自己批判をとめて自分に優しくなれる4つの方法

自分の行動を最も激しく批判しているのは誰ですか? もしかしたら自分自身ではありませんか? 自分の心に住む批評家に話しかけることで、あなたはもっと快適に過ごせるかもしれません。その方法を紹介します!

  • 批判的な独り言に要注意
  • 内なる批判は止められる
  • ネガティブな気持ちになったときには

批判的な独り言に要注意

「本当に私はダメだ」とか、「オレって使えないやつだな!」といった独り言を口にしているようなら要注意です。もしかしたら最も手厳しい評論家を、自分の心に住まわせていませんか?

自己否定を繰り返す人は、少なくありません。しかし自分の失敗を口汚くののしるといった姿勢が、メンタルヘルスにもマイナスの影響があるのを知っていますか? ネガティブな独り言を繰り返すと、ストレスホルモンが分泌されて免疫力が下がるといった報道もあります。

もしあなたを批判するような態度の人が職場にいたら、どんな影響があるのか考えてみましょう。多くの人は批判されないように、リスクにつながる行動を避け、職場の積極性は失われていくでしょう。パワハラに耐えかねて仕事を辞める人も出るでしょうし、メンタルを病んでしまう人がいるかもしれません。

同じようなことが、自分の心でも起こってしまうかもしれません。「パワハラ」の影響は、自分の内側でも起きてしまうのです。

内なる批判は止められる

内なる批評家は完璧主義であることも多いようです。どんなに頑張っても自分を認めません。些細な問題点を探し出して責めたてます。その結果、何もやる気なくなるといったことも起きてしまいます。

そんな時には口うるさい批評家と和解してみてはいかがでしょうか。心理学者のネリシャ・ウィクラマシンゲは、内なる批評家を理解し、過度に攻撃されないよう和解をすすめています。その対策法から4つ紹介しましょう。

①批評家の活動時期を知る
内なる批評家は、常に怒鳴り続けているわけではありません。活発に活動する時期が、ある程度決まっているものです。そのタイミングを把握しましょう。彼らが怒り始めるのは、どんなシチュエーションでしょうか? 

最初にすべきは、内なる批評家の行動を意識することです。

②どうして批判するのか考える
彼らが批判し始めるタイミングがつかめたら、批判がなぜ起こるのかを考えてみましょう。

ミスが許せない批評家もいれば、努力が足りないことに厳しい批評家もいるでしょう。あるいは特定の人の機嫌を損ねないように注意を払う批評家もいるかもしれません。いずれにせよ、彼らの我慢ならない原因と理由がわかれば、自分が何を気にしているものがわかります。それは、得てしてこだわる必要がないものだったりするものです。

③批評家に旧知の友人のように話しかける
「そんなに怒ってどうしたの」と批評家に声をかけ、彼らとは違った見方について静かに話してみましょう。そんなに完璧さにこだわらなくてもいいことや、家族の機嫌を取り過ぎる必要がないことなど、優しさや思いやりを持って別の視点を示してみましょう。

④心の中に委員会をつくる
批評家が暴れ回って手が付けられないと感じたときは、委員会を作ってみましょう。委員は映画の出演者でも実際の人物でも構いません。心優しい仲間を思い浮かべて、どんどん自分を擁護してもらうようにします。

ネガティブな気持ちになったときには

批評家が活発に活動して気分が落ち込んでくると、物事をより悪い方に考えがちです。だからこそネガティブな思考を刺激するものに近づかないようにすることも重要です。

ネガティブな言動の人、批判的な内容のSNSといったものに近づかないことで、さらに落ち込むのを防ぐことができるかもしれません。

自分の内側から湧き上がる批判を抑え、自分に自信が持てるようになり自己効力感が増していけば、創造性も対人関係能力も高まると指摘した書籍もあります。自分を攻撃する内なる批評家の活動を、「いつものことか」と放置しないで、しっかり対処することで、より楽しく暮らせるようになるかもしれません。

ほんの少しだけ、自分の心の中に住む批評家対策に時間をかけてみませんか?

日々の生活に使える心理学の活用法に興味のある方は、こちらもご覧ください。

監修:日本産業カウンセラー協会

参考:How to Relegate Your Inner Critic(elisha Wickremasinghe, DProf./Psychology Today)/「ネガティブ独り言 心身に悪影響で認知症リスク高める可能性」(『週刊ポスト』2019年4月15日)/『人と組織を変える自己効力』(林伸二/同文舘出版)

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