心理学が教える「やる気スイッチの入れ方」

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やる気が出ないことは誰にでもあるのではないでしょうか。でも、いつもやる気が出ないのだとしたら、スイッチの入れ方を間違えているのかもしれません! やる気の出て行動できるスイッチの入れ方を心理学で説明します。

  1. 実行の重要ポイントは、行動の後にあった
  2. 不登校を解決した「行動の強化」
  3. 「行動の強化」で「やる気」を引き出す
  4. 自分で褒めて行動を強化する

実行の重要ポイントは、行動の後にあった

やる気が出ないのはなぜか、と考えたことはきっとあるでしょう。

「ボーナスが思ったより出なかったから」「上司の機嫌が悪いから」「事故でいつもより電車がいつもより混んでいたから」などなど。その原因を上げることはいくらでもできそうですが、じつはこれらはやる気が起きない理由ではありません。

心理学の一分野である行動分析学によれば、人の行動を決定するのは行動直後の出来事だそうです。つまりやる気を出して行動できるようになるためには、行動後の出来事に着目すればいいのです。

具体的に説明してみましょう。

いつも弱音をはく部下がいたとしましょう。口癖は「もうダメだ……」。ちょっと困ったことがあると、泣きそうな顔でつぶやきます。

では、どうしてそんなことを繰り返すのでしょうか?

それは「もうダメだ……」とつぶやいたときの周りの反応にありました。あまりの落ち込みように、同僚や上司が「どうしたの?」とたずねます。さらに仕事の進行が厳しそうであれば、手助けを申し出てくれる人も……。

結果、「もうダメだ……」とつぶやくことで、他人から「声をかけてもらえる」「嫌な仕事を他人がやってくれる」という報酬が発生してしまっていたのです。もちろんメンタル不調などで追い込まれている人の場合は別ですが、こうした行動直後の出来事によって、人の行動は強化されたり、弱められたりするのです。

つまり重要なのは、行動の前に何があったのかではく、行動の直後にどんなことが起き続けていたのかなのです。

しかも、この行動の直後というのが、じつは60秒以内という、恐ろしいほどの短時間なのです。やる気を見せても、昇給は3ヵ月後といったロングスパンの報酬だけでは、行動は強化されにくいというわけです。

ただ昇給は先でも、昇給への期待は仕事終わり直後に感じることができるため、自分の頑張りが評価されると期待できるときには行動の強化が起きると言われています。

不登校を解決した「行動の強化」

ここまで説明を読んでも、この行動の原理をどのように使えばやる気に変えられるのかがかわからないかもしれません。

そこで『メリットの法則 行動分析学・実践編』(奥田健次 著/集英社)のに掲載された実例を紹介しましょう。不登校の兄妹の話です。

まず、小学生の長男が不登校になりました。母親はずっと家でゲームしているぐらいならと買い物に連れ出したたら、長男がハンバーガーを食べたがったので一緒に食べた。そんな日々を続けていたら、その生活の様子を弟と妹が知り、「お兄ちゃんだけズルい」と3人の子どもが揃って不登校になってしまったというケースです。

まず、著者は母親に「学校は行くのがイヤだ」という思いから自宅に居たら、マンガも読める、ゲームもできる、普段は食べないハンバーガーも食べられるという状況が生まれ、不登校を強化したと説明。

その対策として、子供たちが保健室登校も含めた「行動」が達成できたら、カレンダーにシールを貼らせ、その目標達成の程度によって週末の母親との過ごし方を変えることを提案したというのです。

弟と妹はこの提案ですぐに目標を達成し、週末は長男を残して、普段は行かないハンバーガーショップやファミリーレストランに訪れたのでした。結果2週間目には、長男も保健室登校できるようになったのです。

もちろんいじめなど長男が直面していた状況によっては、このような解決方法が向かないこともあるでしょう。ただ行動がどのようにして強化されるのかを考えるには、わかりやすいケースでしょう。 ここで重要なことは、いわゆる長男が「罰」を与えられたわけではないことです。条件だけを決めて、あとは本人の意志で行動を選択した結果として、登校するようになったのです。

「行動の強化」で「やる気」を引き出す

では、このような行動分析学をやる気のない自分に、どのように応用すればいいのでしょうか?

まず、「やる気がない」という状態を具体的な行動として捉え直す必要があります。というのも同じ「やる気がない」状態でも、強化すべき行動は人によって異なるからです。

・仕事のスピードが上がらず、必要のない残業をしてしまう。

・決められたルーチンワークはやるけれど、新規営業開拓などプラスアルファーの仕事ができない。

・会議などで発言する気が起きない。etc

こうした具体的な行動をピックアップできたら、どうしてこうした行動を繰り返してしまうのかを分析しましょう。本来すべき行動が弱められたり、やる気のない行動が強化されているような環境がきっとあるはずです。

例えば「仕事のスピードが上がらない」という行動の裏には、定時に切り上げてもやることがない、遅い方ことで周りが仕事を片付けてくれるといった理由があるかもしれません。そうした適切な行動の弱化や、好ましくない行動の強化を変える必要があります。

例えば仕事に集中して短時間で終わらせたいなら、退社後に楽しみな予定を入れるだけで意識は違ってくるでしょう。工夫すれば、行動を変える仕組みを作り上げることができるでしょう。じっくり考えてみてください。

自分で褒めて行動を強化する

さて、自分の行動を強化させたいとき、最も困るのは強化の方法がないことです。仕事が終わった途端、上司に褒めてもらえるといった環境を整えることは不可能だからです。

そんなときに有効なのが、自分自身を褒めることです。『行動分析学で社員のやる気を引き出す技術』(舞田竜宣 著/日本経済新聞出版社)には、

「良い行動をしたら、自分を褒めるのだ。単純に嬉しがるのでもよい。大事なのは、本気で自分を称えること、本心から喜ぶことである

と書いてあります。

行動を強化できる環境が整っていなくても、本気で自分を褒めることで「やる気スイッチ」が入るというのは、ビジネス環境を簡単に変えられない社会人にとっては朗報でしょう!

ぜひ、試してみてください!

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参考:『メリットの法則 行動分析学・実践編』(奥田健次 著/集英社)/『行動分析学で社員のやる気を引き出す技術』(舞田竜宣 著/日本経済新聞出版社)

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