ハラスメント問題が日常的にメディアを賑わすことも少なくありませんが、ハラスメントはけっこう種類が多いのをしっていますか?最近新しく仲間入りした用語も含め、職場で起こりえるハラスメントの種類8つをご紹介します。
- ハラスメント8つの種類
- モヤっとしたら「何ハラ?」と考える前にコミュニケーションを!
ハラスメント8つの種類
⓵セクハラ
セクシャル・ハラスメントの略称です。バブル期は女性社員のおしりを触ることがあいさつ代わり、なんてことも珍しくなかったと言ったら、若い人は驚くでしょう。今では、仕事に関係のないセクシャルな言動は、セクハラと解釈されます。
②セカハラ
セカンドハラスメントの略称です。「あの人にセクハラを受けました」と同僚や上司に相談した結果、「あなたの勘違いでしょ?」などと被害者が責められる、二次的なハラスメントのことを指します。セカハラされるくらいなら、セクハラに耐えたほうがまし……という人が出てくる可能性があり、かなり根の深い問題といえます。
③パワハラ
パワーハラスメントの略称で、上司など職場でより強い立場であることを利用して下の者に精神的、あるいは肉体的な嫌がらせを行うことを指します。絶対に終わらない量の仕事を依頼したり、理不尽な命令を下したり、あるいは過小な要求をして昇進のチャンスをつぶしたり。パワハラ上司に目をつけられたら、会社は生きづらい場所になります。
④モラハラ
モラルハラスメントの略称です。とくに職場においては、同僚や部下、上司の尊厳を傷つけるような発言を行い、精神的な苦痛を与えることを指します。これが上司だとパワハラに分類されることが多いので、同僚などからのいわゆる「職場いじめ」がモラハラに当てはまるといえるでしょう。
⑤アルハラ
アルコールハラスメントの略称です。飲み会などの席でお酒を飲むことを強要する行為をいいます。最近ではあまり聞かなくなりましたが、平成の中頃までは新入社員の歓迎会などで新社会人が急性アルコール中毒になり、救急搬送される例が後を絶ちませんでした。
⑥カラハラ
カラオケハラスメントの略称です。歌うのを苦手に思っている人に、カラオケ店で「歌え」と強要することをいいます。一度歌うと歌が下手なことを笑われ、ことあるごとに「あなたの歌が聴きたい」などと頼まれたら、二次会が本当に憂鬱になりそうですね。
⑦マタハラ
マタニティハラスメントの略称です。妊娠・出産した人が、それを理由として職場で精神的・肉体的な嫌がらせを受けることをいいます。妊娠を理由として異動や降格を言い渡されたり、出産後の職場復帰が不当に阻害されたり。妊娠や出産はただでさえ仕事のパフォーマンスが低下する時期ですから、会社にとっても本人にとっても納得のいく仕事のやり方を導き出すのは難しいといえるでしょう。しかし大事なことです。
⑧ジェンハラ
ジェンダーハラスメントの略称です。「男なんだから、このくらいの荷物は持てないと」「この仕事は女には無理だよ」など、女らしさ、男らしさという物差しで相手を精神的に追い詰めることを指します。性的な不快さを含まないのが、セクハラとは違うところです。LGBTの人たちはとくに苦痛を感じる可能性があり、多様性の受容が求められる現代において、とくに注意したい問題です。
モヤっとしたら「何ハラ?」と考える前にコミュニケーションを!
「セクハラ」が1989年の新語・流行語大賞を獲得してから、早や30年が過ぎようとしています。ハラスメントの問題は収束するどころか、次々と新語が生まれる事態に。
ハラスメントをなくすには、同僚や上司の言葉にモヤっとしたとき「何ハラ?」と考える前に、「それ、どういう意味でしょうか?」と率直に聞くのがポイント。相手には、悪気がない場合もあるのです。コミュニケーションを密にとり、信頼関係を築いていけば、「あれもハラスメント? これもハラスメント!」といったことも少なくなるのではないでしょうか。「平成の時代には、ハラスメントって言葉があってね……」と、10年後には言えるような世の中になっていたいですね。