心が折れる前に立て直す「レジリエンス」の高め方

新型コロナの影響は、多方面に及んでいます。ビジネスでも、家庭生活でも、ままならないと思うことも多いでしょう。そんなときに重要になってくるのが「レジリエンス」。今日はレジリエンスの重要性と、その鍛え方について紹介します。

  • まずは回復に注目
  • レジリエンスを高める考え方
  • 感謝の念がレジリエンスを高める

まずは回復に注目

近年、注目を集めている言葉に「レジリエンス」があります。これは跳ね返り、回復力や復元力と訳されるもので、厳しい環境でも心折れずに、適応し乗り越える力という意味で使われます。

失敗や落ち込むことがあっても、あきらめずに粘り強く対処し環境に適応する能力は、先の見えない現在の状況において、とても重要でしょう。生物の生存が変化の適応だとは、よく言われていることですが、これは変化の激しい社会やビジネスでも同様でしょう。

では、どうすれば、レジリエンスを高めることができるのでしょうか?

さまざまな方法が書籍などで紹介されていますが、心理学者のシェーン・エイカーは、レジリエンスを発揮する大前提は回復が必要だと指摘しています。また仕事でのストレスからの回復には。就業内と就業外の2種類あるそうです。

就業内での回復は勤務中に、90分ごとに休息を取って頭を休めたり、ランチを外で食べたりする行動。就業外での回復は、終業後の自由時間や週末、長期休暇などでリラックスして楽しむ行動を指しているそうです。

レジリエンスを高めたいなら、まず回復の時間をしっかり取ることが重要だということでしょう。

レジリエンスを高める考え方

レジリエンスを高めるために大切なのは、物事のとらえ方です。

①柔軟に考える
チキ・デイビス博士が、推奨するのは柔軟性です。人生が進路変更を要求していることを受け止め、その変化に対応する柔軟性が大切になります。以前とまったく同じようには動けないことを受け入れる気持ちが重要です。

②不快感を持って留まる
新しい環境に恐れを抱くことも、不快感を持つこともあるでしょう。それ自体は当たり前のことなので、そこに留まった上で、自分に何ができるのかを考えて挑戦することが重要だ、とチキ・デイビス博士は指摘します。間違いを恐れないことで、レジリエンスは高まっていくそうです。

変化に適応するためには、その変化を受け入れ、そこでチャレンジすることが重要なのです。そうした身の置き方がレジリエンスを高めていきます。逆に言えば、これまでの方法が通じない状況になったときこそ、レジリエンスを磨くチャンスといえるかもしれません。

感謝の念がレジリエンスを高める

ポジティブ心理学を研究した経営者であるデビッド・コバンズは、ポジティブなものに目を向けて、それに感謝することがレジリエンスの高めることにつながると解説しています。

そのため誰にどんな感謝の念を抱いたのか、記録することを勧めています。そしてポジティブな側面に目を向けて感謝すると、自分の周りの人もポジティブな態度を示すようになると書いています。
また記録した感謝の念を、時々見返すことも重要とのことです。

ポジティブ心理学では、人々の幸福度をアップさせる方法の一つとして、感謝の日記が推奨されています。ここで感謝するのは自分の周り人だけではありません。見知らぬ人や動物、社会なども含みます。

自分が幸福だと感じられれば、落ち込むようなことがあっても復活することが可能でしょう。レジリエンスを磨くとともに、自分の幸福度を上げるためにも感謝の日記を書いてみてください。箇条書きのような短い文章で構いません。重要なことは続けることです。

思い返せば、一昨年の夏はこのような状況を想像すらしていませんでした。いつもの日常が、当たり前のように巡ってくると信じて疑わなかった人が大半でしょう。しかし否応なく、私たちは環境に対応し続けています。そして今後も適応しようと動き続けることになります。

傷ついたときは回復の時間を取り、それからチャレンジを続けてレジリエンスを高めていければいいなと、筆者自身も考えています。

自分の心のあり方に興味のある方は、こちらもご覧ください。

参考:Emotional Resilience: 9 Ways to Be Resilient in Tough Times(Tchiki Davis, Ph.D./Psychology Today)/『レジリエンス』(ハーバード・ビジネス・レビュー編集部/ダイヤモンド社)

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