問題解決をしようと思っても、なかなかうまくいかないこともあるでしょう。どうにか解決したいと焦るけれど、イマイチ解決法が思いつかない。そんなときに試したいテクニックを紹介しましょう。
- ①チャンスに変える
- ②一人ブレーンストーミングでアイデアをひねり出す
- ③「コア・プロジェクト」を知る
①チャンスに変える
問題が発生した場合、関係先に連絡を取ったり、状況を確認したりといったことをするのが一般的でしょう。その後、解決法を探ることになりますが、これはなかなか難しいものです。複数の関係者が絡んでいる場合、責任の所在などがあいまいなことも少なくありません。
また、関係者の立場によっても、また金銭的の額などによっても解決法が変わってくるかもしれません。解決に向けて動いている当事者にとっては、こうした調整も頭の痛い問題でしょう。
アメリカで人気の講演家スティーヴ・チャンドラー氏は、こうした問題の解決法の一つとして「チャンスに変える方法を考える」ことを提唱しています。
クレームから始まった関係だけれど、そこから人間関係が深まっていったという話は、意外によく聞くものです。じつは問題が起きたときがチャンスだという可能性もあるのです。そしてチャンスに変えようと考えたときに、対応も変化していくものです。
例えば製造工程で何かしらのミスがあって、クライアントからクレームが入ったとき、この問題を穏便に済ませて、どうにか関係をつないでいこうという場合と、これをチャンスに変えようというケースでは対処の仕方が違ってくるでしょう。
謝罪や再発防止を提示するだけではなく、クレームにつながったミスの延長上に、クライアントの隠れた要望がないか聞いてみようと決意すれば、再発防止策もより力の入れたものになるでしょう。
もちろんすべての失敗がチャンスに変わるわけではありませんが、そうした観点から問題を整理したとき新たな道が見つかるかもしれません。
②一人ブレーンストーミングでアイデアをひねり出す
問題解決に行き詰ったとき、特に自分の立場を守ることばかりの人達に囲まれて相談がままならないときに試したいのが、一人ブレーンストーミングです。
やり方は簡単。
紙を1枚用意して冒頭に解決したい問題を書きます。次に①~⑳まで番号をふり、1日1枚埋めていきます。それを5日間繰り返すのです。
ポイントはどんなバカらしくても、奇抜なアイデアでもしっかり書き留めること。最初は当たり前の解決法が並びますが、アイデアを無理矢理絞り出す中で、当然ながら実現不可能なものも入ってきます。ただ常識から少し逸脱した答えこそ、行き詰った状況には必要でしょう。100個のアイデアの中には、キラリと光るものもあるかもしれません。
問題は、やや時間がかかってしまうことでしょう。即急な解決を目指すときには向きません。
③「コア・プロジェクト」を知る
問題の解決法を考えるとき、自分にとってどれぐらい意味のある問題なのかを考えることも有効でしょう。そして自分にとって何が価値を持つのかを考える方法の一つが「コア・プロジェクト」です。
「コア・プロジェクト」は自分の継続的な行動を指す「パーソナル・プロジェクト」の中で最も大切なプロジェクトのことです。
そこで自分の「コア・プロジェクト」を知るためには、まず「パーソナル・プロジェクト」を特定する必要があります。これは簡単! 自分が取り組んでいる行動を思いつくままに書き出してみてください。
例えば「ダイエット」や「音楽を楽しむ」「犬と遊ぶ」「仕事で企画を考える」「英会話ができるようになる」などなど。個人でする行動だけではなく、集団での行動も含まれます。一般的に、人は15もの「パーソナル・プロジェクト」を持っているそうなので、極端に数が少ないときは自分の生活を改めて見直してみましょう。
「パーソナル・プロジェクト」を列挙したら、自分にとって最も大切で、他のプロジェクトとも密接なかかわりがあるプロジェクトを選びましょう。それが「コア・プロジェクト」です。
「コア・プロジェクト」が見つかったら、自分が直面している問題との関連性を確かめます。「コア・プロジェクト」で発生していたり、「コア・プロジェクト」に大きな影響を与える可能性があるなら、自分にとっては非常に重要な問題となるので、よりしっかりと対処する必要があるでしょう。逆にあまり関連がないなら、前例に従って処理をするといった方法を選択する方法もあるでしょう。
問題を自分に近づけて見直すことで、これまでにない景色が見えてくるかもしれませんよ。
今日は問題解決に行き詰ったときの対処法をまとめました。
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監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会
参考:『自分の価値を最大にする ハーバードの心理学講義』(ブライアン・R・リトル/大和書房)/『自分を変える89の方法』(スティーブ・チャンドラー/ディスカヴァー・トゥエンティワン)