「今月は買い過ぎた!」とカードの明細を見て、気が滅入ることはありませんか? もしかしたら、あなたは問題のある買い物のパターンにはまり始めているのかもしれません。そこで困った買い物の特徴や対策をまとめました。
- こんな兆候があれば危険
- 買い物に依存しやすい性格って?
- 経済や人間関係が破綻することも
- 支出を抑える2つのテクニック
- 変えていきたい5つの行動
こんな兆候があれば危険
誰にでも衝動買いでスッキリしたと思える瞬間はあるものです。しかし「買い物依存」のように、メンタルヘルスに悪影響を与える買い物だったら対策が必要になります。とはいえただの衝動買いなのか、気を付けるべき買い物なのかを、ほとんどの人は意識しないでしょう。
そこで改善の必要がある「買い物依存」の特徴について、まずまとめてみましょう。
・買い物をした後、罪悪感や後悔がある
・商品を見に行くだけだとテンションが上がらない
・買い物中はイヤなことを忘れられる
・かなりのお金や時間をショッピングに費やしてしまう
・必要のない商品を買ってしまう
どうでしょうか? 自分の買い物は上記に当てはまりますか? 当てはまっていることが多いと感じたら、少し行動を気を付ける必要があるかもしれません。
買い物依存の特徴は、イヤなことから目を反らすために買い物にはしってしまうこと。そのため購入した商品は、自分にとって必要でないケースも多く、そんなものにお金を使ってしまったことに後悔を感じてしまったりするのです。
また通常の買い物の楽しみの中には、自分に合った商品を選ぶ楽しみが含まれますが、購入そのものが快楽になっている買い物依存は商品を見たり、選んだりするだけでは楽しくないケースが多いようです。
たとえ衝動買いでも、自分に必要なものを考えて購入しているようならメンタルヘルスの問題に繋がる可能性は少ないようです。
買い物に依存しやすい性格って?
買い物で問題を抱えやすい人の性格についても、さまざまな研究が行われています。大きな特徴の一つは、自尊心が低く、周りの影響を受けやすいことでしょう。他人に親切で同情的、礼儀正しさを持っていますが、孤独なケースが多いようです。
さらに彼らは想像力、好奇心が弱いという研究結果もあります。しかもメンタルヘルスケアに問題のある人の買い物は、想像力や好奇心を刺激するようなイベントではないらしいのです。
つまり「この商品を買ったら、こんなことをしたい」といった購入後の好奇心を刺激するような要素が、買い物依存にはないのです。
一方で買い物によってチヤホヤされたり、何かしらのステータスを得るというパターンにはハマりやすいようです。そのため商品を買うことで、人生の問題が解決されるといったような 宣伝に弱い傾向があります。衝動買いをしやすいので、ショップにとっては財布のヒモが緩い大事なお客様でもあります。
経済や人間関係が破綻することも
当り前ですが買い物のし過ぎは、経済的な問題を引き起こしかねません。カードの支払いが積み上がってしまい、経済破綻を招いてしまう。あるいは借金が積み上がることで、周りの人からの信頼を失ってしまったり、友人に借金をしようとして距離を置かれてしまったりといったことも起こります。
しかも買い物に依存している場合は、日常生活に精神的な問題を抱えているケースが少なくないため、目を背けようとしている現実が大きな問題となって立ち塞がってしまうケースもあります。
積み重なる買い物が日常生活を壊してしまうまでには、それなりの月日がありますので、自分の買い物パターンがやや危ないと感じたら、自身の行動を変えていった方がいいでしょう。
支出を抑える2つのテクニック
買い物依存を抑えるための方法の一つは、買い物に必要な経済を管理することです。買い物に必要な現金やカードがなければ、当たり前ですが買い物はできません。ただ意志の力でどうにかしようとするのは賢明な方法ではありません。買い物をしたいと感じたときに、カードや現金を使えないようにする現実的なテクニックをお伝えしましょう。
①クレジットカードを解約する
お金がないときに購入できない仕組みであることが、買い物を制御する大きな力になります。クレジットカードを使わない生活に切り替えるために、カードを解約したり、財布に入れて持ち歩かないようにしましょう。
現金を使うのが面倒だと感じる場合は、あらかじめチャージしておいた金額分だけをプリペイド式カードを活用するのもお勧めです。
②給与が出たらお金を振り分ける
給与が出たら、使う前にお金を振り分けます。借金返済分や貯金、食費などに分けて持つようにするといいでしょう。例えば食費はプリペイド式カードにチャージし、借金は引き落とし口座に入れて、貯蓄は別の口座に入れておくと言った方法です。
上記の行動だけでも、かなりお金を使う意識が改まるでしょう。またお金を振り分けるためには、これまでのお金の使い方を振り返り、可能な貯蓄額やムダなお金の使い方についても見直す必要があります。だから何となくお金を使ってしまったと感じている人は、適切にお金を振り分けられるように現在の支出を見直しましょう。
変えていきたい5つの行動
支出に直接関係ない行動変容も、「買い物依存」物対策には有効なものがあります。ポイントは無理せずに購入を避けることです。Webでの買い物も増えており、以前よりも購入しやすい環境が増えていることは事実ですが、日々の行動を変えていく中で買い物への依存を抑えていきたいですね。
それでは、具体的な方法を紹介していきましょう。
①浪費しがちなショップを避ける
ついつい買ってしまう店やウェブサイトに行かないようにしましょう。ショップのある駅を避けたり、ウェブサイトをお気に入りサイトから外すといったことが効果的です。
②所有物を制限する
服や靴の数を決めることで、買い物を抑えやすくなります。クローゼットに収まる以上の服は買わないといったきまりを設けてもいいですし、もっと厳密に自分が所持する服や靴の数を決めて、新しく買ったら古いモノを捨てると決めるといった方法もあるでしょう。
③購入前は20分時間を取る
いざ購入となったら、20分間、頭を冷ましましょう。本当に買う必要があるのか、本当にその商品が自分を幸福に変えてくれるのかをしっかり考えていくと、商品の多くはその魅力を失っていきます。とにかく勢いで買わないようにすることが大切です。
④買い物は止めてくれる人と行く
買い過ぎを止めてくれる人とショッピングしましょう。「それ、本当に必要?」「もう同じようなものを持っているよね」といったアドバイスが、買い過ぎを止めることに繋がります。
逆に競うように購入してしまう人と買い物に行くのは危険です。
⑤別の楽しみを見つける
買い物以外の楽しみを見つけてみましょう。スポーツなどは特にお勧めです。買うこと以外でストレスを発散できれば、経済的な問題は解決する見込みが高まります。
今日はメンタルヘルスに悪影響を与える買い物についてまとめました。適度なストレス発散の枠を超えていると感じたら、そうした行動を見直してみてはいかがでしょうか?
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監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会
参考:「How to Rein In Your Shopping Problem」(Temma Ehrenfeld/Psychology Today)/「What Is a Shopping Addiction? What to Do If You Think You’re a Shopaholic」(Elizabeth Hartney PhD/Verywell Mind)/「Shopping addiction」(Niedermoser/APA PsycArticles)/「The Bergen Shopping Addiction Scale: reliability and validity of a brief screening test」(Cecilie S. Andreassen/Frontiers in Psychology
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