように対応すべきでしょうか?

今日は、シニア産業カウンセラーでもあり、臨床心理士でもある尾崎健一氏の著作『職場でうつの人と上手に接するヒント』から、特に役立ちそうな「ヒント」をご紹介します。なお、この本は

医師により「うつ病」と診断された人や復職した人が同じ職場にいらっしゃる場合を想定して

書かれています。

復職の第一声はどうする?

復職時になんと言って迎えればいいのか。これは意外に頭を悩ませる問題かもしれません。お祝いすべきなのか、そっとしておくべきなのか悩みどころです。

復職の第一声で悩む人に尾崎氏は次のように回答しています。

まずは「復職おめでとう!」でいいと思います。

休職中、いろんなことを心配していたであろう復職者にとって、「受け入れてもらえた」と思ってもらうことが重要だそうです。笑顔で、今までどおり一緒に仕事をしようという気持ちを表現してあげればいいとのこと。

ただし、お祝いの仕方には注意点も!

アルコールは禁物ですし、長い時間をかけるお祝いの仕方は、本人の体調に差し障ることもでてきます。

当人と相談の上、ランチで話を聴くぐらいが適当ではないかとアドバイスが書かれていました。

仕事ができない人はどこまでフォローする?

うつ病からの復職時期の同僚などをケアしている人もいるかもしれません。病状によっては、新しい仕事を覚えられないといったこともあるかもしれません。

そうした場合、ケアしながら一緒に仕事をしている同僚は、どれぐらいまで仕事を手伝うべきなのでしょうか?これもなかなか難しい問題です。

尾崎氏の回答は次の通りです。

ミスが多いようでも、まずは本人にまかせましょう。手伝いすぎないくらいがちょうどよいのです。ただし、あまりにも業務に支障を来すようであれば上司に相談します。たった一人でサポートに回る必要はありません。部署全体でサポートできるようにすることが理想です。

また作業途中にチェックを入れてミスを防いだり、できていないことは率直に伝えるなどして、当人が自分で仕事を進められるよう工夫をすることも勧めています。

休職から復帰して1年、離席が増えたけど……

うつ病による休職から復帰して1年ほどたった人が、就業中に離席することが増え、確認するとトイレに籠っている時間が長いことがわかります。こうしたときに、どうすればいいのでしょうか。

まず知っておきたいのが、うつ病の特性です。

うつ病という病気の場合、2年以内に再発するケースが多く、しかも回復しても症状が安定するまでに、3~4年程度の期間がかかることもある病気です。

つまり再発の可能性のある体調の変化には、注意する必要があるのです。個人差はあるものの、次のような行動が目立つようになったら少し注意が必要とのことです。

・就業中に離席が増えた
・これまでになかった遅刻や欠勤が増えた
・順調にできていたはずの仕事が突然できなくなった
・仕事の期日などに遅れるようになった
・突然口数が減った
・身なりにかまわなくなった

こうした行動が続くようであれば、

まずは「体調は大丈夫?」といったように声をかけて、今の仕事や勤務状態がどのくらいの負担になっているのか、また、気になることはないか、尋ねてみましょう。

企業のメンタルヘルスコンサルティングを手掛けている尾崎氏の著作は、とにかく具体的なアドバイスが溢れています。うつ病の人への接し方に迷ったら手に取ってみるのもいいかもしれません。

メンタルヘルスやコミュニケーションに興味のある方はこちらをご覧ください。

参考:『職場でうつの人と上手に接するヒント』(尾崎健一/TAC出版)

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