どうしてもモチベーションが上がらないときは、誰にでもありますよね。ただ、モチベーションが最低の状態でも、仕事などをこなす必要はあるものです。そこでモベーションを引き上げるテクニックを紹介していきましょう。
- しっかり休む時間の取れないときに
- 入浴する
- 散歩をする
- 電子デバイスから離れる
- 音楽を聴く
- 深呼吸をする
- バタフライハグ
- トリガーを特定し避ける
しっかり休む時間の取れないときに
モチベーションが下がっているとき、最もいいのは休むことでしょう。数日の休みを取り、しっかり眠って、体に優しい食事をする。それが理想的なことは、誰もが知っていることです。しかし実際問題として、モチベーションが下がっても仕事は待ってくれません。完全に休みを取れるほど暇ではなく、自分の仕事を誰かに代ってやってもらうのも簡単ではないでしょう。もちろん病気のような「緊急事態」であれば助けてもらうべきでしょう。しかしモチベ―ションが上がらないという理由で、抱えている仕事を誰かにやってもらうのは容易ではありません。
そこで比較的短時間でモチベーションを回復させる方法を調べてみました。どうにもやる気が起きないなと感じたら、試してみてください。
①入浴する
ミシガン大学の研究によれば、汚れを落とすことが、罪悪感や悲しみ、疑いなどの悪感情を取り除くのに役立つそうです。ネガティブな感情が頭の中を巡り、そこから抜け出せないようなら、手や身体を洗うといいでしょう。本当に時間のないときは手を洗い、もう少し時間を取れるなら入浴して入念に身体を洗ってみましょう。
自分の身体を洗っていることをイメージするだけでも、不道徳感や不幸な感情を取り除くことができるとも報告されているので、身体を清めることでの心理的な効果はかなりのものでしょう。身を清める行為が、さまざまな宗教で取り入れられているのも、悪感情を手放す心理的効果と無関係ではないでしょう。
さらに時間に余裕があるのならば、温泉に行くといった方法もあります。昔から温泉は「湯治」として治療の場にもなっています。また温泉療法といったような形で、心理療法も試みられています。
②散歩をする
うつ病などの治療においても、朝の散歩が推奨されることがあります。これは散歩をすることで血中内内の酸素の量を増加させ、幸福感を促進するホルモン「エンドルフィン」の放出にもつながるからです。
散歩するなら森林など、自然の多い環境がお勧めです。ストレスを感じたときに出るコルチゾールが森林浴で減少することがわかっているからです。森林浴をしながらの散歩に適した時間が決まっているわけでないようですが、 1時間程度の散歩を推奨している報道があります。
とはいえ国立研究法人・森林総合研究所によれば、15分間森を散歩するだけでも、リラックス効果があるようなので、最低15分は自然の中を散歩することから始めてみてはいかがでしょうか。
Web上には東京などの大都市でも楽しめるお散歩コースを紹介していますので、短時間の散歩をするのもお勧めです。
③電子デバイスから離れる
携帯やPCなどの電気機器、それらを通して使えるSNSが心理的に、どのような影響を及ぼしているのかは賛否両論あります。ただ画面を見る時間が長すぎると、マイナスの影響が多いという指摘は数多くあります。
SNSで罪悪感を覚えてしまう場合は、携帯の電源を切るだけで、かなりメンタルヘルスがアップします。また携帯を見る時間を減らすことで、身体を動かしたり、人と実際に会うといった活動も活発化する可能性が高まります。また人によっては、夜中に携帯を見ないようにすることで眠りにつきやすくなるかもしれません。というのもスマートフォンやLED照明には、睡眠障害を引き起こすブルーライトが含まれているからです。
もちろん仕事で携帯の電源を切るのが難しいという人もいるでしょう。そうした場合は、数時間だけ連絡がつかないことを周りに知らせて、後からメールで対応すると決めるといった方法もあります。
私たちは携帯や電話にすぐに対応しなければいけないと思い込んでいますが、どうしてもモチベーションが上がらないときは、数時間だけでも「対応しない」時間をつくってみましょう。
④音楽を聴く
音楽を聴いて、感情をなだめることは、「セルフ・スージング(自己鎮静)」の方法としても広く知られています。ストレス過多の状態になると、生物としての危機感に襲われるようになってしまします。
そこで脳に「安全だ」と信号を送るのが「セルフ・スージング」です。
音楽の中でも左右の周波数が微妙に異なるバイノーラルビートの音楽は、心の落ち着きを取り戻し、集中力をアップさせると言われています。バイノーラルビートはネットで検索すると、実際に聴くことができます。興味のある方は試してみてください。
⑤深呼吸をする
ストレスが激しいときは、副交感神経系を活性化することで穏やかな気分になることができます。だからこそ意識的にスピードを変えられる呼吸は、とても重要です。
ストレスが高まり、体が闘争状態になると、私たちは自然と呼吸が浅く、早くなってしまいます。その状態から深呼吸で脱します。お勧めは、4カウント息を吸い、4カウント息を止めて、4カウントで吐き出し、また4カウント息を止めてを繰り返すボックス呼吸法です。
気だけは焦るけれど、一向にやる気が湧いてこないといった状態のときは、ぜひボックス呼吸法でリラックスして、少し休息をとるようにしましょう。
⑥バタフライハグ
イヤな気持ちが頭を巡っているときに試したいのが、トラウマ治療として生まれた「バタフライハグ」です。これはネガティブな感情が右脳を活性化させてしまうので、体の両方に刺激を与えて、左脳の動きを活性化し、右脳の活性化を沈める運動です。
やり方はとても簡単!
腕を胸の前でクロスして、交互の自分の身体を手と指で軽く叩くだけです。一定のリズムで30秒から2分程度続けてみましょう。身体を叩く刺激に意識を集中していると、どんどん心が穏やかになっていくことがわかるでしょう。
⑦トリガーを特定し避ける
少しモチベーションが戻ってきたら、どうしてやる気を失ってしまったのか、その原因を考えみましょう。寝不足や不規則な食事などの生活習慣に関連する要因、苦手な人の会話などの人間関係の要因、不得意な仕事や苦手な行動に関する要因などなど。自分のモチベーションを奪う原因を特定し、それを避ける方法を探ってみましょう。
すべての要因を避けることはできませんが、ストレスを感じる時間を短くするといった対策は立てることができるでしょう。
今日はモチベーションを上げたいときの対処法を7つ紹介しました。どれもそれなりに効果のあるものですが、人によって効果の違いがあるようです。いまの自分にとって何が一番効果的なのかを、一つずつ試して明らかにしてみましょう。
モチベーションは自分が思っている以上に些細なことで下がっていくものです。昨日までは元気だったのに、雨が降っているせいかやる気が起きない。そんなこと自体、珍しいわけではありません。だからこそ自分の元気を回復させるスキルは、手に入れおきましょう。効果のあった方法は、次にモチベーションが下がったときのために、すぐに思い出せるようにしてみるのもお勧めです。
心のしくみについて興味のある方は、こちらもご覧ください。
監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会
参考:「Self-Soothing: Definition + 14 Techniques & Skills」(Tchiki Davis, MA,PhD/The Berkeley Well-Being Institute)/「Washing the Body‘Cleanses’the Mind」(U.S.News & World Report)/『メンタルマネジメント大全』(ジェリー・スミス/河出書房新社)/「3 Things You Can Do to Feel Good Right Now」(Carrie H. Kennedy Ph.D./Psychology Today)