将来のためにどれだけ努力していますか? 資格の勉強や貯金など、将来のために労力を使うのは、けっこう難しいものですよね。でも、そうした日々の努力が将来を変えていくのではないでしょうか。そこで将来のために動ける自分になるための方法を紹介しましょう。
我慢比べで負けたのはチンパンジー? 人間?
ハーバード大学とドイツのマックス・プランク研究所の学生とチンパンジーの自制心を比べた実験があります。
どちらが勝ったと思いますか?じつはチンパンジーの圧勝でした。
実験の方法は簡単です。目の前にあるおやつをすぐに2つもらうのか、2分待って6つもらうのかを選択させたのです。チンパンジーは6つのおやつをもらうのに、72%が待ったのに、学生は19%しか待たなかったのです。おやつの重要性がチンパンジーと人間では違うから、余計に待てなかった可能性もありますが、とにかく人間は将来のために目の前の欲望を制御するのは得意ではないのようなのです。
将来の自分を信じられないと倫理観が欠如する
そして、将来への投資ができるのかどうかを決める要因の1つが、「将来の自分」とのつながりを感じるのかどうかだということもわかっています。
ニューヨーク大学の心理学者、ハル・エルスナー・ハーシュフィールドは、自らの将来を考えていない人は、倫理的な行動を取らないといった特徴があると発表しています。オフィスで拾ったお金を自分のものにしたり、詐欺的な行為でお金が儲かるゲームでは積極的にウソをついたのです。
そしてもちろん貯金など将来への投資も、自分の将来を信じられないと行動を起こしにくいのです。
つまり将来の自分と接点を持てないと、日々の生活を大切にして積み上げることもできないというわけなのです。たしかに毎日がどうなってもいいと思っている人が、将来に向けて動き出すはずもないですよね。
将来の自分と接点を持つ!
では、どうすれば将来の自分との接点を持つことができるのでしょうか?
『スタンフォードの自分を変える教室』(ケリー・マクゴガイル 著/大和書房)は3つの方法を紹介しています。
①日々の選択時に未来について考えてみる
すごく簡単なことのように感じますが、ただ将来のことを考えて、どのように選択するかを考えるだけで、自分の将来を潰すような行動は減るそうです。ポイントはできるだけリアルに思い描くこと。
仕事が終わらないときには、終わらせた自分と終わらなかった自分を思い描くのです。翌日どんな状態になるのか、しっかり映像として思い描くことができれば、ベストな選択ができるようになるというのです。
②将来の自分にメッセージを送る
Webサイト「フューチャー・ミー」では未来の自分にメールを送ることができます。将来の自分に手紙を書くことで、将来の自分とのつがなりが強くなっていきます。1年後などのかなり先に自分に手紙を書く方法もありますが、自分の習慣を改めるのに難しくなりそうな時期などに励ましの手紙を送ることもできます。
試してみてはいかがでしょう。
③行動を起こした未来と起こさない未来を比べる
わかりやすいのはダイエットでしょう。いままでのような食生活を続けたときと、しっかり生活を改めたときの自分の姿を想像して比べてみましょう。さらに体は太り、生活習慣病を患っている自分をリアルに想像すると、日々の行動はかなり変わってくるそうです。
生活習慣を改めたいときには、しっかりと選択結果を比べるようにすれば、将来、後悔する可能性は低くなります。
どうでしょうか? 未来の自分との接点を持つ方法に納得できたでしょうか? 大事なことは、忙しさに紛れて将来の自分をないがしろにしないことです。
ぜひ新年の目標などを考えるときに、未来の自分についても考えてみてください。