人間関係のストレスを軽減させるコミュニケーション4つのコツと1つの行動

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仕事をしているとき、「こんなこともできないのか」と部下や同僚に腹が立ったことはありませんか?そうしたイラ立ちの大きな原因の一つが「役割期待」のズレです。対人関係療法の理論から人間関係がラクになるコツを紹介していきましょう。

  • 怒りの原因は役割期待のズレ
  • ズレを生み出す4つのコミュニケーション
  • 相手にインタビューしてみる

怒りの原因は役割期待のズレ

同じようなミスをしても、上司と部下では怒りの度合いが変わってきます。あるいは役職が同じ部下が、同じようなミスをしてもイラ立ちの具合が違います。それは人が互いに何らかの期待をしているからです。こうした期待を、「役割期待」と呼びます。

例えば、上司が新入社員の教育係に対して、仕事内容を説明してくれるだろうという「役割期待」をします。その役割期待に反して自分が思っていたように仕事内容の説明できないとなれば「どうしてこんなこともできないんだ!」と不満が爆発します。一方、教育係を任命された人が、自分の仕事の範囲を超えて教育するように上司から期待されたりすれば、やる気を失ったり、不安を募らせたりしてしまうのです。

こうした「役割期待」は、しぐさなどの言葉にならないものも含めたコミュニケーションで伝えられます。つまり互いのイラ立ちの原因である役割期待のズレは、適切ではないコミュニケーションによって強まってしまう可能性があるのです。

逆にしっかりしたコミュニケーションで互いの役割期待を調整できれば、ズレも抑えることができるため、人間関係もうまくいくようになるのです。

ズレを生み出す4つのコミュニケーション

では、どんな言葉が役割期待のズレを生むのでしょうか?
特に気を付けたい表現を4つ並べてみましたので、ビジネスではなるべく使わないようにしてみましょう。

①あいまいな言葉
代表例は、「できるだけ」といった表現です。「できるだけ数多く集めておいて」と言われても、人によってその数の解釈は違ってきます。結果として仕事が終わった後に、ズレが生じてしまう可能性が高まります。

そのほかにも「早め」「多め」「そのうち」「でき次第」といった時間や数量をぼかした表現も、あいまいさを含んでしまいます。なるべく使わないようにしましょう。

②間接的な表現
回りくどい表現や余計なことが加わった言い回し、嫌味などが、間接的な表現になります。例えば伝える項目を分けて、一つずつ相手に伝えるだけでも、ズレを少なく伝えることができます。まずは伝えたいことをきちんと絞って、余計なことを付け加えずに伝えるようにしてみたらどうでしょうか?

嫌味などは、伝わっても伝わらなくても人間関係を悪くするだけ。少なくともビジネスでは使わないようにしましょう。

③気分の悪いしぐさ
自分の思い通りになっていないことを、しぐさや表情で伝えようとするのは厳禁です。舌打ち、ため息、「あーあ」と言う、黙り込むなど、自分の不機嫌さをアピールしても、どうして機嫌が悪いのか周りはわかりません。

こうした無用なアピールは仕事ではもちろん、家庭やプライベートでも役割期待のズレを生み出しやすくなります。たとえ相手が気を使ってくれて、何かをしてくれたとしても、言葉にしていないので相手の気遣いが怒りを増幅してしまうこともあります。

気分が悪い時こそしっかり説明することが重要です。

④沈黙
コミュニケーションを放棄する「沈黙」は、「破壊的なコミュニケーション」と呼ばれ、役割期待のズレを考える上では最も悪いコミュニケーションです。コミュニケーションを取ろうという意思そのものを捨ててはいけません。

家庭などでつい取ってしまうかもしれない態度ですが、沈黙すれば問題がますます大きくなることを肝に銘じておきましょう。

相手にインタビューしてみる

さて、役割期待のズレを大きくしないコミュニケーションのコツについて書いてきましたが、それでも思ったように動いてくれない部下などに、どうやって接すればいいのでしょうか?

こうした場合に最もよくないのは、その人のやり方を頭から否定することです。役割期待のズレをそのままにして、自分のやり方を押し付けても相手は納得しません。

逆にどうして、そのような働き方になるのかをインタビューするつもりで聴いてみましょう。その人なりのこだわりや非効率な部分についても、自分のやり方は脇に置いて、理由をたずねれば納得する部分もあるかもしれません。例えば間違いが多いタイプなのでチェックの回数を多くしているといった場合、そのやり方を続けてもらう方法もあれば、チェックを自分がやることで早く仕上げてもらうといった方法もあるでしょう。

いずれにしても、相手の話を聴いて、互いの役割期待をすり合わせれば、かなりイラ立ちも少なくなるでしょう。そうした話し合いの中で、どうしても自分のやり方に合わせてもらいたいことがあるなら、「自分はこうしてもらった方がやりやすいから」と自分を主語にして頼んでみましょう。

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役割期待のズレの調整は、人間関係を改善していきます。一気に改善するのが難しいと感じたら、少しずつコミュニケーションを変えてみましょう!

参考:『それでいい』(細川貂々・水島広子 著/創元社)/「職場の人間関係「非現実的な期待」してませんか?」(FNN.jp編集部)

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