逆境に対処できるレジリエンスって何?能力を高める方法も紹介

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「レジリエンス」という単語を知っていますか?「困難な状況でもうまく適応する能力」を意味します。ストレスの多い現代だからこそ、レジリエンスを高めたいと思いませんか。そこでレジリエンスの高め方をご紹介します。

  1. 精神回復力はどんな心理から起きる?
  2. 悲しい出来事がすぐに感情を揺さぶるわけではない
  3. マイナス思考になりがちな考え方って?

レジリエンスの研究の始まりは、ハワイのカウワイ島で生まれた700人近い子どもの30年にもわたる追跡調査でした。その研究では、貧困や教育水準などの問題にもかかわらず3分の1は「精神的な不健康」を示すことなく、適応していることが確認されました。

木は風が吹き荒れても倒れないように、ときに根を強く張り、ときにしなやかに枝を風にまかせます。このようにいろいろな方法を柔軟に組み合わせて、困難な状況に対処できる人が、レジリエンスの高い人なのです。

では、レジリエンスの非常に重要ポイントの1つである、落ち込んだときの精神的な回復力は、どんな気持ちになったときに起こるのでしょうか?

『自尊感情の心理学』(中間玲子 著/金子書房)によれば、精神的回復力は次の3つの要素で成り立つと書いています。

・新規性追求……新たなことがらに興味を持ってチャレンジしていこうとする
・感情調整……自分の可能を自覚しコントロールする傾向
・未来志向……将来に明るい見通しをもち肯定的な期待をする傾向

つまりこうした傾向を強め、どんなに落ち込んでも、できるだけ早くこのような気持ちを取り戻せれば、厳しい環境でも適応できるというわけです。

悲しい出来事がすぐに感情を揺さぶるわけではない

では、実際にレジリエンスを高めるには、どうしたらいいのでしょうか?

じつは、レジリエンスを高める方法はかなりたくさんあります。そこで『レジリエンスの教科書 逆境をはね返す世界最強トレーニング』(カレン ライビッチ、アンドリュー シャテー 著/草思社)から、その基礎的な内容をまとめていきましょう。

まず、理解すべきなのは、「出来事」と「結果」は必ずしも結びついていないということです。

例えば、上司が退職したとしましょう。その人を慕っていた人は悲しみを覚えるかもしれません。あるいは、上司が居なくなったなら出世のチャンスだと思う人もいるでしょう。あるいは密かに嫌っていた同僚は嬉しがっているかもしれません。

じつは「出来事」と「感情」の間には、「信念」と呼ばれる感情を決定する思考があるのです。そして不安や落ち込みにつながるような信念を「イラショナル・ビリーフ」、現実的で前向きな信念を「ラショナルビリーフ」と呼びます。

この「信念」のあり方によって、結果の動きはかなり変わってきます。

例えば、事故で入院をとなうようなけがをしたとしましょう。「イラショナル・ビリーフ」にとらわれてしまうと「営業もできないし、クビになるかも」と考えてしまうかもしれません。しかし「ラショナルビリーフ」でとらえ直すと、「日ごろ整理できなかった書類などに手を付けて、より効率的な営業方法を考えよう」といった感情を持つことができます。

通常、「出来事」は「結果」に直結していると考えがちですが、じつはその間にある「信念」を変えれば、結果もコントロールすることが可能です。

当然ですが、「ラショナルビリーフ」で「出来事」を捉えることができれば、レジリエンスは高まります。

マイナス思考になりがちな考え方って?

そこで、ひどく落ち込んでしまったときには、どんな「出来事」があって、どんな「結果」になったのかを考え、その間にある「信念」も考えてみましょう。

このとき「イラショナル・ビリーフ」でありがちなのが、「絶対に~しなければならない」という「信念」です。「絶対に間違えてはいけない」「絶対に失礼があってはいけない」。そんな信念が自分を追い込んでいるときは、「たまには人間だからミスするときがある」といった形で「信念」を変えれば、見え方は変わってきます。

また「白黒思考」も要注意です。

「前は好きだと思っていたけど、あんことを言うなんて嫌いだ」といった「信念」は、どんどん嫌いな人をつくってしまいます。そうした想いを、「ちょっと面倒な部分もあるけれど、いいところもあるよね」と、白でも黒でもないグレーゾーンの評価を設けられれば、気づいたら周りは敵だらけといった想いに悩むこともなくなるでしょう。

今日はレジリエンスを高める基礎的な方法をお伝えしました。落ち込みがちで暗い気分を引きずりがちだと考えている方は、ぜひ試してみてください。

レジリエンスなどの専門知識を学んでみませんか?詳しくはこちら!

参考:『レジリエンスの教科書 逆境をはね返す世界最強トレーニング』(カレン ライビッチ、アンドリュー シャテー 著/草思社)/『自尊感情の心理学』(中間玲子 著/金子書房)

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