皆さんは犬派ですか、猫派ですか? 犬派と猫派では性格が違うのではないかという予測は昔からあり、心理学の研究者が大規模調査をしてきた項目でもあります。そこでイヌ派とネコ派の研究結果をまとめてみました。
- 日本のアンケート調査から
- 犬派と猫派の性格特性
- 犬派は「支配的」?
- 政治的な傾向にも影響!?
日本のアンケート調査から
2018年に実施した『いぬのきもち WEB MAGAZINE』のアンケート調査によれば、ネコ好きは全体の54%を占め、犬好き35%を大きく上回りました。またこのアンケート調査では、自分の性格を選択項目に加えており、犬好きと猫好きの性格特性をまとめています。もちろん厳密に性格を検査したわけではないのでないのですが、十分に参考になるデータでしょう。
犬好きな男性……寂しがり屋でスキンシップが多め
犬好きな女性……社交性が高くて面倒見が良い
猫好きな男性……人あたりが良く社交性が高い
猫好きな女性……寂しがり屋で独占欲が強い
犬好き男性と猫好きの女性に「寂しがり屋」の特性があり、犬好きな女性と猫好きの男性の両方に「社交性が高い」といった項目があるなど、ちょっと面白い調査結果になっています。
少なくとも犬派、猫派の男女は、自分のことを上記のような性格だと思っている可能性が高いようです。
犬派と猫派の性格特性
海外の心理学の研究者は、より細かく飼い主の性格を分析し、性格傾向を論文にまとめています。
テキサス州オ-スティン校のサム・ゴスリング氏に研究によれば、犬派と猫派の性格を調べています。
その結果、犬派の人々は外交的で社交性が高いそうです。しかも猫派と比べると、自分を律し、タスクの達成を目指して誠実に行動する傾向が高いことがわかりました。
一方、猫派の人は、芸術を愛し、感情豊かで、社交性は低いものの想像力や好奇心が強いこともわかりました。型にはまらない信念を持っている可能性があるそうです。
この犬派と猫派の性格特性は、多くの人が考える犬派と猫派の特徴に当てはまりそうです。
犬派は「支配的」?
ブリティッシュコロンビア大学のスタンレー・コレン教授は、犬の飼い主と猫の飼い主の性格特性を次のように分析しています。
犬の飼い主……力強くて、断定的であり、支配的である傾向があり、社交性が高い
猫の飼い主……内向的で自分だけで結論を出して、納得するタイプ
この犬の飼い主の特性である「支配的」をより詳しく分析したのが、オーストラリアにあるマッコーリー大学のベアトリス・アルバらの研究者でした。
この研究によれば、犬の飼い主は積極的に他人を支配しようという傾向はなく、自分が特別だと感じるナルシシズムの傾向も見られなかったというのです。通常、支配的である人は、上記のような傾向が強いことが知られており、純粋に支配欲が強いわけではないようなのです。
むしろ社会関係にはヒエラルキーが存在し、自分が上司や会社に従うのと同じぐらいに、犬が自分に従順であることに満足しているということがわかりました。つまり周りの人すべてを支配したいといった欲求はないようなのです。
一方で、猫を飼っている人は猫が自分に従うことを期待していないし、社会的な秩序を猫との間に築きたいとも思っていないのです。
政治的な傾向にも影響!?
最後に犬派と猫派の政治的な傾向を紹介しておきましょう。
犬を飼っている人は、保守的な傾向が強いことをカナダにあるヨーク大学のシャンテル・イヴァンスキー氏が報告しています。
特に保守的傾向の中でも、自分たちの文化や信念などが破壊されていると感じる人が多いとのことです。
ただ、この研究はペットと政治的傾向の関連性を示したという意味では大きな意味があるとのことですが、ペットの好みが政治的傾向に与える影響は少ないとも書いています。
参考程度の情報だといえるでしょう。
今日は犬派と猫派の性格の違いなどについてまとめました。自分の周りの犬派と猫派を思い出して性格を比較すると、より納得ができるかもしれません。
人の心のしくみについて興味のある方は、こちらもご覧ください。
監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会
参考:「【男女別調査】犬好き・猫好きの性格の違いとライフスタイルの傾向」(『いぬのきもち』)/「Pets and Politics: Do Liberals and Conservatives Differ in Their Preferences for Cats Versus Dogs?」(Chantelle Ivanski/Ronda F. Lo/Raymond A. Mar)/「Do Dog People and Cat People Differ in Terms of Dominance?」(Stanley Coren PhD./Psychology Today)/「Personality Differences Between Dog and Cat Owners」(Stanley Coren PhD./Psychology Today)