どんよりした気分のときは誰にでもありますよね。もちろん、そんな日は休むという選択肢もあるでしょう。しかし、やっぱり動き出す必要があると感じるときは、どんよりした気持ちを吹き飛ばすメソッドを試してみてください。
- 無視できないモチベーションの低下には
- 感情に名前を付ける
- 声に出して分析する
- 自分を癒すものを集める
- 未来のどんよりのために
無視できないモチベーションの低下には
どんよりした気分からモチベーションが下がってしまうことはあるでしょう。憂鬱な予定があるのかもしれませんし、簡単には解決できない問題が目の前に横たわっているのかもしれません。
もっとも簡単な解決法は、気分に惑わされることなく動くこと。行動したらあまり気にならなくなったというケースも少なくないからです。しかし簡単には憂鬱な気分から解放されそうもない、と感じたら感情から距離を取るためのテクニックを使うといいかもしれません。
①感情に名前を付ける
感情は不思議なものです。どのように自分が感じていても、現実が変わるわけではありません。失敗で落ち込んでいようが、褒められてやる気がみなぎっていようが、日々の仕事量に変化ないのです。だから飛び込みの営業などの場合は断られたことを気に病まず、どんどん新しい顧客に向かっていく方が成功する可能性も高まります。しかし、それがわかっていても、感情の波を抑え続けるのは難しいものです。
多くの人はネガティブな感情が湧き上がると、それを抑えつけて目を背けます。しかし、そうして抑え込まれた感情が、いきなり狂暴化して暴れ出すこともあります。その結果、お酒を大量に飲むといった自暴自棄な行動を招いてしまうことも……。
逆にネガティブな感情を受け入れるようにすると、感情のコントロールもしやすくなります。そこで感情を受け入れるために、感情に名前を付けて細かく観察してみましょう。
何を感じるのか、体のどこで感じるのか、いつもの「どんより」と何が違うのかなどを知り、細かく感情を識別できるようになると、感情の扱い方がわかってきます。
例えばいつも日曜日の夜に感じる「どんより」だったなら「日曜日のどんより」と名付けます。例えばお腹の上の方で感じているとか、営業成績が達成できるのか不安なときに感じる「どんより」より、やや軽くて緊張感も少ないといったようなことを観察しましょう。
②声に出して分析する
感情に名前がついたら、どうしてその感情が生まれたのかを声に出して分析してみましょう。そのときに「私」とか「自分」といった単語を、すべて自分の名前に変えてみてください。
例えば先程例にあげた「日曜日のどんより」だったら、次のように語ります。
「毎週、日曜日のどんよりを感じるのは、会社に行くのを真司が面倒だと思っているからだろう。今の仕事は嫌いではないけれど、日々成長の実感がなくて少し退屈していることも原因の一つかもしれない」
声に出して分析するテクニックは、スポーツ選手が試合中に使うテクニックとして知られています。声に出すことで客観的に自分を見つめることができ、失敗などからくるモチベーションの落ち込みを防ぐことができると言われています。
また自分の名前を使って、自分に呼びかけることも、感情から距離を取るときに効果があるものです。
分析の結果、どんよりした気持ちを改善するためのポイントが見つかったら、感情に付けた名前とともに記録し、日々の生活の中に取り入れてみましょう。原因に対処することで、長期的には憂鬱な気持ちが減っていくかもしれません。
③自分を癒すものを集める
どんよりとした気持ちをなだめ、行動に向けて誘導してくれるものを試し、自分なりのリストを作成しましょう。
自分を慰めてくれるものは、以下のようなものだと、英国の心理学者のジュリー・スミス氏は書いています。
・温かな飲み物
・信頼できる友人や愛する人とのおしゃべり
・体を動かすこと
・心を落ち着かせる音楽
・美しい画像
・ゆっくりした呼吸
・リラックスするための技術
・安全や快適と結びつく香りや香水
『一番大切なのに誰も教えてくれない メンタルマネジメント大全』(河出書房新社)
ネガティブな感情に包まれた自分を癒してくれるモノを持っていない場合は、さっそく試しながらリスト化していきましょう。今の気持ちに合った音楽や香りを探すのは、ちょっとワクワクするかもしれません。
もし自分を癒すものが集ったら、まとめて箱に入れて保存しましょう。ツライ時に話を聞いてほしくなる友達の電話番号、つらい時にいれたい茶葉、音楽や画像を集めたUSBなどなど。
癒しグッズを箱にまとめられれば、次にネガティブな感情に見舞われたときも、きっと役立つはずです。
④未来のどんよりのために
どんよりした気分に苛まれることが、たびたびあるなら、その対処方法も試してみましょう。まず睡眠時間・健康的な食事・適度な運動を心がけましょう。自分の心に優しい生活に向けて少し動き出すだけで、ネガティブな感情の強さが変わってきます。睡眠時間を確保するだけで、もっと元気に過ごせるかもしれませんよ!
自分の感情や衝動、行動に注意を向けるようになると、本格的などんよりが訪れる前に対処できるようになります。例えば、どんよりがくる前日に自分を癒す音楽をたっぷりと聴くといった対処法です。
そのために取り入れたいのが、グーグルでも社員向けに実施されていた瞑想、マインドフルネスです。いまはマインドフルネスのための、音声やアプリなどもあります。継続するのが難しいといわれていますが、その効果については高く評価されています。
今日はどんよりした気分への対処法をまとめました。
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監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会
参考:『一番大切なのに誰も教えてくれない メンタルマネジメント大全』(河出書房新社/ジュリー・スミス)