自分を責めてしまう日々を変える4つの方法

自分を責めることが、心にも行動にもマイナスに作用することは、よく知られるようになりました。ただ、自分をいたわったり褒めたりするのが苦手な人は多いもの。そこで、その方法と効果を調べてみました!

  • 自分に優しくすれば幸福に
  • 独り言への対処法
  • ものすごく落ち込んだときのために
  • もっと幸せになるために
  • 褒めて行動を変える

自分に優しくすれば幸福に

「セルフ・コンパッション」という単語を聞いたことがありますか?「自分への思いやり」といった意味です。

多くの人は自分には厳しいもの。できていることより、できないことに意識を向けがちですし、独り言は自分自身への攻撃で溢れています。「なんであんなことしちゃったんだろう」「自分って最低だ」「こんなことばかりでイヤになった」などなど。他人から言われたら傷つく言葉ばかりです。
しかし自分のこととなると、そんな言葉で平気で自分を傷つけてしまいがちです。

しかし、こうした状態が心にも体にも悪いことが、明らかになっています。「セルフ・コンパッション」の第一人者であるクリスティーン・ネフは、自著で次のように書いています。

私と同僚が10年間で行った研究では、セルフ・コンパッションが人生における感情的なウェル・ビーイングと満足感を獲得する上で非常に有効な方法であることが証明された。

実際、独り言などで自分を攻撃し続けていると、自分に価値があると思えなくなりがちです。

独り言への対処法

言葉が人にどのような影響を与えるのかについては、英国の心理学者リチャード・ワイズマン教授の研究が有名です。

実験参加者に、単語カードをなるべく早く並べ替えて正しい文章をつくるように指示を出します。そして「若い」「素早い」とカードが用意されたときと、「年老いた」「遅い」といったカードが準備された後で、参加者の歩くスピードを測定しました。すると「若い」「素早い」というカードを扱ったときの方が、速く歩いたのです。

意味のない文章であっても影響を受けるのですから、感情を込めて日々自分を攻撃するなど、もってのほかでしょう。

といっても、ついつい独り言で自分を攻撃したり、卑下してしまうこともあるでしょう。そんなときに活用したいのが、次の方法です。

【方法①】マイナスの言葉の後で「だけど」を足す!
自分への攻撃を口にしてしまったと気づいたら、すかさず「だけど」と口にして、自分を褒めてあげましょう。ダメなところもあるけれど、自分にも自慢できるところがある。そんな気持ちになればOKです。

ものすごく落ち込んだときのために

本気で自分が許せないと感じることもあるでしょう。思い出したくもないような失敗が頭を巡ってしまうときは、独り言を修正するぐらいでは収まらないでしょう。そうした時に活用したいのが、次のテクニックです。

【方法②】自分に手紙を書く
親しい友人が失敗をしてしまったときのように、自分に慰めの手紙を書いてみましょう。自身の気持ちを自分で受け止め、自分の気持ちに寄り添ってみましょう。自分の気持ちを吐き出しつつフォローすることで、気持ちがどんどん収まっていきます。

誰でも失敗はするもの。だからこそ他人でも自分でも、立ち上がれなくなるまで攻撃してはいけません。

もっと幸せになるために

自分への攻撃を止めるだけではなく、幸福になるために動いてみませんか?

【方法③】感謝すべきことを毎日3つ書き出す
感謝によって幸福感が増すことは、広く知られています。いろんなことに感謝するようになると、自身の幸福度が上がるのです。

ただ、このメソッドを苦手に思う人も少なくないようです。よくあるのが、感謝すべきことが見つからないというもの。そういう人の多くは、感謝すべきことを大きく捉えすぎています。会社でにこやかに挨拶された、昼食がおいしかったといったことに感謝してもいいでしょう。

注意して見直してみると、いろいろと感謝できそうなことが見つかりまるでしょう。

褒めて行動を変える

人間の行動習慣は、どんな行動で素敵な気分になったのかで決まっていくそうです。良い気分をもたらした行動を、人は繰り返すようになり、それが習慣化するからです。

つまり習慣化したい行動があるなら、行動の直後に気持ちよくなればいいのです。ただし、それには2つの法則があると、スタンフォード大学のBJ・フォッグ博士は書いています。

方法④】行動の後に直ちに祝福し、それを強く実感する
つまり運動を継続したいなら、終わった後すぐに「よし!」とガッツポーズをすればいいわけです。ただし問題は「実感」できているかどうかです。

自分を祝福し、気持ちよく感じる動作は人によって異なります。そこで自分にあった動作を探す必要があります。すごく嬉しいとき思わずしてしまう動作を考えたり、自分が嬉しいときにどんな様子なのかを近しい人にたずねてもいいでしょう。とにかく自分が実感できる行動を探しましょう。
ただし行動後、即座にする必要があるので、他人と一緒じゃないとできないものや、準備が必要なものは省きましょう。

心が軽くなる心理学の知識に興味のある方は、こちらもご覧ください。

監修:日本産業カウンセラー協会

参考:『習慣超大全』(BJ・フォッグ/ダイヤモンド社)/『セルフ・コンパッション』(クリスティーン・ネフ/金剛出版)

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