シビアな金銭交渉は午後一に!
お腹のすき具合と金銭の関係を心理学的に解説します。
- お客さんを訪ねる時間を気にしてる?
- お金の話をするだけで食欲が変化する実験
- ビジネスの成功にはハングリーが必要!?
お客さんを訪ねる時間を気にしてる?
ビジネスではシビアな金銭交渉をしなければならないケースも少なくないでしょう。満額とはいかなくても、少しでも希望額に近づけるために、多くの人が知恵を絞っています。
オプションを付ける、関連費用を安くする、長期契約で値段を下げるなどなど。こうした条件面での努力は、多くの人が手がけることしょう。
さらに接待や情報提供など、時間をかけて構築した人間関係を土台に妥協点を見つけ出す人も、きっと少なくないはずです。
では、お客様と会う時間については、気にしたことはありますか。
ズバリお教えしましょう!
金銭交渉が絡むなら、昼食後の午後一に先方と会うべきです。
お金の話をするだけで食欲が変化する実験
金銭とお腹のすき具合の関係についての実験では、参加者の一部に4時間、ご飯をいっさい口にしないでもらいました。その状態で募金をお願いしたところ、普通にご飯を食べてお腹がすいていないグループよりも、募金額がかなり少なくなったのです。
さらに空腹のグループの一部にチョコブラウニーの香りをかがせて、空腹を意識させてから募金をお願いすると、より募金額が上がったのです。
この研究者は、お金のことを考えると、空腹の具合が変わるのかも調べています。
まず、実験参加者には、7ユーロでくじを買ってもらいます。その上で当たれば25ユーロ戻ってくると話したグループと、2万5000ユーロ戻ってくると強調したグループに分け、その両方にくじが当たったときに買いたいものをあげてもらいました。
つまりお金について、きっちり意識してもらった上で、ボタンのような形のチョコレート「M&M’s」の味を評価してほしいと依頼。実験参加者がどれぐらいチョコを食べるのかを観察したのです。
その結果、25ユーロ(約3200円)のくじの当たりを意識したグループは29グラム食べたのです。一方、2万5000ユーロ(約320万円)を意識したグループは、40グラムもチョコをつまんだのです。これは粒に直せば、12粒ぐらいになりますので、けっこう食べている量が違うことがわかるでしょう。
この実験により、金銭に執着が強くなるほど、お腹がすいて食欲がわくということが証明されたのです。
ビジネスの成功にはハングリーが必要!?
お腹がすくと金銭への執着が増える理を活用すれば、どんなお腹の状態で金銭交渉をすべきかがわかるでしょう。シビアな金銭要求をする側なら、なるべく相手が満腹とのときに。
逆に営業職ならば、昼飯前や夕飯前のお腹が減った状態は、売り上げを上げるためにもうひと頑張りできるチャンスなのです。
ハングリー精神とはよく言ったもの。金銭的な成功を収めるなら、お腹を満たしすぎないことも重要かもしれません。ただ、お腹がすきすぎると、交渉がうまくいかないということもあるかも! その点はご注意を!
参考:脳がシビれる心理学(妹尾武治 実業之日本社)