血液型占いを信じてしまうのはなぜ? 心理学からわかるココロのメカニズム

占いに興味のない人でも「B型って変わり者なんでしょ?」くらいのことが言えるほど、血液型占いは日本に定着しています。各血液型の基本性格を知っておくことは、現代日本人のたしなみだといっても過言ではないかもしれません。

しかし、私たちがこれほどまでに血液型占いを信じてしまうのは、なぜなのでしょうか。心理学的観点から、そのメカニズムを追求します。

  1. よく考えなくても、血液型によって人の性格が変わるわけないよね
  2. 私たちが血液型占いを「よく当たる」と感じる理由
  3. 肩書説明を変えての記憶力テスト
  4. 広く知られている血液型占いは、コミュニケーションツールとして最強
  5. 星占いや「今日の運勢」、干支占い、手相、おみくじ……占いは、楽しむためのもの!

よく考えなくても、血液型によって人の性格が変わるわけないよね

血液型は、A、B、O、ABの4種類しかありません。もしも血液型占いを信じるなら、人間の性格が4パターンしかないことになってしまいますが、そんなわけはないですよね。人間の性格は多種多様で、それぞれ。そんなこと、みんなわかりきっています。

「でも、血液型占いって、けっこう当たってると思うんだよね」と感じる人も多いでしょう。几帳面でしっかりしていると感じた人がA型だったり、おおらかでさっぱりしている人がO型だったりすると、「やっぱり!」と膝を打ってしまうような気持ちになるものです。

私たちが血液型占いを「よく当たる」と感じる理由

では、どうして私たちは、血液型占いを「よく当たる」と感じるのでしょうか。実は、記憶のメカニズムにそのヒントが隠されています。私たちは、自分が信じたいと思っている情報をピックアップして記憶し、そうではない情報は無視する傾向にあるのです。

占いを信じるヒントが記憶力にあるといわれても、あまりピンときませんよね。では、それを探った心理実験から、私たちが一体何を信じているのかを追求してみましょう。

肩書説明を変えての記憶力テスト

心理学者のコーエンは、次のような心理実験を行いました。参加者に、女性が夫と自宅で誕生日を祝って過ごしている情景を撮影したビデオを見せ、後でビデオに映っていたものについての記憶力テストをします。あらかじめ、参加者には女性の職業が伝えられました。ただし、参加者の半数には「女性の職業は図書館司書です」と告げ、もう半数には「ウェイトレスです」と伝えたのです。

ビデオの中には、図書館司書を連想させるような本棚やピアノ、ウェイトレスを連想させるようなビールなどが、半数ずつ映り込んでいました。そしてビデオ鑑賞後、「このリストの中で、ビデオに映りこんでいたものは何か」といった内容の記憶力テストを行ったところ、2つの参加者グループに違いが認められたのです。

ビデオの女性の職業を「図書館司書」と教えられた参加者は、司書のイメージに合ったものをよく思い出し、「ウェイトレス」と教えられた参加者は、レストランなどを連想させるものをよく思い出していました。それどころか、それぞれの職業を連想させながらもビデオには映り込んでいなかったものについて、「映っていた」と回答した割合も多かったのです。

血液型占いにおいても、その血液型特有の性格とされているところが、記憶の中でより大きくピックアップされているのだと、心理学では考えられています。そして占いの性格に合致しない特徴は、記憶の中で都合よく消されている。だからこそ、血液型占いを信じてしまうのでしょう。

広く知られている血液型占いは、コミュニケーションツールとして最強

ただし、だからといって血液型占いを「信じる価値のない、無用なもの」と思う必要もないでしょう。広く知られている血液型占いは、コミュニケーションツールとしては有効だからです。

「もしかしてAB型?」などと一言発するだけで、相手は何を言われているかがわかるでしょう。「私、変わり者と思われているんでしょうか?」などというやり取りが発生し、天気やニュースといったお決まりの世間話よりも、盛り上がりそうです。

基本的に占いや迷信が苦手という人も、なかにはいるかもしれませんね。そんな場合は、あくまで社会人のたしなみとして、血液型占いの基本だけでも知っておくというのはいかがでしょうか。

星占いや「今日の運勢」、干支占い、手相、おみくじ……占いは、楽しむためのもの!

広く知られている占いは、血液型占いのほかにもたくさんあります。12星座占いや干支占いも、人の基本性格がいくつかに分かれてしまう代表的な占いです。星占いをもとにした「今日の運勢」や、手相、おみくじなども占いの一種で、あてはまるような出来事があればついつい信じてしまいたくなります。

占いは良い結果を信じれば精神的に安定しますが、悪い結果が出ると、落ち込んでしまうもの。でもそんなときは、先の心理実験を思い出してください。どんなに当たっていると思っても、きっとそれはあなたの脳が、占い結果に都合の良いように動いているだけなのです。占いは、楽しむためのもの。それを肝に銘じ、「いいとこ取り」で楽しみましょう!

参考:『社会心理学』池田謙一ほか、有斐閣

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