悩みや不安な気持ちを打ち明けられる人はいますか。一人でモヤモヤし、眠れない夜を過ごすくらいなら、エクスプレッシブ・ライティングを試してみましょう。毎日の1行習慣で、心地よい眠りを!
- エクスプレッシブ・ライティングって?
- 「マイナスな体験を書く」ことで心が軽くなった!ジェームズの心理実験
- まずは毎日、1行だけでも書くことから始めてみては
- 日記をパラパラ読み返して、ネガティブな気持ちの解決策を考える
エクスプレッシブ・ライティングって?
エクスプレッシブ・ライティングとは、負の感情をそのまま紙に書き出すことです。モヤモヤに気づいたら、そのモヤモヤを紙に書き、言語化してみましょう。
負の感情を紙に書くことで、自分の気持ちを吐き出すことにつながり、心がスッと軽くなるといわれています。いわば、ストレス発散法の一つというわけです。でも、それだけではありません。エクスプレッシブ・ライティングによって自分の気持ちが整理され、自力で問題を解決できる力が身につくかもしれないのです。心理実験でも、それが示唆されています。
「マイナスな体験を書く」ことで心が軽くなった!ジェームズの心理実験
習慣化コンサルタント、古川武士さんの著書『マイナス思考からすぐに抜け出す9つの習慣』に紹介されている、こんな実験があります。エクスプレッシブ・ライティングの開発者でもある心理学者のジェームズ・ベネベーカーは、大学生たちに「心の傷になった体験」について作文を書かせました。そののち、数週間後に調査した結果、何も書かなかった学生よりも、書いた学生のほうが心が楽になっていることが判明したというのです。
作文を書いた学生には、次の3つの変化がありました。
・負の感情を恐れなくなった:感情を書き出すことで、自分がそれを乗り越えられると気づき、負の感情をそれほど恐れなくなった。
・なんとかなると思えるようになった:自分を悩ませる出来事はそう多くないと考えられるようになった。
・客観的なものの見方ができるようになった:紙に書くことで、その体験を「どうしたら解決できるだろう」と考えるようになった。
つまり、感情を紙に書き出し、それを客観的に眺めるという行為によって、自分の「不快だ」「悲しい」「恐ろしい」といった気分を切り離すことができたのだと考えられます。そして、「どうしたらそれを解決できる?」と、前向きな気持ちを持つことができたのです。
まずは毎日、1行だけでも書くことから始めてみては
「1日20分と決めて紙に書く、毎日続ける」「メモ帳を持ち歩いてとにかく書きまくる」「副交感神経が優位になっているお風呂上りがいい」など、エクスプレッシブ・ライティングの効果的な方法には諸説あります。自分にしっくりくる方法が見つかるまで、いろいろ試してみるのがいいでしょう。
もし何から始めればよいかわからないという人がいたら、100円ショップなどで薄~いスケジュール帳を買ってみて。一ヶ月見開きで、日々の予定くらいしか書けないヤツです。その狭いスペースに、毎日1行だけ、眠れない原因となっている感情を書き出してみます。それなら、気軽に実践できるのではないでしょうか。
ちなみに、1行日記を書くために負の感情を思い出すことで、逆に眠れなくなってしまうという人もいます。そういう人は、深夜の日記は控えて。自分の気分が一番よくなるタイミングを探してみましょう。
日記をパラパラ読み返して、ネガティブな気持ちの解決策を考える
エクスプレッシブ・ライティングで気持ちを落ち着かせる習慣ができたなら、ときには日記をパラパラ読み返してみましょう。「毎日、似たようなことで悩んでるな……」「もっと、こうすればいいのに……」なんて考えられたらしめたもの。あなたはもう、問題解決の糸口をつかみ始めています。
「もっとこうしたらいい」と思えたら、明日からどんどん実践してみましょう。きっと、感情を書き出すだけよりも、もっと明るい気持ちになれている自分に気づきますよ。眠れない夜も、少なくなるはずです。
『マイナス思考からすぐに抜け出す9つの習慣』古川武士、ディスカヴァー(ジェームズの心理実験)