残業代は全部割り増し料金じゃなきゃ違法?

企業の残業代未払いでメディアが賑わうと、「ウチはちゃんと計算してくれているのかな?」と、少し不安になりませんか? 給与明細を確認してみるその前に、まず残業代についての知識をつけておきましょう。そもそも残業代はすべてが割増料金になるわけではないって、知ってましたか?

  1. 給料明細を見てみたら……残業代が割り増しじゃないところがある?
  2. 残業代が割増料金にならない場合
  3. 残業代が通常の範囲での割増料金になる場合
  4. 残業代が大きく割り増しになる場合
  5. タイムカード片手に、毎月チェックしよう

給料明細を見てみたら……残業代が割り増しじゃないところがある?

給与明細とタイムカードを照らし合わせながら自分で計算してみると、「残業代が合わないかも!」と思うことがあります。でも、実際には面倒だったり忙しかったりで、ついつい確認せずに放置してしまう人もいるかもしれません。

実は、自分で計算すると残業代が合わないのは、残業代についての知識を詳しく得ていないからかもしれません。残業代はすべて割増料金になるわけではありませんし、割増率も時間によっては変わってきます。労働基準法で定められた残業代について確認しましょう。

残業代が割増料金にならない場合

残業代が割増料金にならないのは、法廷時間内の労働だった場合です。労働基準法で定める一日の法定労働時間は8時間ですが、例えば9時から17時までを定時として働いている場合、休憩時間を1時間挟むと一日の労働時間は7時間になります。その後、1時間残業をしても、通常の時間給が支払われるだけで割増料金にはなりません。法定労働時間を超える9時間目からは、割増料金の対象となります。

ただし、これはあくまで法律で定められた基準であり、会社内に別の規定があれば従うことになります。残業をするにあたって何らかの手当を措置している企業は多いでしょう。就業規則を確認してみる必要があります。

残業代が通常の範囲での割増料金になる場合

通常、残業代の割増料金は、時間給×1.25倍です。法定労働時間を超えて労働し、また、深夜10時までの残業であれば、時間給の1.25倍が支払われます。もっとも、労働基準法においては「1.25倍以上」とあるため、会社の規定によってはこれ以上の倍率となる場合もあるでしょう。

例えば時給1500円、「9時5時」仕事の人が、残業で10時きっかりに上がったとすると、求められる残業代は以下の通りです。

・17時から18時まで…… 残業代 1時間1500円 × 1時間 = 1500円

・18時から22時まで…… 残業代 1時間1875円(1500×1.25) × 4時間 = 7500円

・一日の残業代合計 9000円

1日に5時間もの残業が続くのは問題です。過労死ラインと呼ばれる月80時間を超えないよう、自分の残業時間を把握しておくことは大切です。

残業代が大きく割り増しになる場合

残業代が大きく割増しになる場合があります。それは、22時を超えて労働を行った場合です。22時以降、朝の5時までは、労働基準法では深夜労働とされ、時間給の1.25倍以上が支払われると定められています。

注目したいのが、残業であろうと、残業でなかろうと、深夜労働が課される場合はつねに通常の1.25倍が支払われることです。つまり、夜勤労働で17時から25時までが定時であった場合は、17時から22時までの時間給と、22時から25時までの時間給が違うということになります。月給で働いているとわかりづらいですが、実際はこんな賃金の仕組みになっているのです。

さらに、深夜労働であり、かつそれが法定労働時間を超える残業だった場合には、また時間給がアップすることになります。深夜労働が時間給の1.25倍、残業の割り増し分も1.25倍ですから、合計で1.5倍の割増料金がもらえます。

例として、「昼の12時から20時までが定時(つまり7時間労働)で、その後23時まで残業をした」人の、一日分の残業代について計算してみましょう。時給は1500円とします。

・20時から21時まで(法定労働時間内)…… 残業代 1時間1500円 × 1時間 = 1500円

・21時から22時まで(法定労働時間外)……残業代 1時間1875円(1500×1.25) × 1時間 = 1875円

・22時から23時まで(法定労働時間外で、かつ深夜労働)……残業代 1時間2250円(1500×1.5) × 1時間 = 2250円

・一日の残業代合計……5625円

このように、残業代は時間帯によっても違ってきます。

タイムカード片手に、毎月チェックしよう

とくに日勤と夜勤が混在した働き方をしている人は、残業代の計算が複雑になります。企業によっては、「毎月5万円分の残業代をあらかじめ給与に含む」といった、「みなし残業制」を採用しているところもあるでしょう。しかし、みなし残業制であっても、あらかじめ付された残業代を超えるような働き方をすれば、超過分は支払われなければなりません。

残業代がきちんと計算されているかどうか、タイムカードを見ながら毎月チェックしてみましょう。タイムカードは月末に改宗されてしまうという人は、事前コピーを忘れずに。それもできなければ、退勤時間を記録するアプリなどを使って、上手に管理することをお勧めします。

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