私たちは人格に対して漠然と抱いているイメージがあります。
自分がこんな色眼鏡で見られたら、その後の印象はどうなってしまうのか?
それを調べた心理学実験をご紹介します。
- 見た目の思いこみで判断していませんか?
- 性格の判定する実験結果は?
- ウワサでかかるバイアス
見た目の思いこみで判断していませんか?
太っていて高級そうなスーツに身を包んでいる人が現れたら、この人はお金持ちに違いない!と思いませんか?
反対に、すごく痩せていてみすぼらしい服を着ている人を見たらこの人は貧乏なんだろうな、とか。
太っていて裕福そうに見えても意外と普通で、反対に痩せて貧相に見えても実はすごくお金持ちということもあります。ルックスがいい人を見ればモテるんだろうと思ったりしませんか。でも、ルックスが良くてもずっと恋人がいない人もいます。
性格の判定する実験結果は?
社会心理学者のケリーは、まだ一度も講義を受けたことのない講師の紹介文を学生に見せて、その後にこの講師の授業を受けさせました。そして、学生にこの講師の印象について質問しました。
講師の紹介文は2パターンありました。
①「この講師を知る人は、彼のことを温かく、勤勉で、判断力に優れ、実際的で、決断力があるといっています」
②「この講師を知る人は、彼のことを冷たく、勤勉で、判断力に優れ、実際的で、決断力があるといっています」
違いは「彼のことを温かく」と「彼のことを冷たく」という点だけです。
結果は、①の「温かく」という紹介文を見た学生たちは講師に好意的な印象を持ちました。反対に、②の「冷たく」という紹介文を見た学生たちは否定的な印象を持っていたのです。
この実験によって、私たちはさまざまなバイアスで他人の性格を判断していることがわかります。
ウワサでかかるバイアス
もし誰かが自分の否定的なイメージを、誰かに伝えていたとしたら……。
それを聞かされた人は、自分に対して否定的な印象を持ってしまうということ。
それが営業先だったら? それが自分のことをよく知らない役員や社長だったら?
自分には心当たりがないのに否定的な目で見られるなんて、たまったものじゃありませんよね!
だから私たちにできることは「いつもいい噂を立ててもらう」こと。
いつもいい噂を立てられるためにできること、それはたとえば日々の挨拶です。
子供の頃は元気に挨拶と徹底的に教えられるけど、大人になるとだんだん元気な挨拶よりも形式的な挨拶になりますよね。
そこで「おはようございます!」と元気に言う。しかも365日、誰に対しても。
あの人ちょっとね、と社内で距離を置かれているような人にも自分から元気に挨拶しに行く。
それだけで周りの人と差がついて「いつも気持ちいい挨拶だなぁ」「誰に対しても公平な人なんだなぁ」というポジティブなイメージがつくはず。
そしたらあとは自然にみんなが噂してくれるのを待つだけです!
ちょっとお金を使ってイメージを良くすることもできますよ。
例えば営業帰りにみんなが喜びそうな有名スイーツをお土産に買って帰る。
それだけでみんな喜んでくれそうです。
お金を使わなくても、できることは他にもあります。
早めに会社に行って、みんなのために少しだけ掃除をするとか、掃除が嫌であれば寒い季節は早めに会社に行って事務所を温めておいてあげるとか。
こんな時代だからこそ、LINEやメールじゃなく自筆の手紙で感謝の気持ちを送るとか。
ほら、考え始めたらいろいろ出てきませんか?
でも一番簡単にできるのはやはり挨拶かもしれません。挨拶って人間関係の基本ですよね。
そんな軸をしっかり持てば、必ず好感度は上がります。
「元気な挨拶をする人に悪い人はいない」
そんなバイアスで、どんどん自分のイメージを上げて仕事をしやすい環境を作ってみてくださいね!