ビジネスが成功するかどうかに説得力が大きくかかわっています。お客様が納得できるように説明できれば、商談が成立する可能性が高まるのは当たり前。そこで説得力をアップする方法をまとめてみました。
- 2つの話法
- 相手の話し方を観察して
- 声を大きくするだけで!
- 説得したいなら聴いてみる
2つの話法
説得力を高める話し方には2つの方法があります。話しをする状況や話す相手によって選択する方法は変わってきます。目白大学である渋谷昌三教授の『他人の心理学』(西東社)を参考に、2つの方法を紹介しましょう。
まず「アンチ・クライマックス法」。
これは先に結論を言って、後から説明する話し方です。論理的で合理的な考え方をする人にピッタリです。特に相手が話の内容に興味がないケースでは効果的です。
映画でいえば、先に派手な戦闘シーンがくるようなもの。冒頭で一気に興味を書きたてて、話を展開していきましょう。この方法は相手に時間がない場合も有効です。結論から展開して、相手の時間の許す範囲内で説明を加えていけば、時間内で説明を終えることができます。
相手の話し方を観察して
もう1つの方法は「クライマックス法」。
これは最初から順番に説明をしていき、最後に結論を述べる方法です。形式にこだわるタイプや粘り強い人タイプの相手に効果的。相手がこちらの話に興味を持っているケースに有効です。担当者が乗り気で上司に軽く話を通しているケースや先方から連絡があって説明に来てほしいと言われたケースなどにピッタリです。
さて、この2つの方法は、1つの法則があります。
それは「クライマックス法」で話しかけてくる人は「クライマックス法」が好きで、「アンチ・クライマックス法」で話しかける人は「アンチ・クライマックス法」を好むということ。
つまり相手の話し方に合わせることで、ビジネスが成功する可能性が高まるのです。まず、相手をしっかり観察しましょう。
声を大きくするだけで!
説得力を増すための重要なポイントの1つは、自信を持つことでしょう。ただ、自信は心の表れ。なかなかテクニックでどうにかできるものではありません。
とはいえ試してもらいたい簡単な方法が1つあります。
それは大きな声でハキハキと話すこと。声が小さいと自信がなさそうに見えるのはよく知られています。声を張り上げえる必要はありませんが、小さな声は禁物です。
以前、一流の建築家を取材したとき、事務所の若手スタッフに建築家は「声が小さい」と何度も注意しているのを目にしました。その建築家は奇抜なデザインで住宅を建てることも多かったので、説得力は生命線ともいえるもの。自信を持って伝える態度が身についていなければ、仕事が成立しないことを知っているからこその注意だったのでしょう。
自信がないと感じても、まず声を大きくする。これだけで説得力が変わってきます。試してみてください。
説得したいなら聴いてみる
最後に伝えたい方法は、しっかり聴くこと。
「説得力なのに」と思うかもしれませんが、これまでのビジネスを思い出してみてください。最初からお客様が結論を持っていたケースもあったのでは?
じつは多くのお客様は自分のやりたい方向性が決まっていることがあります。その方向性を自分の方に引き寄せるために説得力を磨くという考え方も重要ですが、相手の主張をしっかり聴いて、そこにフォーカスしていけるなら相手の満足度も違ってくるのではないでしょうか?
ただ、しっかり聴くことは、それほど簡単ではありません。気が付けば、ついつい自分のことを話していたりするのですから……。また相手が話しやすい態度や心構えも身につける必要があります。
本格的に傾聴力を身につけるためには、それなりの時間がかかりますが、とりあえず相手のほうに体を向けて顔や目をしっかり見て、姿勢をやや前のめり気味にしてみましょう。その上で、話すのではなく聴くんだと改めて決意を固めてみてください。
アピールしようとするあまり空回りしてしまってきたタイプの人は、相手の話を聴く姿勢を身に着けることは有効でしょう。