仕事に飽きてしまいモチベーションが上がらないといったこともあるでしょう。趣味や遊びであれば、飽きたらやめればいいとも思いますが、仕事だとそうもいかないでしょう。そこで仕事に飽きたときの対策をまとめてみました。
- 「飽きた」が理由にならない仕事のために
- 飽きた原因を探る
- 新しいプロジェクトを探す
- 職場の人とつながる
- ジョブ・クラフティングを実施する
「飽きた」が理由にならない仕事のために
初めてやることは緊張とともに集中するけれど、慣れてきて余裕が出てくると飽きてモチベーションも下がってしまうのは仕方のないことかもしれません。
しかし「飽き」がモチベーション低下の原因として、認められるものではありません。そのため飽きが出てきた仕事に、どのように対処すればいいのかは心理学でも研究されています。
そこで仕事での「飽き」への対処法を4つ紹介しましょう。
①飽きた原因を探る
まず、すでに飽きてしまった業務に、面白味を感じたシーンを思い出してみましょう。どんなことが面白いと感じ、何をすることに夢中だったのか、仕事そのものではなく同僚や上司などの人間関係が刺激になっていたことがあるかもしれません。
次に飽きて情熱を失った時期と理由を考えます。何か心を折るような失敗があった時かもしれませんし、家族間のトラブルなどプライベートな事情と重なるかもしれません。あるいは、いくら成果を上げても認めてもらえないことに気づいた瞬間かもしれません。何かしらのボトルネックがあって、自分がいくら効率化しようと頑張っても改善できないとわかった時から、といったケースもあるでしょう。
この2つの作業が終わったら、改めて改善方法を考えます。心理学者のローレン・フロルコ博士は、「飽きへの対処は、避けるのではなく参加しての改善すべき」と指摘しています。情熱を失った原因
の対処方法を探してみましょう。
ボトルネックの解消やプライベートの問題解決、部署が変わって話す機会の減った同僚との交流など、見直してみればできる事もあるかもしれません。
そうした原因の改善が望めない場合は、飽きてしまった仕事の質や効率の改善に力を向けてみましょう。仕事に対する技術が上がっていくこと自体に面白味を感じられる可能性があるからです。
②新しいプロジェクトを探す
自分が興味を持てるプロジェクトに参加できる方法がないか探してみましょう。上司と話し合いをするのもいいですし、自分のやりたいことに関する勉強を始めるのも一つの方法です。
社会人であっても学んで新しいスキルを習得することは、もはや当たり前になっています。飽きたと感じるのは余裕ができてきた証拠ですから、その時間とエネルギーを何に費やすのかを考えるといいでしょう。夢中になれる「種」をそうした活動から探しだすことができるかもしれません。
③職場の人とつながる
退屈な作業であっても、信頼できる人と一緒なら楽しいと感じることがあります。また自分では突破できないと思っていた問題も、同僚や上司と協力することで打開できるかもしれません。
「飽きた」のは自分が興味を失ってしまったからだと、自分と目の前の仕事だけに注目しがちです。しかし、その仕事を取り巻く人間関係が「飽き」を解消する可能性があると、理学者のローレン・フロルコ博士は語っています。
同僚と関わる時間を作ってみる。そんな小さな一歩が飽きた仕事への情熱を取り戻すきっかけになるかもしれません。
④ジョブ・クラフティングを実施する
いきいき働き、組織に愛着を持つための活動として知られているのが、ジョブ・クラフティングです。ポイントは自分なりに工夫してみること。自分で仕事を改善し、より効率的に整えていくことで仕事への愛着が湧いてくるそうです。
具体的な方法はいくつもありますが、まず大切なのは以下の3つの視点です。
1.作業クラフティング
仕事の内容を充実させるために、何ができるのかを考えみましょう。目標設定やスケジュール管理など、自分のタスクで改善できるポイントを探っていきます。
2.人間関係クラフティング
自分の仕事へのサポートやフィードバックをもらえるように、職場に関係する人々との人間関係を調整していきます。
3.認知クラフティング
仕事の目的や意味を捉え直してみましょう。自分の作業が社会にどのように役立っているのかを、クライエントと話すことで確認するといったことも効果があります。
何かの罰で走らされているのと、スポーツで良い成績を収めるために走っているのでは、モチベーションはまったく変わってきます。同じランニングでも捉え方が変われば、飽きた仕事に再び情熱を傾けることができるようになるかもしません。
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監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会