ネコに利き足があるのを知っていますか?しかも性格にまで関係あるかもという情報まであります。ネコ好きには、ぜひ知っておいてもらいたい猫の利き足の研究を紹介しましょう。
- 70%近くが利き足を持っている
- 1484匹のネコ研究を精査した結果
- 左利きの人は臆病!?
70%近くが利き足を持っている
ネコの利き足研究の権威といえば、北アイスランドにあるクィーンズ大学ベルファストのようです!
2009年にも42匹のネコを対象に実験。2018年には44匹のネコの協力により利き足を特定しているのです。この研究を進めた心理学者のDeborah L. Wellsは、日常生活の中で自発的に行う動作が大事だとして、飼い主に利き足を測定するシートを渡して観察してもらったそうです。
2018年のテストは、「穴の開いた容器にエサを入れどちらの足を入れて取るのか」「階段はどちらの足から上がるのか」「トイレの砂に入る時の足はどちらなのか」「どちら向きに寝るのか」の4つでした。
その結果、73%のネコがどちらかの足を穴に入れ、70%のネコが同じ脚から階段に踏み出し、66%のネコが同じ足からトイレに入ったのでした。一方、寝る向きに関しては25%しか偏ることがなかったそうです。
1484匹のネコ研究を精査した結果
上記の実験だけでも十分に興味深いのですが、2019年には過去のネコの利き足研究を集め分析した論文が発表されました。1484匹が参加した、32の実験からの分析によれば、ネコの39%が右利きで、36%が左利き、両手使いが25%だったそうです。
ただ、さらに分析を重ねた結果、雌ネコの52%は右利きで、27%は左利き、21%は利き足がありませんでした。一方オスネコの52%は左利き、31%は右利き、17%は利き足がなかったのです。
また過去の研究成果の中には、利き足のあるネコの方が感情豊かで愛情深く、活発と報告しているものもあるようです。
好みにもよりますが、利き足を持っている方が飼いやすいといえるのではないでしょうか。ただ利き足の測定にはかなりの時間を要するので、利き足を見極めて飼うかどうかを決めるのは、なかなか難しいでしょう。
左利きの人は臆病!?
ネコの利き手と性格について述べたので、ついでに(?)人間の利き手と性格についても書いておきましょう。
人間は9割が右利き、左利きはわずか1割と言われているので、ネコよりかはるかに利き手がハッキリしています。ただ日本人の場合は左利きを矯正するケースが多く、昭和女子大学の原田富士子氏の調査によれば、男女合わせて7437人のうち日常生活で主に左手を使う人は219人で、その割合はわずか2.6%だと判明しました。
また、Carolyn Choudhary博士が、サイコスリラー映画『羊たちの沈黙』を実験参加者に見せて分析した結果によれば、左利きの人がPTSDになる確率が高く、怖がりとのことです。
面白いことに左利きのイヌは用心深く消極的との研究結果もあるようなので、奇妙な一致を見せています。
ちなみに先述した原田氏の研究によれば、左手から右手に利き手を変えた人のうち8%が、矯正の悪影響で「臆病になった」と答えていますが、母数が左利きを矯正した人なので、全人口に占める割合は非常に小さくなりそうです。ただ、左利きで臆病な人のごくごく少数は、矯正によるのかもしれません!
今日は利き手について、ネコを中心にお伝えしました。
ネコを飼っている人は、クィーンズ大学ベルファストのやり方で注意深く観察すれば、自分のネコの利き足が分かります。わかったからといって、何が変わるわけでもありませんが、かわいいネコの動作をじっくり観察できるのは、かなりの癒しになりそうです!
心理学に興味のある方はこちらもご覧ください。
参考:「Is Your Cat Left-Handed?」(Sebastian Ocklenburg, Ph.D./Psychology Today)
「12 Little-Known Facts About Left-Handers」(EVERYDAY HEALTH)
「ネコは『右利き』か『左利き』か」(石田雅彦/Yahoo!ニュース)
「猫の『利き手』を研究、オスは左でメスは右」(ナショナル ジオグラフィック)
「左利きの研究」(原田富士子)