「めんどくさい」と思うことありませんか。そこからつい現実逃避をしてしまって終わらないことも……。そんな習慣を変えたい人に、「めんどくさい」をなくす3つのテクニックを紹介します。
脳科学によるテクニック
医学博士である加藤俊徳氏は、脳の発達についてMRIを使った画像で研究をしている人物です。その加藤氏が脳科学の観点から「めんどくさい」の対処法を研究したのが著書『「めんどくさい」がなくなる脳』(加藤俊徳/SBクリエイティブ)です。
今日は、その本から3つのテクニックを紹介しましょう。
①「面倒くさい」を言い替える
「めんどくさい」と思ってしまうと、脳がフリーズしてしまうそうです。確かにめんどくさくなると、あらゆる行動が止まってしまいます。
このフリーズ減少を、加藤氏は「雨雲のようだ」と表現しています。ある事柄を「めんどくさい」と思ってしまうとあらゆるものを覆ってしまい、雲が太陽を隠すように、本当はあるかもしれないメリットや楽しみが見えなくなってしまうからだそうです。
そこで「めんどくさい」と思ったら、まず何がめんどくさいのかを考え、別の言葉で言い替えることが重要になるとのこと。
・「仕事が面倒くさい」
→「調べるのに時間がかかりそうでキツイ」
→「上司が細かいから、余計な手間がかかる」
→「体が疲れていて眠い」
「めんどくさい」と向き合って、その発生源をつきとめると、仕事のすべてがめんどくさいとは思わなくなるそうです。しかも対処不能な気分だった「めんどくさい」は、具体的に対処できる個別の問題に変わっています。
そして手を付けてみれば、意外な面白さを発見する可能性もあります。「めんどくさい」と思ったら、どんどん広がる「雲」をまず取り去って、具体的に対処できるようにしましょう。
②場所を変える
図書館やカフェなど、場所を変えれば作業が進むといった経験は、誰にでもあるでしょう。しかし単に場所を変えるだけではダメだと加藤氏は指摘します。というのも「めんどくさい」の特効薬は「したい」という思い。つまり「行きたい」場所であれば、面倒くさいは消えてなくなります。
自分が心地よく過ごせて、なおかつ作業が進むような「行きたい」場所を持っていることが、「めんどくさい」の対策には有効です。
ただしお気に入りの場所にもっていくのは、作業の道具だけにしましょう。集中すべき対象しか目に入ってこない環境をつくれば、より集中できる可能性が高まるからです。
③なるべく早く終わらせる
脳は一度覚えた快感を再現するように働く性質があるそうです。しかも期日より「早く終わった」という達成感は、脳にとっても快感なのだそうです。
つまりめんどくさいと感じた作業を、「早く終わった!」という快感で書き換えられれば、めんどうな作業が少なくなっていきます。
例えば、めんどくさい資料作りを、早めに手を付けて終わらせて、「スッキリした」と思えるようなら、少なくとも次回の資料作りは「早く終わらせたい」という欲求が芽生えるようになるわけです。
実際、すべての仕事が面倒に感じるわけではないでしょう。手を付けやすくて、先に終わらせてしまうような仕事があるはずです。そうした仕事を増やしていけば、「めんどくさい」と思うような作業はどんどん減っていきます。
余裕を持って仕事を進めれば、周りからの評価も上がっていき、それも脳の快感になる可能性があるでしょう。
加藤氏によれば「めんどくさい」という思いは、成長のサインのケースが多いそうです。確かに「めんどくさい」行動には、自分の苦手な分野が含まれているものでしょう。そうした部分を発見し改善していくことは、成長につながる可能性が高そうです。
今日は多くの人が悩む「めんどくさい」思いへの対策をお伝えしました。
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参考:『「めんどくさい」がなくなる脳』(加藤俊徳/SBクリエイティブ)