猫が甘えてくるとメロメロになる人もきっと多いことでしょう。でも、あの気ままな猫の様子を見ていると、「本当に自分は好かれているんだろうか?」と疑問に思うこともあるでしょう。そんな疑問への答えが出ました!
- 気まぐれな猫だけど
- 猫が孤独を好むと思われているのが不満
- 人間が選ばれた!
- 天皇にもお仕えしていた
気まぐれな猫だけど
猫は気まぐれです。すっごく甘えたかと思えば、そっぽを向いてどこかに行ってしまう。独りの時間を邪魔されたくない様子を見せる猫もいます。嫌ならプイッと横を向き、ゆっくり立ち上がって触られないように立ち去ることも……。それどころかエサをあげるときだけしか甘えない猫だって……。
嫌われているとは思えないけれど、猫が一番好きなのは飼い主じゃないかもと感じる瞬間を、猫を飼っている人なら何度も感じたことがあるのではないでしょうか?そしてそんな猫にもっと振り向いてほしくて、尽くしまくってしまうことも……。
でも、安心してください。
どうやら猫は人間とのかかわりが一番好きそうだという実験結果があります。
猫が孤独を好むと思われているのが不満
実験を行ったのは、オレゴン州立大学のクリスティン・ビターレ・シュリーフ氏が率いる研究チームです。
まず、この実験の動機と目的がちょっと面白いのです。
猫とは友好関係を築き、しつけることもできるのに、科学論文では猫が孤独を好み、訓練などできないと思われていることが不満だったとのこと。
これは猫をしつけるのに使える「刺激」がわかっていないからだと思いつき、猫がどんな刺激を好むのかを調べようとしたのでした。つまり、しつけを教えるときに、何を使えばいいのかを実験で確かめようとしたそうです。
人間が選ばれた!
まず、55匹の猫に4つのカテゴリーから、最も気にいったものを1個づつ選んでもらいます。
①食べ物(鶏肉、猫用のおやつ など)
②おもちゃ(羽、ネズミのおもちゃ など)
③におい(西洋マタタビ、他の猫のにおい など)
④人間との交流(撫でる、赤ちゃん言葉で話しかける など)
そして各カテゴリーで猫が最も気に入ったものを同時に与えたのです。
結果、55匹中、実験が成功したのは38匹。そのうち19匹がほとんどの時間を「人間との交流」で過ごし、14匹が食べ物を選び、おもちゃを選んだのが4匹、においを選んだのは1匹という結果になったのです。
つまり人間を選んだ猫が一番多かったという喜ばしい結果だったわけです。
「エサよりも、おもちゃよりも、においよりも、猫は人が好きなのね!」という実験結果は、多くの飼い主をさらにメロメロにするだけかもしれませんが、少なくとも猫達のきまぐれに傷つかなくてもよさそうです。
天皇にもお仕えしていた
『ネコがこんなにかわいくなった理由』(黒瀬 奈緒子 著/PHP研究所)
という本によれば、猫が飼いならされた証拠は3600~3700年前には見つかっているそうです。ネズミ対策として飼われるようになったという説が有力ですが、ただ役立つ「使役動物」としてだけ飼われていたのかは疑問です。
日本では中国から渡来した猫が飼われるようなり、『源氏物語』や『枕草子』にも登場。特に『枕草子』には、かわいいので一条天皇にお仕えしているという記述まであるほど。つまり少なくとも平安時代から日本人は猫にメロメロだったわけです。
人間が好きなのに素直な態度で表現しない猫の「ツンデレ」さに、日本人は1200年以上ハマり続けているのかもしれません。猫のテクニック恐るべしということでしょうか。
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