ブラック会社だということに、入社してはじめて気づくケースも少なくありません。特に夜遅くまで働かされ、かつ残業代がイマイチ支払われない会社で、よく使われるのが、「ウチはみなし残業制だから残業代は一切出ないよ」です。
でも、それって間違っているケースがほとんどです。ブラック企業に心身共に追いつめられないためにも、みなし残業制についてしっかり知っておきましょう。
- まずは固定残業代の金額と時間を確認する
- みなし残業制で、想定されている残業時間を超えた残業代はどうなる?
- 「給料出てるんだから、想定されてる残業時間分は働け」も間違い
- 「先月は残業してないから、今月はそのぶん働かなきゃ」もおかしい
- 上司も勘違いしているかも! 早めの確認が吉
まずは固定残業代の金額と時間を確認する
就業規則や雇用契約書をよく見てください。みなし残業を導入しているのであれば、給与関係の項目に固定残業代についての記載があるはずです。例えば、「月給25万円(30時間分の固定残業代5万円を含む)」など。
地域によって格差はありますが、最低賃金を下回っていないかを確認しておくことが必要です。「月給20万円(40時間分の固定残業代3万円を含む)と記載してある場合、一時間当たりの残業代は750円です。自分の地域の最低賃金と比較してみてください。
また、労働基準法に基づく「36(サブロク)協定」では、一ヶ月における残業時間の上限を45時間と定めています。よって、45時間以上の固定残業代は違法となるケースがあります。
みなし残業制で、想定されている残業時間を超えた残業代はどうなる?
月々の固定残業代に対して、実際に自分がどのくらい残業をしているのか確認してみましょう。みなし残業制でも、想定されている残業時間を超えた場合、残業代が支払われなければなりません。
みなし残業を行う会社でよくあるのが、タイムカードがないケースです。そうした場合でも労働時間は自分できっちり管理してみましょう。また、深夜労働手当や休日出勤手当は、「みなし」扱いにはなりません。残業実際の労働時間に基づき、別途の支払いが必要となります。
「給料出てるんだから、想定されてる残業時間分は働け」も間違い
みなし残業制を採用する場合、固定残業代は毎月必ず支払わなければなりません。つまり、残業時間がゼロであったとしても、固定残業代を含んだ給与の全額を受け取る権利があるのです。
「給料出てるんだから、想定されてる残業時間分は働け」なんて言われて、毎日必要のない残業を続けているとしたら、それは必要のない労働です。
「先月は残業してないから、今月はそのぶん働かなきゃ」もおかしい
みなし残業の場合、固定残業代はそのぶん働いていなくても確実に支払われる給与です。よって、今月は残業が少なかったからといって、翌月で帳尻を合わせるように長時間労働をする必要はありません。「先月は残業してないから、今月はそのぶん働かなきゃ」との思い込みは、間違いです。もし、あなたがそうした思い込みで残業をしているなら、やめましょう。あなたの行動が周りの人を帰りにくくさせているかもしれません。
上司も勘違いしているかも! 早めの確認が吉
「みなし残業だから、残業代はナシ!」と言い張っているような上司こそ、働き過ぎて胃が悪そうな顔をしている場合も多いのです。上司自身、思い違いをしているケースもあるかもしれません。自分たちはもちろん、上司や部下の労働環境を改善するためにも、疑問を覚えたときは早めに上司や総務などに確認してみましょう。