過剰な休息は心の健康に逆効果?ストレスに負けない余暇の過ごし方

仕事でくたくたになって、やっと週末を迎えたあなた。何をして過ごしますか?余暇の過ごし方一つで、幸福度がアップしたり、仕事がうまく回ったりする可能性があります。専門家の言葉から、そのヒントを得ましょう。

  1. 日本人の3分の1が、週末は何もせずにゴロ寝で過ごしている
  2. 肝心なのは、余暇を含めた日々の過ごし方――ボブ・トビン
  3. 自分と関係ないことの優先順位を上げることが仕事の幅を広げる――鳩山玲人
  4. 仕事でもプライベートでもない「第三の顔」を持とう――金沢悦子
  5. 外に関心を広げることが、ワークもライフもアップデートする原点になる!

日本人の3分の1が、週末は何もせずにゴロ寝で過ごしている

厚生労働省の調査によると、休日の過ごし方で最も多いのが「インターネットをして過ごす」というもので、女性の36%、男性に至っては47%がそう回答しています。次いで、「テレビを見たり、ラジオを聞いたりして過ごす」が、男女ともにおおよそ3割。「何もせずにゴロ寝で過ごす」が、男性26.1%、女性で23.9%という結果になりました(複数回答可)。

つまり日本人の女性の3割ほど、男性の半分が、週末に家から出ず、寝たりインターネットやテレビの画面を眺めたりしながら暮らしているわけです。リア充やパリピは多数派じゃないんですね。

実は、休日のゴロ寝を中心とした過ごし方が、日々のモヤモヤを解消できなかったり、仕事がうまく回らなかったりしている原因になっている可能性があります。幸せと仕事の専門家の言葉から、理想の休日の過ごし方を探ってみましょう。

肝心なのは、余暇を含めた日々の過ごし方――ボブ・トビン

慶応義塾大学名誉教授でビジネスコンサルタントのボブ・トビン氏は、日本人の余暇の過ごし方と、若い世代の幸福度の低さに注目し、著書で次のように述べています。「一日中ストレスを感じ、休養は終末の休暇などまとまった時間が取れるまで先延ばしにする」方法で「ストレスに対処」するのは幸福度をアップさせない生き方だと。

そして、自分が出会った「幸福な」日本の若者たちの例を挙げています。エンジニアとして働いていたけれど、収入を大きく減らしてカメラマンになった田中さん。IT企業で過ごす牢獄のような暮らしから、好きなギャラリーの仕事に転身した高橋さん。外資系企業で働いていたけれど、写真講座を受講してカメラマンになった菊池さん。

菊池さんの「収入半分、幸せ10倍。だから大きな前進です」という言葉を、ボブは気に入っているといいます。一方で、幸せには見えないケースも。弁護士のマシューは常に忙しく、「こんなのは人間の生活じゃない」と絶えず不満を漏らしています。そして本当にやりたいことはと言えば、「ヨガ講師」だというのです。休暇はヨガにつぎ込みますが、それでもとうてい幸せではなさそうと言います。

つまり、ボブが言いたいのは、週に5日ストレスフルな日々を送って、週末に過剰な休養を取るのは、幸せな生き方につながらないということ。そして、転身を考えるならライフスタイルを変えることも併せて考えようと促しています。休日にぐったりと過ごしている人、インターネットで好みの記事ばかり探している人。平日と休日とを問わず、自分が本当にやりたいことはなんですか?

自分と関係ないことの優先順位を上げることが仕事の幅を広げる――鳩山玲人

ハローキティのライセンス事業でサンリオの危機を救った鳩山玲人は、「なるべく自分から遠いものの優先順位を上げる」ことの重要性を著書で説いています。仕事関係の人にしか合わなかったり、自分の会社の人ばかりと接していたりする状況を放置していると、「どんどん人間としての視野や幅が狭くなり、思考も広がらなくなってしまう」というのです。

さらに、「イノベーションは、多様性のなかからしか生まれません」と言い切り、意識的に仕事と全く関係がない人に会う機会を作ることや、そのために時間を割くことが必要だと述べています。

インターネットは便利なツールですが、興味があるものばかり覗いてしまいがち。意外と自分の世界は広がらないのだそうです。仕事でスランプに陥っている人、新しいアイディアを求めている人は、休日家でゴロゴロしているよりも、「約束がなくても、なんとなく」外に出かけてみたほうが、実りがあるといえるでしょう。近所のお花屋さん、ふらりと立ち寄ったマッサージやバーなどなどで、思いがけない出会いが待っているかもしれません。

仕事でもプライベートでもない「第三の顔」を持とう――金沢悦子

統計心理学の専門家で、株式会社はぴきゃりの代表を務めている金沢悦子氏は、「第三のコミュニティーを持つことが、ハッピーキャリアをつかむコツ」と著書で述べています。仕事の顔、家族やご近所、昔からの友人を含めたプライベートの顔、そして趣味やサークルを通じた「第三の顔」を持ちましょう、ということです。

そして第三の顔を持つことは、ストレス解消が期待できるほか、時間管理がうまくなったり、人間関係が広がったり、会話の引き出しが増えるというメリットがあることを指摘。そして「案外、趣味を通して仕事の誘いがあったなんてことも少なくありません」と書いています。先に紹介した鳩山氏の言葉に、通じるものがありますね。

外に関心を広げることが、ワークもライフもアップデートする原点になる!

自分の「好き」を大切にする、なるべく自分から遠いところに注目する、仕事とは違うコミュニティーを持つ……今、まさに休日のモヤモヤを抱えながらネットに向かっている人も、「こうしてはいられない」と気づいたのではないでしょうか。まずは外に出ること、外に関心を広げることが、ワークもライフもアップデートする原点になりそうです。

そしてもしかしたら、趣味がそのまま仕事になってしまったなんてこともあるかも。そうできたなら、本当に幸せですね!

平成26年版厚生労働白書 ~健康・予防元年~

『10年後、後悔しないための自分の道の選び方』ボブ・トビン、ディスカヴァー

『桁外れの結果を出す人は人が見ていないところで何をしているのか』鳩山玲人、幻冬舎

『自分をアップデートする仕事のコツ大全』金沢悦子、講談社 

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