心理学から学ぶ「現実逃避を断ち切る」4つの方法

やることはたくさんあるのに手につかない。何となくネットを見ていたら数時間がたっていた。そんなことはありませんか?しかし現実逃避をしても状況は悪化するばかり。そこで今回は現実逃避癖を改善するラディカル・アクセプタンスについて説明しましょう。

  • 現実から逃れためのSNSは依存しやすい!?
  • 現実を受け入れる手法
  • 簡単に試せる4つの方法

現実から逃れためのSNSは依存しやすい!?

現実逃避の願望は誰にでもあるものでしょう。

オンラインの旅行会社エクスペディアが実施したアンケートによれば、「現実逃避の旅に出たいと思うことはありますか?」という質問に76%の人が「はい」と回答。30代以降は男女とも現実逃避への願望が強くなる傾向を示しましたが、30代女性は88%が現実逃避への旅に出たいと答えています。

実際に現実逃避をするかはともかく、全てを忘れて旅に出たいと思うことは誰にもあるのではないでしょうか。

現実逃避について、少し気になる結果となったのは、2014年に総務省の情報通信政策研究所が発表した調査です。東京都内の高校生1万5000人を対象にしたアンケート調査の結果から、ソーシャルメディアの利用目的が「現実から逃れるため」と答えた人は、全体では1割弱なのに、ソーシャルメディアへの依存傾向が高い人は3.7倍もいることがわかったのです。

つまり「現実から逃れるため」にSNSを使う人は、それに依存している確率が高いというわけです。

現実を受け入れる手法

では、現実逃避を断ち切るにはどうした良いのでしょうか?

当たり前ですが、大事なのは現実を受け入れることです。その手法として注目されているのが「ラディカル・アクセプタンス」です。

『ラディカル・アクセプタンス』(サンガ)の著者タラ・ブラックは、

自分の中で何が起きているのか明確にとらえ、そのプロセスを通して見える自分を優しく愛に満ちた心で受け止める、それが私のいうラディカル・アクセプタンスです

と書いています。

自分には価値がないと責めるのではなく、起こってしまった現実も自分自身もあるがままに受け止めることで、状況が変わらない苦しみから脱することができるのだそうです。

簡単に試せる4つの方法

ラディカル・アクセプタンスは、さまざまな方法があるようですが、ここでは比較的実行しやすい方法を紹介しましょう。

①現実逃避の理由を考える
現実逃避の多くは理由があるもの。現実を直視したくないと思った理由は何なのでしょうか? 現実に立ち向かう自信がない? 自分の理想とかけ離れている現実に我慢できない? 誰かと比較されるのに耐えられない? そうした現実逃避の理由を探し、現実からは逃げられないと理解することが、ラディカル・アクセプタンスの大きな一歩となります。

②行動リストをつくる
現実を受け入れたら、現実に立ち向かうためにどう行動していくのかを書き出してみましょう。夢のような目標ではなく、現実の自分に即した計画を立てて、地道に進めていく手段を探します。ときには自分の実力合わせて、目標レベルを落とす必要があるかもしれません。そうしたことも受け入れた行動リスト書き込んでいきましょう。

③認めたくない現実への対処法を考える
認めたくない現実と向き合わざるを得ない日があるなら、その対処法を考えましょう。例えばそれが資格試験の日なら、合格できなくても、少しでも勉強が進むように学習計画を見直すことはできます。あるいは仕事で納品に無理がありそうなら、スケジュールの組み直しをお願いすることも可能です。
現実的な対処法を考えてみましょう。

④現実から逃げる衝動に乗らない
食べ物やアルコール、タバコ、SNSなど、現実逃避への欲求が生じたときに、少し間を取ってみましょう。身体の動きを止めて、体がどんな反応を示しているのか観察します。胃に緊張感があったり、腕に痛みがあったりしませんか? その行動を身体のどの部分が欲しているのかを考えてみます。

1分ほど体を観察し、それがどのように変化するのかを観察すると、たとえ衝動に従ったとしても、その後ろにある緊張感や苦痛に気づくことができ、衝動の強度が弱っていくそうです。

現実から逃避して、自分を責め続けるのはとてもつらいことです。しかも現実が変わらず、事態はより悪化し、より自分を責めてしまいがちです。こうした悪循環を断ち切るために、ラディカル・アクセプタンスを活用してみるのもいいかしれません。

心理学を活用して、もっと楽しく暮らせるようになりたいと感じる方はこちらもご覧ください。

参考:『ラディカル・アクセプタンス』(タラ・ブラック/サンガ)/「Accepting Reality Using DBT Skills」(Skyland Trail)/「The Importance of Practicing ‘Radical Acceptance’」(Jennifer Rollin/HUFFPOST)

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