どうしてもやる気が出ない。そんな日は誰でもあるもの。でも、待っていてもやる気が出てくることはないそうで?!そこでやる気を引き出す方法について調べてみました。
- 「やる気」なんて存在しない
- できるだけタスクを細かくわける
- 報酬を設定する
- やることをイメージする
- 「イエスセット」を自分に仕掛ける
「やる気」なんて存在しない
やる気が出ないときに最もやってはいけない対処法を知っていますか? それは、やる気が出るのを待っていること。
脳研究者の池谷裕二・東京大学教授は、「やる気」自体が存在しないものだ、とインタビューで断言しています。というのも、そもそも人間は行動を起こすことで、やる気が出てくる生き物だからなのだそう。
行動を起こすことで脳細胞が活性化する「作業興奮」という状態は、かなり以前から知られていました。そのためやる気が出ないときは、「作業興奮」を利用するようにといったアドバイスが巷に溢れていたのです。
しかし脳研究者から見ると「作業興奮」からやる気が引き出されるのが普通であり、行動を起こさないと何も始まらないのです。
つまりやる気を引き出すには、行動を起こせるようにする必要があるのです。
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①できるだけタスクを細かくわける
とにかく行動を起こすことが重要なので、最初の一歩をなるべく簡単にしましょう。コンピュータのスイッチを入れるといったレベルのものでも構いません。ただ、できれば「作業興奮」が発生する5~10分の作業は取り掛かりやすいものにしておきましょう。
②報酬を設定する
すぐに行動したことへの報酬には、遠い未来のものと近未来のものがあります。そのどちらも設定しましょう。
例えば作業が終わったら、すぐにお菓子を食べるといった近未来の報酬を設定し、その上でその日の作業が、将来的にどんなメリットを生み出すのかを考えてみます。ボーナスがアップすることもあるでしょうし、大事な家族が喜んでくれるといったこともあるでしょう。
とにかくしっかりと遠い未来の報酬を意識することが重要です。
③やることをイメージする
行動を起こす前に、しっかりとイメージしておく方法もあります。細かく分けたタスクを次々に実行していき、近未来の報酬を得て、遠い未来の報酬もゲットしていく自分の姿を思い描きます。
イメージトレーニングすることによって、脳の準備はどんどん整っていきます。この段階までくれば、やる気が起きないと嘆いていたときとは心理状態も違っています。
④「イエスセット」を自分に仕掛ける
行動しないとやる気が出ないのが事実だとしても、日によって行動を起こすハードルの高さが変化している実感はあるもの。そのハードルを少しでも下げるためにお勧めしたいのが、「イエスセット」です。
「イエスセット」は、精神科医のミルトンエリクソンが考案したもので、営業トークなどでも活用されているものです。
その法則は簡単で、質問を工夫して何度も同意を得られれば、相手は断りにくくなるというもの。これを自分に仕掛ければ、どんどん行動を起こしやすくなります。コツは絶対に「イエス」と答えられる質問をすること。
「いま、呼吸している?」「歯は磨いた?」「もうメールはチェックした?」などなど。心の中で3回ほど元気に「イエス」と答えたら、次に手を付けたい課題についてたずねてみましょう。かなりハードルが下がっているのを実感できるはずです。
今日はどうしてもやる気が出ないときの4つのステップを紹介しました。今日はさっぱりやる気が出ないという日に試してみてください。もちろん、疲れてやる気が出ないときは、思い切って休んでみるのも方法の一つです。
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監修:日本産業カウンセラー協会
参考:『マンガでわかる! 気分よく・スイスイ・いい方向へ 「自分を動かす」技術』(ゆうきゅう/三笠書房)/