気づけば世の中、学校も職場も土曜日曜の完全週休二日制は当たり前になっています。しかもプレミアムフライデーが導入されたおかげで、月末は金曜日の午後からすでに連休感が!
プレミアムフライデーなんかには縁がないという人もきっといることでしょう。サービス業ではないにもかかわらず、「隔週土曜出勤」や「土曜日は午前中だけ出勤」といった就業規則になっているケースです。
完全週休二日制と隔週土曜出勤では、ざっくり計算しても年間に25日ほど休日日数に差があることになります。「人並みに休みが取れないってことは……法律違反じゃないの!?」と、思った人もいることでしょう。しかし、一概に法律違反とはいえません。関連する労働法を覗いてみましょう。
- 労働基準法では労働時間を「1週40時間」と想定
- 定時が9時から20時までで、週休3日制っていうのはアリ?
- 週40時間に満たなくても、週一日は休日が必要
- 転職の際にも休日日数はきちんと確認しよう
労働基準法では労働時間を「1週40時間」と想定
労働基準法には、「使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない」とあります(32条)。そして、労働時間が週40時間を超えるような場合は、あらかじめ社員や労働組合の過半数と「時間外労働協定(36協定)」を結ぶことで、残業や休日出勤ができるようになっています。
つまり、私たちが当たり前に残業や休日出勤を行っているのは、36協定があるからなのです。ただ、労働時間が週に40時間を超えるような場合は、残業代として割り増しされた料金が給与に加算されなければなりません。一日8時間労働なら、週5日の出勤でちょうど40時間となります。定時以外に労働するなら、その全てが残業代の対象です。
よくある「9時5時仕事」の人は、お昼に1時間の休憩時間を挟めば、労働時間は一日7時間です。週5日きっちり働いても、総労働時間は35時間。つまり会社側は、週にあと5時間の労働を残業代なしであなたに課すことができます。隔週土曜や、土曜午前の出勤が生じるのは、そんなわけなのです。
定時が9時から20時までで、週休3日制っていうのはアリ?
「週4日、10時間労働を頑張るから、週休3日制にしてほしい」という人もいるでしょう。しかし、労働基準法には、「使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。」(32条)とあります。残業は別として、「定時」が一日8時間を超えるような労働契約は、原則としてできません。
ただし、変形労働時間制やフレックスタイム制が取られている人は、ある程度自由に労働時間を設定することができます。
週40時間に満たなくても、週一日は休日が必要
では、週40時間の範囲内であれば、使用者は休みなしで働かせても良いということになるのでしょうか。一日5時間、週7日で35時間の労働になります。労働者側がもっと働きたいと言ってくれれば、残り5時間を超えた分は残業代をプラスすればいいわけですが、そのようなエンドレス出勤は可能なのでしょうか?
答えはノーです。労働基準法には、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与えなければならないという規定があります。その規定を超えて休みなく働くのは労基法から外れてしまうことになります。もしあなたがワーカホリックで、自主的に規定を超えて働き続けたとしても、会社に労基法違反をさせてしまうことになってしまいます。
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転職の際にも休日日数はきちんと確認しよう
転職を考えているなら、「事務仕事だから」「営業だから」「サービス業じゃないから」、完全週休二日制だろうとは安易に考えず、きちんと休日日数を確認することが重要です。もちろん、「一日にそんなに長く働きたくない」というなら、定時の短い仕事を積極的に探すのもよいかもしれません。自分のライフスタイルに適した企業かどうか、休日日数からも判断してみましょう。
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