幸福感がアップするお金との付き合い方

お金と幸福には、どんな関係があるのでしょうか?稼げば稼ぐだけ幸せになると思っている人もいるかもしれませんが、それはちょっと違うようです。むしろ性格に合わせた使い方がポイントのようです。

  • 稼いでも幸福感はさして変わらない!?
  • 寄付をすれば幸福に
  • ビッグファイブって?
  • 性格ごとに違う幸福なお金の使い方

稼いでも幸福感はさして変わらない!?

2010年に米国で実施された調査によれば、年収7万5000ドル(約800万円)までは収入が増えれば増えるほどに幸福感が上がっていました。しかし、それ以上増えても幸福度はあまり変わらないことがわかったのです。つまり幸福だけを追求するなら、7万5000ドル以上稼いでも仕方ないというわけです。

もちろん、この研究結果をそのまま日本人に当てはめるわけにはいかないのですが、ある程度の年収で幸福度に限界がくることは間違いないでしょう。

さらに年収が2倍になっても、幸福度は9%しかアップしないという研究結果や、『死ぬ時に後悔する25のこと』という本でも「仕事ばかりで趣味に時間を割かなかったこと」がリストアップされていたりと、幸福と収入は必ずしも一致しないことはわかっています。

別のお金と幸福感についての研究では、高収入の人は収入が少ない人より幸福な経験をする回数が増えるものの、幸福感の強さについては収入の多寡とは関係がなかったという結果もあります。

確かにお金を持っていれば、旅行や外食などに行く機会は増えるかもしれません。しかし人生全般の幸福感が上がるわけではないというのは納得の結果でしょう。

寄付をすれば幸福に

では、人はお金とどのように付き合っていくべきなのでしょうか?

スウェーデンのリンショーピング大学研究チームは、自分自身にお金を使うより、他人にお金を使った方が幸せになることを発見しました。しかも寄付は匿名でも幸福感を上げることも確認されているのです。つまり誰かに称賛されるから幸福度がアップするのではなく、あくまでもお金の使い方で幸福度が変わってくるのです。

自分の車を止めているパーキングメーターにお金を入れるより、他人の車のパーキングメーターにお金を入れた方が幸福度が上がるという実験などは、ちょっと面白いと思いませんか?

ビッグファイブって?

どのようにお金を使えば幸福になれるのかを、もっと細かく調べたのがケンブリッジ大学の研究チームです。625人が参加した調査によれば、「ビッグファイブ」と呼ばれる性格特性ごとに幸福感が強まるお金の使い方が違っていたのです。

そこで、まずビッグファイブを説明していきましょう。

「ビッグファイブ」は人の性格を構成する5つの要素です。この5つの強弱で性格が決定されているという考え方で、現在の心理学で最も信頼されている性格の分析方法です。

その5つの要素は、積極性や社交性などを示す「外向性」、思いやりや献身さに表れる「協調性」、規律や良心、慎重さに「誠実性」、ストレスを訴えるなど情緒面での不安さと関連する「神経症的傾向」、好奇心や冒険心、審美眼などを表す「開放性」です。

どの性格特性が強いのかを知りたい人は、Webでも無料のものがあります。正確に検査するのは、かなり時間がかかりますが、10個の質問で大まかな傾向を知ることもできるので、検索してみてください。

性格ごとに違う幸福なお金の使い方

それでは5つの性格特性は、どのようにお金を使うと幸福度が上がるのでしょうか?

①外向性
積極的に外に出て人とかかわるタイプである「外向性」が高い人は、エンターテインメントや旅行にお金をかけるといいでしょう。逆に保険などに充てると幸福感が下がるそうです。

②協調性
共感しやすく、他人に協力的なタイプである「協調性」の高い人は、慈善団体への寄付やペットにお金を費やすといいでしょう。逆にギャンブルにお金を使うと幸福感が下がるそうです。

③誠実性
規律や良心を重んじるタイプの人は、運動に健康に投資しましょう。逆におもちゃやギャンブル、趣味にお金を費やすと幸福感が下がります。

④神経症的傾向
心配しやすかったり、落ち込みやすかったりしますが、創造性が豊かな「神経症傾向」の高い人は、ギャンブルが幸福感を刺激するようです。逆にホテルに泊まったり、文房具にお金を使うと幸福感が下がるようです。

⑤開放性
好奇心旺盛な「開放性」の高い人は、エンターテインメントや美容にお金を使うといいようです。逆に住宅ローンの返済などに充てると幸福感が下がるようです。

今日はお金と幸福感についてまとめました。自分が幸福感を感じるお金との付き合い方を、この機会に考えてみるのもいいかもしれませんね。

日々の生活に使える心理学の活用法に興味のある方は、こちらもご覧ください。

監修:日本産業カウンセラー協会

参考:「Spending for smiles: money can buy happiness after all」(University of Cambridge)

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