将来への漠然とした不安を感じたとき、自分の人生をふり返ってみると、自分の歩むべき方向性が見えるかもしれません。そんなときに活用したいのが「ライフチャート」です。さっそく試してみませんか?
- 幸福のアップダウンを視覚化する
- 中学より前のイベントを詳しく書く!
- ライフチャートのカーブに注目
- ライフチャートで自分のストーリーを語れ
幸福のアップダウンを視覚化する
「ライフチャート」は人生と感情の関連性を示したものです。横軸に年齢を取り、縦軸に感情を取ります。生まれたときは、年齢も感情もゼロ。そこから人生の転機や思い出に残っているイベントを書き出し、それらに合わせて点を置いていき、それを線でつなげていきます。
例えば、小学校3年の運動会で活躍したといった出来事は、10歳の縦の軸に自分の感情に合わせて点を打っていきます。プラス10なのか20なのか、マイナス10か20なのか自分の感じるままに点を打ちましょう。
自分にとっての意味のあるイベントをポイントし、何があったのかを記入していくと、幸福度のアップダウンが視覚化できるようになります。受験などの一般的なライフイベントのほかにも、趣味を始めたきっかけなども重要なポイントとなります。
過去を思い出しながらポイントを取っていく中で、自分にとって何が重要だったのかを考えるようになっていくことでしょう。そうすることで自分の人生を俯瞰で見据えて、全体像を把握することができるようになるのです。
中学より前のイベントを詳しく書く!
このチャートを作る時の注意点の1つは、中学より前の時代のイベントを少し詳しく書いておくことです。アルバムなどを見ながら書いていくと、より書きやすくなるかもしれません。
中学以前の自分を見直すと、どんなことに興味を持ち、何が自分の幸せにつながるのかが見えやすくなるでしょう。その結果、大人になっても変わらない、あなたの本質を探しだすことができるかもしれません。
じつは自然と触れ合うのが好きで、朝顔の観察に熱中していたとか、最近時間がなくてしていないけれど本を読むのが大好きだったとか。逆に今は営業をしているけれど、子供のころは人見知りが強くて人と話すのが苦痛だったなど、予想外の気付きがあるかもしれません。
子供のころに幸福だと感じたものから、自分の将来を考え直してみると、いままで思い描いていたものとは違った未来が見えるかもしれません。それは自身のキャリアを考えるときの重要な資料となるでしょう。
ライフチャートのカーブに注目
ライフチャートで注目すべきなのは、線がカーブしているところです。幸福から不幸へ、不幸から幸福に転じた原因はなんでしょう。そこに着目すれば、自分にとっての大切なものが見つけやすくなります。
例えば受験に失敗した結果、幸福感が激減したなら、なぜ受験の失敗でそれほど落ち込んだのかを考えます。
「友達と一緒の高校に行けなかった」「努力が報われない気がした」「勉強で見返したかったのにできなかった」などなど。同じ受験の失敗でも、気持ちが落ち込んだ理由は人それぞれです。
何が自分にとって問題だったのかを知ることで、当時の自分が大切にしていたものがわかります。幸福度が変わった前後までさかのぼり、自分の人生を客観的に捉え直してみましょう。
ライフチャートで自分のストーリーを語れ
ライフチャートを作成することで得られる副産物の一つは、人に話せるようなストーリーを発見できることです。平凡だと思っていた自分の人生にある特別な輝きを見つけてみてみませんか?
そのストーリーは、未来の人生を豊かにしてくれるはずです。
転職のときの自己アピールに使えるかもしれませんし、久しぶりに再開した趣味の仲間に話せるかもしれません。他人が聞いて面白いと感じるストーリーは、仕事であれ、趣味であれ、新たな展開を生み出す可能性があります。
面白い話は人を呼び、人が集まれば、より強い推進力が生まれます。それが自分の幸福感を増すだけの場合もあれば、仕事につながるケースもあるでしょうが、大きなマイナスを生み出すことはほぼないのではないでしょうか。
実際にやってみると、意外に面白いライフチャートづくり。昔のアルバムなどを横に置いて、楽しんでやってみてください。
参考:『メモの魔力』(前田裕二 著/幻冬舎)