普段、何となく靴を選んで履いている人も多いのではないでしょうか。特別なときに履く「勝負靴」以外は、それほど深く考えないでコーディネートしてしまうことも。ただ、どんな靴も、それなりのメッセージを発していることは知っておきたいものです。
- 靴だけで対人不安がわかる!?
- 靴の印象9つのパターン
- 周りへのアピールとして靴を選んでみる
靴だけで対人不安がわかる!?
「足元を見る」という言葉があります。「相手の弱みにつけこむ」という意味ですが、この由来は旅人の疲れの具合を足元からつかんで、馬やかごを使う業者たちが値段をふっかけたことに由来するそうです。疲れていると少々高い値段であっても、かごや馬を頼んでしまうからです。
じつは足元から分かるのは、疲れだけではありません。
カンザス州のアンジェラ・バーンズ博士は、靴から驚くほど多くの情報が得られることを実験で証明しています。
18~55歳の実験参加者208人に、最もよく履いている靴の写真を持ってきてもらいました。その写真だけを見て、63人の大学生にどんな人物なのかを推測してもらったのです。結果、年齢・性別・所得、さらには対人関係の不安まで見抜いてしまったというのです。
また、政治的にリベラルか保守かといった項目のように、必ずしも当人の性格傾向を見抜いていなくても、靴から受けた印象が驚くほど一致していたこともわかりました。つまり靴による第一印象には、注意しなければならないということです。
63人の大学生には、なるべくインスピレーションで考えてもらうように指示したとのことで、なぜ、そう感じるのかを当人が理解しているわけではありません。ただ、多くの答えが一致していることから、人は足元から人物情報を得る能力が備わっているらしいのです。
つまり何げなく履いた靴が、職場の仲間やお客さんに情報を提供していることになるというわけです。
靴の印象9つのパターン
では、『とっさのしぐさで本音を見抜く』(トルステン・ハーフェナー著 サンマーク出版)に紹介されたアンジェラ・バーンズ博士の実験結果から、どんな靴が、どんな印象を与えるのかを見ていきましょう。
①新しい靴
人付き合いに不安を感じている印象
②センスのよい靴
人付き合いに自信のない印象
「センスの良い靴」がどのようなものかは明確にはわかりませんが、ファッション的に尖った印象の靴は、ビジネスには向かないのかもしれません。また、対人関係の不安を抱えていると相手に感じさせるかもしれない新しい靴も新規営業のときはお勧めできません。
③カラフルな靴
外交的で明るいタイプ
④先の尖った靴
不親切なタイプ
⑤ロゴが入った靴
どれぐらいの大きさでロゴが入るかにもよるかもしれませんが、不親切な人物の印象
⑥高級で履き心地が悪そうな靴
あまり好ましい人物ではなさそうな印象
「尖った靴」や「ロゴの入った靴」、「履き心地の悪そうな靴」は、相手に警戒心を抱かせるものというわけです。じつは「高級な靴」はお金持ちだと多くの人が分かるようなので、履きなれているようであれば高級な靴自体はビジネスでプラスに働くのではないでしょうか。
⑦よく履きこなされてキレイに保たれた個性的な靴
自信のある人物
しっかり手入れが行き届いていて、ある程度、履きこまれた個性的な靴はビジネスでは最高の印象をもたらす可能性があります。⑦の「個性的な靴」と②「センスのよい靴」の違いが少し分かりにくくはありますが、とにかく履き込むことが重要なようです。また、お金を持っているというアピールも加えたいなら、高級で個性的な靴を履き込むといいでしょう。
⑧デザインより機能性を重視した実用的な靴
親しみやすい性格
⑨ショートブーツ
積極的な人物
周りへのアピールとして靴を選んでみる
誰でも靴だけを見て、その人の印象を探ることはできます。ただ、自分の靴が周りにどんな印象を与えているのかを正確に把握することは難しいかもしれません。気に入った靴であればあるほど、他人が感じる靴の第一印象など気にしなくなるからです。
しかしビジネスの場で周りへ与える印象の観点から靴を選ぶなら、上記の靴の印象はきっと参考になるはずです。少なくとも新しいお客さんと会うときには、良い印象を与える靴を選びたいですね。
ただし新品の靴は、人付き合いに不安を感じている人物に見えてしまうので、少し前から準備をしておく必要がありそうですね!
参考:『とっさのしぐさで本音を見抜く』(トルステン・ハーフェナー著 サンマーク出版)