世界がその影響力に注目! 1996年~2010年生まれの「Z世代」を理解する6つのポイントって?

「Z世代」を知っていますか?1996年から2010年生まれの人を指します。つまり現在10~24歳の人たちです。生まれた時からネットがあり、デジタル機器に囲まれたて過ごしてきた世界でも注目の世代の行動と気持ちを紹介していきましょう。

  • 「Z世代」って、どんな世代?
  • 「Z世代」が育った時代
  • 「Z世代」の性格は?

「Z世代」って、どんな世代?

「Z世代」は国によって定義が異なりますが、日本では1996年から2010年生まれの人たちを指します。

2000年代あたりに成人を迎えた人を「ミレニアル世代」と呼びますが、その前半1981~1995年生まれまでを「Y世代」、後半を「Z世代」と呼ぶのです。

「Y世代」トップの1981年生まれの人は、15歳のときにWindows95が発売されたこともあり「デジタル・ネイティブ」と呼ばれます。一方「Z世代」の先頭1996年生まれの人は、15歳のときにFacebookがブームとなっているので「ソーシャル・ネイティブ」と呼ばれています。

この世代に注目が集まっているのは、ここ数年で社会人になり、現在440億ドルとも言われる購買力を持っているからです。そしてもう一つは、これまでにない性格的な特徴を持っているからです。

インターネットもsnsもあるのが当たり前の人生を過ごしてきた「Z世代」は、旧世代にはない性格特性を持ち、その行動がたびたびメディアで話題となってきました。「若者の○○離れ」と言われる行動は、その一端です。そうした行動は経済中心の行動と違うだけに、旧世代には理解しにくいとも言われています。

すでに社会で働き始めている「Z世代」を理解するためには、彼らが過ごしてきた時代とともに理解する必要がありそうです。

「Z世代」が育った時代

「Z世代」の性格に影響を与えた要因として、米国の研究者は3つの時代背景をあげています。一つずつ紹介していきましょう。

①ネットとSNS
生まれたときからインターネットがあり、SNSとともに多感な時期を過ごしている「Z世代」なので、インターネットとSNSからの影響は大きいと言われています。
この点については、日本も米国も大きな違いはないようです。

②景気の後退
2008年に起こった「リーマンショック」(米国の大手投資銀行リーマンブラザーズ破綻から起きた世界的な経済混乱)は、子ども時代の「Z世代」の生きざまに大きく影響しているそうです。

同じように日本でも経済は低迷し続けています。世界における日本のGDP比率は、1990年から落ち続け、今年は当時の半分以下になっています。バブル時代に世界の不動産を買い付けたような勢いは、もうありません。
非正規雇用の割合も増えています。1997年は24%だったのに、2017年には37%となり、3人に1人が非正規雇用者なのです。仕送りから家賃を引いた私立大学生の生活費平均は、1990年は7万3800円だったのに、2015年には2万5500円と3分の1近くまで減っています。
また「Z世代」が育った時期は、日米両国で「中産階級」と呼ばれる庶民的な経済を持つ層が減り、経済格差が広がっています。

③9・11同時多発テロから始まるテロへの危機感
米国では、9・11以降も学校などで銃乱射事件が相次ぎ、テロの恐怖を実感する日々が続いています。
日本では、そこまでの恐怖を感じることはなかったと思いますが、世界がテロにざわついている雰囲気は感じ取ったかもしれません。

「Z世代」の性格は?

「Z世代」の性格の特性について、最も分析が進んでいるのは米国でしょう。そこで米国の論文で触れている特性を、日本でのアンケート調査などと合わせて紹介していきましょう。

①とにかくまじめ
米国で行われた10代の若者の年代比較では、2008年と比べて「Z世代」は10代の妊娠が40%少なく、薬物やアルコールの乱用が38%減り、高校の留年や中退も28%減少しています。

2014年の調査(Generation Z Goes to College)では、この世代は忠実で思いやりがあり、思慮深く、オープンマインドで責任感がある、と結論付けています。

日本の「Z世代」について言えば、イノベーションチームdot、㈱ループス、㈱4thで構成された「Z世代会議」が実施したアンケート調査で、「他人から好かれ、仲間として歓迎されることは大切だ」という問いに96%が共感しています。また「弱っている仲間がいれば励ましたい」にも89%、「目上に気を使う」に89%、「自分の行動が他人にどう思われているのか気になる」にも83%が共感しているのです。米国の上記の調査と被る点も多いでしょう。

この傾向は労働観にも影響を与えています。
世界経済フォーラム(WEF)によれば、「Z世代」の77%は前の世代より懸命に働きたいと考えているようです。実際、米国市場での評価は高いとの報道もあります。

