なんだか「むなしいな」と思うことはありませんか?周りの人は輝いて見えるのに、自分はどうもイマイチ……。そんな日々が少し続いたときには、そのむなしさに対処した方がいいかもしれません。今日はむなしさへの対策法を紹介します。
- むなしさは大切なサインだった
- 人生を変えるのは行動の意味
- 浸るのをやめる
- あえて丁寧に取り組んでみる
むなしさは大切なサインだった
仕事で失敗したり、体調不良だったり、寝不足だったり……。ちょっとしたことで気分が乗らなくなり、むなしさを感じてしまうことは誰にでもあるでしょう。でも、むなしさに対処しようともがいても、なんだか空回りしていると感じたら、どうしてむなしいのかを考える時期かもしれません。
精神科医の水島広子氏は、自著で次のように書いています。
むなしさは「生き方を変えたほうがよい」というサインであり、今の生き方では生命力がどんどん落ちてしまう、ということを知らせてくれているのです。(『「むなしさ」を感じたときに読む本』KADOKAWA)
確かに、どうしても気持ちが付いてこなくなったときは、生き方を変える必要があるのかもしれません。とはいえ、いきなり仕事を辞めたり、家庭を放り出したりする必要はありません。
水島氏は、むなしさを感じているのは
「価値観を変えるとき」(『「むなしさ」を感じたときに読む本』KADOKAWA)
とも表現しています。
人生を変えるのは行動の意味
精神科医フランクルは、人は意味を求める存在だと指摘しています。同じ行動でも意味の違いによって、モチベーションも当人の満足度も大きく変わってくるからです。
この有名な逸話が、レンガ職人の話でしょう。
一人のレンガ職人は、自分の仕事について「石を運んで積みあげるだけの仕事だよ」と答え、もう一人の職人は「教会を建てるために石を積み上げているんだ」と答えました。自分の行動にプラスの意味を感じ取れず、ただ石を運んでいるだけと考えるなら、むなしくなっても仕方ないかもしれません。しかし教会建設のためだという意味づけがあれば、その人にとっての仕事の重要性は、大きく変わります。
そこで現在の仕事や生活の意味について、改めて考えてみましょう。
例えば惰性でこなしていた仕事が、自分にとってどんな意味があるのかを考えてみるのです。自分を成長させてくれるような側面がないのか、社会的な意義はないのか、しっかりと考えてみましょう。
家族と一緒に過ごす時間が、将来的にどれぐらい取れるのかを考えるのも一つの方法でしょう。親の老化や子どもの成長など、現在と同じような状況がずっと続くわけではありません。その上で自分にとって家族はどんな存在なのかを捉え直すと、これまでと違った行動を取りたくなるかもしれません。
もし自分で思いつかないようなら、友人や家族に聞いてみてもいいでしょう。使命感を持って行動するためのヒントを集めてみましょう。
浸るのをやめる
じつはむなしさを感じたとき必要なのは、生活の意味について考えることだけではありません。
むなしさに浸るのをやめる必要があります。
むなしいと感じると、ついつい現実逃避に走りがちです。そしてモチベーションのないままに現実逃避をすると、問題がさらに積みあがってしまうのです。
水島氏は、むなしさを感じているときには、とにかく「今」に集中するようにとアドバイスしています。もちろん以前のようには、モチベーション高くはこなせないし、集中できないかもしれません。そんなときは、周辺の雑事を片付けたり、周りの人に与える行為をしてみるといいそうです。
例えば、仕事にむなしさを感じている人は、次のような行動をしてみましょう。
・デスクを片付ける
・過去の書類を整理する
・パソコンのモニターを拭いてみる
・職場のみんなにお茶を入れてみる
手を付けやすい行動がありましたか?
あえて丁寧に取り組んでみる
さらに「つまならい」と思えることを丁寧に取り組んでみるのもいいようです。例えば、仕事がつまらないと感じているなら、あえて丁寧に仕事をしてみるのです。
人は自分が与えるものを受け取るもの。「つまらない仕事」と思いながら行うと、自分自身を粗末にすることになりますし、丁寧に仕事をすると、自分自身のことも丁寧に扱うことになるのです。(『「むなしさ」を感じたときに読む本』KADOKAWA)
効率的に処理するために、雑になっていった仕事を、あえて丁寧にやってみるのもいいかもしれませんね。そして「やりたいこと」を見つけるために走り回るよりも、やってみたいことが見つかるまでは日常を穏やかに過ごすことが重要だとも、水島氏は指摘します。
実際、しっかりした日常があれば、やりたいことにも安心してチャレンジできます。失敗しても戻れる「日常」があることは、「自分らしい人生」を基礎となるのです。
心理学の知識を活用して、もっと自分らしい人生を送りたいと感じる人は、こちらもご覧ください。
参考:『「むなしさ」を感じたときに読む本』(水島広子/KADOKAWA)