「レジリエンス」という言葉を聞く機会も多くなってきています。一方で、どんな特徴がある人のことを指すのか、いまいちわからない人もいるでしょう。そこで今回はレジリエンスが高い人の特徴をまとめてみました。
- レジリエンスの高い人には特徴がある!
- 現実を直視して対処する
- セルフモニタリングができる
- つらい過去を意味づける
- 感情と現実をわける
レジリエンスの高い人には特徴がある!
レジリエンスという言葉を知っていますか? もともとは「回復力」や「しなやかさ」を意味する英単語ですが、近年、困難な状況からの回復する精神的な強さを示す言葉となりました。
仕事でもプライベートでも、精神的にツライ出来事はいくらでも起こります。そうしたとことから立ち上がれる能力を重要視するのは、うつ病が増加傾向にある状況を考えれば当たり前なのかもしれません。
ただ、レジリエンスの高い人が、どのような考え方をするのか、いまいちよくわからないという人がいるかもしれません。じつはレジリエンスが高い人には、決まった特徴があることがわかっています。そして、重要なことは、こうした特徴をまねることで、より精神的にタフな人間になることができるのです。
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①現実を直視して対処する
レジリエンスの高い人は、しっかりと現実を直視することができます。人は辛くなると、ついつい現実の出来事から目を背けようといます。まだ失敗していないと思い込んだり、あるいはどうして失敗したのかといったことを考え続けて後悔の念にさいなまれていたり、あるいは現実逃避に時間を費やす人もいるでしょう。
レジリエンスの高い人と聞くと、ただ悠然と構えている印象があるかもしれません。しかし本当にレジリエンスの高い人は、問題が起きたときに、それに対処すべく動き出します。状況を把握し、計画を立てて、関係者と話し合いをするのです。結果、大事になるのを防ぐことにもつながります。
レジリスンスを高めたいなら、問題が起きたときに現実を直視して、すぐに対処するようにしてみましょう。
②セルフモニタリングができる
自分の行動や感情、思考を認識し、状況に応じて感情をコントロールすることができるタイプの人は、レジリエンスが高い傾向にあります。
自分が何を思い、どう感じて、何をしているのかは、意外に把握していないものです。何となく気分が落ち込み、何となくパフォーマンスが上がらない。そうした状況は問題解決への行動を鈍らせます。
レジリエンスを高めたいなら、まず自分の感情・思考・行動をしっかりと把握するようにしましょう。自分を俯瞰的に眺め、把握することによって、感情のコントロールもしやすくなります。失敗は悲しいけれど、対処に動くことができる。そんな状況をつくり上げることで、レジリエンスは高まります。
③つらい過去を意味づける
うつ病などを体験した人が、「うつ病から学んだ」といった表現を使うことがあります。ツラかった時間が自身の考え方を変え、自分にとってより重要な生き方を選択できるようになることは少なくありません。そうやって過去を乗り越えたときに起きるのが、つらい過去の新たな意味づけです。ただ封印するのではなく、そこから生まれた新しい生き方を謳歌できるようになります。
落込むような出来事があったら、そこからの学びを探してみましょう。それがレジリエンスを高めることにつながります。
④感情と現実をわける
レジリエンスの高い人は、落込んでいないわけではありません。
心が傷ついたとしても、その気持ちと現実への対処の切り分けができるのです。ショックなことが起きても、理性を取り戻して対処する。それが結果的に精神的な回復力を高めるのです。
これは辛いけれど、まず現実に対処しよう。そう思うえることが、レジリエンスを高まることにつながります。
レジリエンスの高い人の特徴を並べると、気持ちの問題以上に現実への対処に重点が置かれていることがわかるでしょう。確かに現実に対処し続ければ、さらに落ち込む可能性も少なくなるでしょう。
現実逃避をしないで、現実に対処する。それがレジリエンスを高める基礎になるかもしれません。
辛い感情をいつまでも抱え、一人で現実に対処することがむつかしい時は、産業カウンセラーなどの話を聞く専門家に相談してみることも一つの方法です。
産業カウンセラーについてより詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会
参考;「7 Ways To Know You Are Mentally Strong: Part II」(Dr.Tracy Hutchinson, Ph.D.)