【テスト付き】心が折れそうなときに試したい 心理学最新テクニック

心が折れそうなとき、どうやって自分を支えていますか?最近発表されたチューリッヒ大学の研究が、土壇場の自分を支えるヒントになるかもしれません!ピンチを逆転するテクニックを、ぜひ覚えていってください。

  • 成功体験を思い出す
  • 自己効力感をテスト
  • テストで点数が低かった人は?

成功体験を思い出す

コロナ禍にあって、ままならないことも多いことでしょう。未曽有の危機なので、将来的な見通しも立ちにくい。そうした状況の中、どうすれば気力を取り戻し、未来に向けて立ち向かえるようになるのでしょうか?

チューリッヒ大学では、つらい記憶に悩んでいる75人を調査。悲惨な記憶を思い出して再評価する前に、どんなことをすればいいのかを実験しました。一つのグループには、過去の美しい経験や楽しい人との出会いなど前向きな出来事を思い出してもらいました。そしてもう一つのグループには、努力によって物事を成し遂げた過去の記憶を思い出してもらいました。

その結果、自分の成功体験を思い出したグループは、前向きな出来事を思い出したグループよりも、はるかに高い効果があったことを発見したのです。成功体験をしっかりと思い出した人たちは、過去のつらかったネガティブな状況を再評価して、別の視点から捉え直すことにも成功したそうです。

危機的な状況に対処し、精神的な回復を促す方法として、この研究結果は活用できると、チューリッヒ大学の研究チームは報告しています。

自己効力感をテスト

実験で思い出させた過去の成功体験は、「自己効力感」につながっている記憶です。自己効力感とは、自分ならできると信じられる気持ち。どうにかなる、できるという感覚です。

望む結果を出すためには、この自己効力感がとても重要になってきます。そもそも「できる」と思えないと、チャレンジすらしにくいからです。逆に必ずどうにかできると思えれば、多少の失敗などものともせずに突っ走ることができます。

では、あなたの自己効力感は、どれぐらい強いのでしょうか? テストしてみましょう。

以下の10個の質問に、当てはまる番号を付けてみてください

①全く当てはまらない
②やや当てはまらない
③やや当てはまる
④完璧に当てはまる

【質問】
1.一生懸命頑張れば、難しい問題も自力で解決することができる
2.誰かに反対されても、自分が欲しいものを手に入れるための手段と方法を見つけることができる
3.目標に集中すれば、達成するのは難しくない
4.予期不能な状況になっても、効率的に対処できる自信がある
5.機転がきくので、予想外の状況にも対処できる
6.必要な努力をすれば、ほとんどの問題を解決できる
7.自分の問題解決能力を信頼しているので、困難な状況にも冷静に対処できる
8.どんな問題に対しても、複数の解決策を見つけることができる
9.トラブルに巻き込まれても、たいていは解決策を思いつく
10.何が起きても対処できる

答えたら、①~④の数字をそのまま足してみましょう。
(「General Self-Efficacy Scale〈GSE〉」〈Schwarzer&Jerusalem〉)

平均は20.22ポイントです。
(翻訳によって点数が変わるので、参考程度とお考えください)

平均より高い人は困難な状況に強く、逆に低い人は落ち込みやすいといえるかもしれません。


自己効力感に興味のある方は、こちらの記事もおすすめです。

自己効力感とは?モチベーションや成果に影響するセルフ・エフィカシーを解説
モチベーションを取り戻す4つのテクニック
忍耐強く行動できるための方法って?


テストで点数が低かった人は?

上記のテストで自己効力感が平均より低かった人も、小さな成功を積み重ねることで自己効力感をアップさせることができます。例えば、仕事を小さく分けて、着実に成功を積み重ねられるように工夫してみましょう。

また、過去の成功体験を書き出して、そのときの状況や感情をしっかりと思い出してみるのもいいかもしれません。さらに人から励ましてもらいましょう。期間限定でほめてもらうといった方法でも、いいでしょう。また自己効力感が高い人の言動をマネるといった方法も有効です。

いま現在、心が折れそうだと感じているなら、まず過去の成功体験を思い出し、現状の危機も乗り越えられるという意識をつくりあげていきましょう。その上で、さらに自己効力感を高めるように時間を割いてみてください。

少しでも自信を取り戻せば、違う角度から現状を見直すことができるかもしれません。

心理学を日々の生活に活用することに興味のある方は、こちらもご覧ください。

参考:「General Self-Efficacy Scale(GSE)」(Schwarzer&Jerusalem)/「Reflecting on your own capabilities boosts resilience」(Science Daily)/『人を伸ばす力』(エドワード・L・デシ リチャード・フラスト/新曜社)

関連記事

根性に頼らないで精神的に強くなるちょっと意外な方法8選... 精神力を高めたいと思う人は多いことでしょう。しかし「根性を鍛える」といった方法が性に合わない人は、どうすれば精神力を鍛えられるのかはわからないもの。そこで根性を必要としない、ちょっと意外な精神力の鍛え方をまとめてみました。 柔軟性も精神力の強さに通じる アドバイスを求める ...
ひっそりと他人のエネルギーを奪う人に要注意... パワハラに対する意識も高まり、少なくとも職場ではパワハラが許されないという認識が広まっています。しかしパワハラやいじめとも言えない微妙な形で、他人のエネルギーを奪うタイプにも注意が必要です。 会うと疲れる人 マウンティング 無礼な人 会うと疲れる人 何だか...
レジリエンスが高い人の特徴を知って精神的な強さを手に入れる... 「レジリエンス」という言葉を聞く機会も多くなってきています。一方で、どんな特徴がある人のことを指すのか、いまいちわからない人もいるでしょう。そこで今回はレジリエンスが高い人の特徴をまとめてみました。 レジリエンスの高い人には特徴がある!現実を直視して対処するセルフモニタリングができる...
落ち込みにくい自分になる! 心と環境と行動の整え方... 落ち込んでしまって何も手が付かない。そんな時期があるのはあたりまえでしょう。ただ、その回数が必要以上に多いと感じたなら、打たれ強い自分になるための努力を始めてもいいかもしれません。今日は落ち込みにくい自分をつくる方法を紹介します。 無理にポジティブにならない内面を鍛える3つのポイント...
問題解決に知っておきたいテクニック3選... 問題解決をしようと思っても、なかなかうまくいかないこともあるでしょう。どうにか解決したいと焦るけれど、イマイチ解決法が思いつかない。そんなときに試したいテクニックを紹介しましょう。 ①チャンスに変える②一人ブレーンストーミングでアイデアをひねり出す③「コア・プロジェクト」を知る ...

働く人の心ラボは、働く人なら知っておきたい『心の仕組み』を解説するサイト。
すぐに応用できる心理学の知識が満載の記事を配信しています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です