「ひらめきがあれば……」とも思うことはありませんか? 新しい何かを生み出すため、あるいは問題を解決するため、何かアイデアが必要だと思うことは以前より増えているかもしれません。そこで「ひらめき」を得るための方法について調べてみました。
- 社会が「ひらめき」を求めている
- 視線を動かす
- ボーっとする時間をつくる
- ストレスを感じる環境に身を置く
- 好奇心を持つ
- オフの時間をつくる
社会が「ひらめき」を求めている
正解がない時代と言われています。新しいイノベーションを起こさないと、なかなか売れる商品がつくれない。そんな時代になったからかもしれません。新たな考え方や技術を取り入れて新たな価値を生すイノベ―ションが、もてはやされているのも時代の要請でしょう。
だからこそ「ひらめき」が重要になります。機能とは違う何かを創造するためには、そのきっかけとなる思いつきも大切だからです。では、どうすれば、より多くの「ひらめき」を得られるのでしょうか? 心理学の研究から効果のありそうなものを紹介していきましょう。
①視線を動かす
心理学者のトーマスとイエラスが実施した実験で、目の動きと問題解決に関連性のあることを発見しました。しかも実験参加者は自分が視線を動かしているとは意識してはいないのに、なぜか問題が解ける確率が高まってしまったのです。
この実験の結果から、目をいろいろな方向に動かすことが、「ひらめき」を促す可能性があると推測されているのです。一点に集中するのではなく、いろいろなところに視線を動かしてみましょう。ドライブなども、風景が変わり、目線をさまざまなところに動かす可能性が高いため、「ひらめき」を得やすいかもしれないという指摘もあります。
「ひらめき」がほしいと思ったら、意図的に視線を動かしてみましょう。
②ボーっとする時間をつくる
近年、「ひらめき」との関係で注目されているのが、「デフォルト・モード・ネットワーク」と呼ばれる脳の状態です。「デフォルト・モード・ネットワーク」は脳に散らばる記憶の断片をつなぎ合わせ整理する状態です。そして「デフォルト・モード・ネットワーク」をつくりだすのが、ボーっとした時間です。
ずっと忙しく動き回っていると「ひらめき」の元になる、脳の整理ができません。たまには何もしない時間をつくってみるのも大切です。公園を散歩したりお風呂でリラックスしてみてはいかがでしょう。
③ストレスを感じる環境に身を置く
「ひらめき」のきっかけになるものの一つがストレスだと言われています。作曲家や作家などが、しめきりギリギリで「ひらめき」が降りてきて、一気に創作したといった話を聞いたことがありませんか?
これはある種のストレスが、「ひらめき」を促した結果ともいえそうです。
こうしたストレスを感じる状況に身を置いて、避けたくなるような不快感やリスクを、あえて負ってみることも「ひらめき」にはプラスになるそうです。
じつは不快なことであっても、どんどんチャレンジしていく人は、幸運な人生を送るという調査結果を、イギリスのリチャード・ワイズマン氏が発表しています。「ひらめき」のためだけではなく、幸福のためにもリスクを取るといったことも重要かもしれませんね。
④好奇心を持つ
精神科医であるニール・バートン医学博士は、好奇心が「ひらめき」の元になると書いています。
それはどのようなものでもよく、読書や映画・美術などの鑑賞、散歩、刺激的な人に会うのもいいそうです。大きなイベントである必要はなく、とにかく自分が興味をひかれているものに、時間を費やしてみましょう。
そうした行動が「栄養」となって、「ひらめき」を得るそうです。
⑤オフの時間をつくる
「ひらめき」をまったく感じない状況になってしまったら、オフの時間をつくることが重要だと、ニール・バートン医学博士は指摘します。たしかにシャワーを浴びていたり、散歩をしていたら、いきなりアイデアを思いついたといった話は、いろんなところに転がっています。
ストレスが「ひらめき」を生み出せないようなら、逆に頭を緩ませてあげるのも重要なのでしょう。
今日は「ひらめき」を得るための方法について、まとめてみました。アイデアがほしいと思ったときに、ぜひ試してみてください。
人の心のしくみについて興味のある方は、こちらもご覧ください。
監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会
参考:「ひらめきと記憶の正体 脳の解明が認知症治療につながる」(NHK健康チャンネル)/『実験死因理学』(齊藤勇/ナツメ社)/「How to Find Inspiration」(Neel Burton M.D./Psychology Today)