妊娠すると、喜びの反面、「仕事をどのくらい休むことになるのだろう?」という不安が頭をよぎる方もいるのではないでしょうか。赤ちゃんの世話に集中したいけれど、今後の仕事への影響が気になって復帰時期に迷われることもあるかもしれません。
- 育休はぴったり1年、産休とつなげれば1年と1ヶ月半くらい
- 育休期間は最大2年まで延長可能
- 育休中のお給料ってどうなるの?
- 正社員じゃなくても育休が取れる?
- 男でも育休が取れる?
- 日頃のコミュニケーションで「タイムスリップ」を防ぎスムーズな復職を
育休はぴったり1年、産休とつなげれば1年と1ヶ月半くらい
育休についての法律規定は、育児・介護休業法にあります。第5条によると、育休を取れるのは、「原則として子が出生した日から子が1歳に達する日(誕生日の前日)までの間で労働者が申し出た期間」です。育休の前には産休を取っていることでしょうから、開始日はあまり考えなくてもよいとして、ざっくり「子どもの1歳の誕生日の前の日まで休める」と考えましょう。
出産予定日の6週間前から、そして出産の8週間後までは産休を取得できるため、キッチリ予定日に生まれたとすると、産休・育休の期間は「1年と6週間」ということになります。つまり合計1年と1ヶ月半くらいは、出産と育児に集中することができるのです。
一方、出産が早まるとちょっと、お休みは少なくなります。産後休暇は出産の翌日から8週間ですから、単純に出産が2週間早いと、お休みの期間も2週間短くなってしまうのです。逆に出産が遅ければ遅いほど休暇が長くなりますが、妊婦にとっては早めに生まれることや、予定日を超過してしまうことの方が休みの長い短いより気にかかることかもしれません。
育休期間は最大2年まで延長可能
育休は、会社側に当人が申し出ることによって延長可能です。つい最近までは「1歳6ヵ月までは延長可能」となっていましたが、平成29年10月に育児・介護休業法が改正され、保育園などに入れないといった事情がある場合には、2歳の誕生日まで延長可能となりました。
育休中のお給料ってどうなるの?
育休中の給与については、基本的になしとしている企業が大半でしょうし、法律もそれを認めています。ただし、雇用保険に12ヶ月以上加入していれば、育児休業給付金が出ます。
給付金の金額は、もらっていたお給料の金額によって違います。育休開始時から6ヶ月目まではお給料の67%、6か月以降は50%程度が支給されます。ただしこの給付金には所得税や社会保険料がかからないため、見た目の手取り額は実際の割合よりも多いといえます。
正社員じゃなくても育休が取れる?
契約社員や派遣社員の人は、「正社員と同様に育休が取れるの?」と疑問に思うことでしょう。取得できる労働者の要件は、明確に決まっています。要件は、次の通りです。
・事業主に1年以上雇用されているとき
・子が1歳6ヶ月になるまでに、雇用契約が終了することが明らかでないとき
(2歳まで育休を延長したいときは、子が2歳に達する日まで)
・日雇い労働者ではない
・1週間の所定労働日数が2日以上
また、1週間の所定労働日数が2日未満であっても、労使で合意があれば育休を取得することができます。
男でも育休が取れる?
育休は、男女を問わず取得することができます。また、父母両方が育休を取得するときは「パパ・ママ育休プラス」制度が適用され、延長願いを出すことなく育休期間が1年2ヵ月に延長されます。男女が半年ずつ育休を取ることが可能です。
日頃のコミュニケーションで「タイムスリップ」を防ぎスムーズな復職を
育休の難所は、「取得するときよりも戻るとき」であるとよく言われます。育児に集中している間に、仕事へのモチベーションがなくなったり、復帰に自信がなくなったり、様々な理由で、そのまま退職してしまう人が少なくないようです。
やる気や自信を保つには、育休中もメールやチャットで仕事の仲間とコミュニケーションを取るのもおすすめです。「育休中も、仕事を忘れてはいけないの?」と思うかもしれません。でも、家庭も大事なら、仕事も大事。だからこそ退職ではなく、育休を取ることを選んだのですから。
仕事へのスムーズな復帰のために、月に一度でも職場の仲間や同僚と情報共有をしてはいかがでしょうか。復帰後、タイムスリップをしたかのような疎外感を感じることがないように、無理のない範囲でできることをやってみましょう。