【心理テスト付】話題沸騰の「Clubhouse(クラブハウス)」で心配される現代のSNS病「FOMO」って?

招待制の音声配信SNS「Clubhouse(クラブハウス)」の情報をメディアで耳にする機会も多くなってきました。同時に「SNS病」とも呼ばれる「FOMO」を心配する声もあがるようになってきました。そこで「FOMO」について情報を集めてみました!

  • 「Clubhouse(クラブハウス)」にある手が届きそうな特権
  • 自分の「FOMO」を調べてみる
  • ひどい経験でも共有したい
  • 小さな幸せを見つける

「Clubhouse(クラブハウス)」にある手が届きそうな特権

最近、芸能人が「Clubhouse(クラブハウス)」について、話すことも多くなってきました。「Clubhouse(クラブハウス)」は音声配信SNS。会員の人が会話を楽しんだり、ライブを聴いたりできるシステムです。文字のSNSが音声に変わったと考えると、わかりやすいと思います。

ただ「Clubhouse(クラブハウス)」が大きな話題になっている原因には、招待制限があります。すでに会員になっている人の招待枠は2つ。そのため招待枠が高値で取引されるようにもなっているのです。

例えば自分がファンの芸能人が「ROOM」と呼ぶ会場でライブをしていたとしても、自分に招待枠が回ってこない限り参加できないのです。そのうえ「Clubhouse(クラブハウス)」は「録音やオフレコの口外は禁止」で「アーカイブ配信もない」のです。つまり「Clubhouse(クラブハウス)」への入場を許可されない限り、ライブに参加することはかないません。

もちろん現実の世界でも、ファンへのシークレットライブが開かれたり、贔屓筋の方なら実際に芸能人に会えるといったことはありました。しかし「Clubhouse(クラブハウス)」であれば、そんな「特権」がもっと簡単に手に入るようになるかもしれないです。

自分の「FOMO」を調べてみる

お待たせしました。
こうした状況で問題になるのが「FOMO」なのです。「FOMO」は「(the Fear Of Missing Out)の略で「取り残されることへの恐れ」という意味です。2010年代前半から欧米ではいろいろな形で取り上げられた単語です。

そして「FOMO」は、SNSで強まると言われています。
「有益な情報を見逃したらどうしよう」「自分の知らないところで友人が何をしているのか気になる」といった気持ちが高まって、SNSのチェックをしないと気が済まないという心境に陥りがちだからです。

では、まず自分の「FOMO」の度合いをチェックしてみましょう。

①友人が自分より楽しいことをしていそうで心配になる
②友人同士で交わされる内輪受けのネタをわかることは重要だ
③友人と会う機会を逃すと気になる
④友人が何をしているのかわからないと不安になる
⑤予定されていた集まりを逃すと気になる

以上の5つの質問に、5つ選択肢からぴったりくるものを選んでください。

1:全く当てはまらない
2:当てはまらない
3:どちらともいえない
4:当てはまる
5:かなり当てはまる

(「The Definitive Guide to FOMO」Jake Teeny/Everyday Psych)

そして回答に選んだ数値を合計して5で割ってみてください
このテストは若い人ほど高くなる傾向があるので、米国の調査では中高年の平均値は1.89ポイント。2.64ポイント以上だと「FOMO」の傾向が強いといえそうです。

若い世代の平均は2.37ポイントです。こちらは3.68ポイント以上だと要注意といえそうです。

※通常、心理テストは翻訳がしっかりと心理傾向を示しているのか研究しますが、このテストは英文を翻訳しただけですので、参考程度にお考えください。

ひどい経験でも共有したい

「FOMO」の根底にあるのは、仲間外れになりたくない、取り残されたくないといった気持ちです。

18~22歳の若者を対象にした米国の調査によれば、全回答者の75%が定期的に「FOMO」を体験していると回答しています。中高年を対象にした調査でも、全体の半数の人が少なくとも月に1回は「FOMO」を味わっていると判明しています。

しかもやっかいなことに、「FOMO」はしっかりとした判断をしたから逃れられるというものではないのです。

ある心理実験では、4人のうち3人にひどい評判の映画を見せ、もう1人には評判の良い映画を見せました。その後4人で交流する時間をつくると、面白い映画を見た人が、他の3人よりも否定的な気持ちだったとわかったのです。

つまり経験の質よりも、同じ体験をしたかどうかで気分が変わってしまうというわけです。

現在、「Clubhouse(クラブハウス)」は参加できないことで「FOMO」を高めてしまいます。しかし一定の時間が過ぎて、いろんな人が参加できるようになると、今度はアーカイブを見られない不安からイベント情報を探し回るようになってしまう可能性があるのです。

小さな幸せを見つける

「FOMO」が強くなるとイライラもするでしょうし、貴重な自分の時間も奪われていきます。特に先の心理テストで数値の高かった人は要注意です。

じつはグーグルなどは、「FOMO」の対策の一環としてSNSなどを自動的に制限できる機能を、Google Wifiなどにつけています。強制的にSNSにつながないようにすればいいといった発想です。

実際、「FOMO」の対策としては、前もって参加しないことを決めるといった行動を推奨するものもあります。「Clubhouse(クラブハウス)」でいえば、参加しないと決めてしまうというわけです。

ただ、この方法がうまくいくのか疑問もあるでしょう。
同様にSNSにアクセスする時間を自ら制限するといった方法も、効果は人によってさまざまでしょう。

最も効果的だと思われる「FOMO」対策は、自分が夢中になれる小さな幸せを見つけることのようです。そして、それを実行するために計画を立てるようにすれば、自分が取り残されたという気分を味わう必要もなくなります。

「FOMO」に対抗する概念として、「JOMO(joy of missing out)」(取り残されることの喜び)があります。他人の行動に注意を向け過ぎず、目の前のことに集中して楽しむ「JOMO」の心境を維持することは、今後のSNSとの付き合いでも重要になりそうです。

心理学の知識を日常の生活に活用したいと感じる方は、こちらもご覧ください。

参考:「The Definitive Guide to FOMO」(Jake Teeny/Everyday Psych)/「シリコンバレーは本格的な「FOMO」解決とデジタルデトックスに乗り出せるか?」(松村太郎/Yahoo Japan!ニュース)

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