2017年の厚労省の調査によると、従業員の実に3割ほどがパワハラを受けたことがあるとのこと。パワハラ・セクハラでの悶々と悩む日々に終わりを告げるため、ハラスメントの相談窓口を複数ご紹介します。
- ハラスメントの悩みは打ち明けづらい
- すぐに伝えられて頼りになる、ハラスメント相談窓口
- 信頼関係を築くのが、ハラスメント防止の糸口になる
ハラスメントの悩みは打ち明けづらい
上司や同僚、部下から嫌がらせを受けていたとしたら、とても悲しく辛い気持ちでいっぱいですよね。それが自分の業務に支障をきたすほどであれば、そして「会社に行きたくない」という気分に陥るようなものであれば、それはハラスメントというべきものかもしれません。
上の立場の人から嫌がらせを受ける「パワハラ」、身体を触られたり性的な言葉を投げかけられる「セクハラ」のほかに、妊娠や出産にまつわることで嫌がらせを受ける「マタハラ」、いわゆるいじめや無視で精神的に追い詰められる「モラハラ」など、ハラスメントの種類はたくさんあります。上司や同僚に打ち明けるのはちょっと……という人は、第三者やカウンセラー的立場の人に、まずは相談してみましょう。
すぐに伝えられて頼りになる、ハラスメント相談窓口
・産業カウンセラー
あなたの職場に、産業カウンセラーの資格を持つ人はいませんか。社内のハラスメント相談窓口などを訪ね、探してみましょう。秘密厳守で話を聞いてくれ、職場のカウンセラーならではの寄り添い方をしてくれます。
・こころの耳
日本産業カウンセラー協会が厚生労働省の委託を受けて開設している、職場のメンタルヘルス対策サイトです。電話相談、メール相談ができます。「ハラスメントと決まったわけじゃないけれど、あの人のせいで会社に行きたくない……」といった、悩みの初期段階から打ち明けられることができます。
・ハラスメント悩み相談室
厚生労働省委託事業として開設している、ハラスメント相談サイトです。電話相談、メール相談が可能です。
・法テラス
国が設立した、あらゆる法的トラブル解決に関する総合案内所です。具体的に困ったことが生じているとき、法的手段を取りたいと考えているときに無料で電話相談ができるため、頼りになります。問い合わせ事例も公開しているので、参考にしましょう。
・労働局・労働基準監督署内の労働相談コーナー
各労働局、労働基準監督署内には、厚生労働省による総合労働相談コーナーがあります。職場での嫌がらせのほか、性自認に関連する労働問題、就活生などの相談にも応じています。また、従業員だけではなく、事業主からの相談も受けています。
・NPO法人労働相談センター
労働者なら誰でも電話・メール相談できるNPO法人で、およそ30年の実績があります。500名を超える相談ボランティアが登録しています。
・就活ハラスメント無料相談
日本ハラスメント協会が、就活生向けに無料で開設している相談窓口です。オワハラを受けたときなどの相談が有効です。
・弁護士の30分相談
匿名での訴えや相談に限界を感じたら、弁護士に問い合わせてみましょう。初回は30分以内5000円程度としているところが多いため、要点を整理してから相談するのがおすすめです。
信頼関係を築くのが、ハラスメント防止の糸口になる
具体的にどのような発言を受けたらハラスメントと認定されるのか、厚労省は21日にパワハラの定義や該当する場合・しない場合の例などを示しましたが、委員からは疑問や指摘が相次いでおり、まだ確定するのに時間がかかりそうです。
とはいえ、日ごろからコミュニケーションを取り、きちんと信頼関係が築けてさえいれば、無用なトラブルは防げるともいえるでしょう。何気ない一言がハラスメントの種にならないよう、まずは信頼関係を築くことから始めましょう。
参考:『10年後、後悔しないための自分の道の選び方』ボブ・トビン、ディスカヴァー p.207