またスキルアップのための勉強についても、自分でトレーニングすることが仕事のうちと考える傾向にあるようです。ちなみに団塊の世代の多くは、そうした教育を雇用主の責任だと考えています。

②やや保守的
米国の調査では、「Z世代」の80%は大企業か中規模の会社に勤務したいと考えています。
この傾向は日本でも見られ、マイナビの調査によれば「Z世代」の先頭が17歳を迎えた2013年から新卒者の企業選択のポイントは「安定している会社」が上がり続け、「自分のやりたいことができる会社」が下がり続けています。

経済の低迷期に生きてきた「Z世代」にとっては、経済的な安定は非常に重要なのでしょう。この傾向は学歴や学部の選択にも表れています。米国の「Z世代」の81%がキャリアの目標を達成するのに大学の学位取得が必要だと考えており、大学を就職の準備だと88%の人が考えています。そのため大学での専門知識がビジネス市場で評価されることを望み、科学・技術・工学・数学分野の
専攻が人気となっています。

近年、日本でも国家資格を取得できる医療系学部の人気が高まっています。

③多様性を好みリベラル
SNSを通じて、さまざまな人たちとつながって育ってきた「Z世代」は、多様な社会が当たり前と考えているようです。

「Z世代会議」が実施した日本のアンケート調査でも、「無理強いやハラスメントはしない」が93%の共感率を占め、「男女の区別なく、家事・育児を分担した方がよい」が90%、「男女平等、割り勘は当たり前だ」も67%を占めています。

米国では「Z世代」を含めた「ミレニアル世代」には理想主義な傾向があるとして、その根幹にあるのは現実からネットへの逃避傾向だと分析している論文もあります。

④モノよりコト
「若者の〇〇離れ」という話を聞いたことがありませんか?若者が車などを買わなくなったとい話とともに出てきます。じつは米国でも若者が車を買わなくなったと話題になっています。1983年と比べて2017年の調査では、免許取得率が92%から80%に下がっています。

日本でも酒類やファッションへの支出額はかなり下がってきています。一方で、スポーツ観戦や映画、コンサート鑑賞などの経験にお金を払う人は増えています。また、モノを所有せず、車や音楽などをサブスクリプションで利用する人も増えています。2016年の『消費者白書』によれば、こうした「コト消費」にお金をかけていると回答した人は、30代が13.8%、40代は12.5%と、30代以降は10%代前半なのに、15~19歳では34.6%、20~24歳は31.9%と2倍以上の値を記録しているのです。

⑤強い起業家精神
安定志向が強いものの起業への意欲が高いことが、米国では知られています。高校時代から起業に関する科目を学ぶ人も少なくありません。これは人気の商品をつくればネットで世界中に販売でき、動画や写真、文章がWebを通して世界中の人から評価されるという環境から生み出されたものと言われています。

日本でも若い起業家が少しずつ出てきています。

⑥心の弱さと幸福感の低さ
あらゆる項目でプラスの評価を得る「Z世代」ですが、米国では精神的な弱さが統計より明らかになっています。うつ病になる割合が高く、自殺も他世代より高い傾向にあります。
これはオンラインへの依存度が高まり、対面でのやり取り少なくなったからという説が発表されています。

じつは日本でも気になるデータがあります。
日本生産性本部の調査によれば、10~20代の心の病が2010年は全体の12.9%だったのに、2014年は18.4%、2017年は27.9%と大幅に上昇し、2012年からほぼ横ばいの30代、40代の数値にかなり近づいているのです。

また米国では、「Z世代」の満足度が前の世代より低いことが明らかになっています。絶望するほどではないけれど、やや幸福感が低いそうです。

じつは日本の「Z世代」は世界的に見ても、幸福感の薄い集団だとわかっています。英国に本部を置く非営利組織「バーキー財団」の「Z世代世界市民意識調査」における幸福度調査で、日本は20カ国中で最下位だったのです。トップがインドネシアの90点なのに、日本は28点ですからかなりの差があることがわかるでしょう。

社会を引っ張っていく気質を備えた「Z世代」ですが、そのまじめで理想主義な側面が、自分自身を追い詰めてしまう可能性はありそうです。

性格や心理について興味のある方は、こちらもご覧ください。

参考:「Generation Z」(W Strauss, N Howe)/「A Tsunami of learners called Generation Z」(Darla Rothman, Ph.D)/「Is Generation Z in Trouble?」(Mike Brooks Ph.D./Psychology Today)/「Z世代とはなんだろう? 世代論から行動までの総まとめ」(JOIN THE DOTS)

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