心の底からがっかりする体験は、誰にでもあるでしょう。失望を超えて絶望的な気分になることも……。そんなときに知っておきたい、失望から立ち直るためのポイントをまとめました。
- 失望後の衝動的な行動に注意
- 失望を絶望に変えない4つのポイント
失望後の衝動的な行動に注意
がっかりしてしまうことは、そんなに珍しいことではありません。自分に失望することもあれば、他人にがっかりしてしまうこともあるでしょう。恋人同士や夫婦間の失望は、けっこうなダメージになりがちです。
失望は期待の裏返しなので、期待していた分、その痛みも大きくなります。
がっかりした後だと、失望した人やチームにかかわるものが価値なく見えてしまうケースも少なくないそうです。突発的に手放したくなったりすることもありますが、後から後悔する可能性があります。少し落ち着きましょう。
コンペに落ちて関連資料をすべて捨てたくなったり、恋人に失望してプレゼントを廃棄したり売りたくなったら要注意です。がっかりした後には、衝動的な行動を取りやすくなることを覚えておきましょう。
失望を絶望に変えない4つのポイント
ロサンゼルスの心理学者であり、ベストセラー作家でもあるジェニス・ビルハウアー博士は、失望から立ち直るための4つのポイントを指摘しています。順番に説明していきましょう。
①失望の対象を広げない
がっかりすると、すべてに希望がないように感じてしまいがちです。
例えば、転職活動で手ごたえのあった企業に落ちると、その業界全体に適性がないようにも感じますし、将来的にずっと面接を突破できないと思うかもしれません。
しかし、一つの入社試験に落ちたからといって、次も落ちるとは限りません。もちろん同じ業界すべてに縁がないというわけでもないのです。
冷静に考えれば、そんなことは当たり前なのに、失望しているときは、その対象をついつい広げてしまいがちです。
まず、そうした思考を排除しましょう。
②すべてを自分のせいにしない
人間関係でも、ビジネスでも、失敗の原因は一つではありません。コンペに落ちた理由は自分の企画が悪かったという理由だけでしょうか? クライアントは安さを求めていたのかもしれませんし、強力なコネによって事実上、企業が決まっていたのかもしれません。
しかし、がっかりしているときには、とにかくすべての責任が自分にあるように感じてしまいます。それは現実にそぐわないだけでなく、失望感を深くします。失望した後に、すべてが自分の責任だと感じたなら、それを打ち消しましょう。
③現状が悪いと決めつけない
期待外れの状況が、最悪だとは限りません。いつのもの電車に乗り遅れたから、大きな事故を避けられたといった話はいくらでもあります。ビジネスがとん挫したから、新しい商機が見いだせたという話も聞いたことがあるでしょう。
そもそも期待した通りになることがベストなのかは、年月を経ないとわからないのです。「自分が望んでいなかったけれど、先を見てやろう」と思うことが大切です。「がっかりの結果だけど、プラスになることもあるかも!」と、現状を見直してみるのもお勧めです。
④失望から学んでみる
がっかりしたところで立ち止まるのではなく、失望を学びに変えてみましょう。ほとんどの成功は、失敗と改善の繰り返しから生まれます。どうすれば自分の期待通りの結果をものにできるのか考えることで、違った側面が見えてくるかもしれません。
もちろん自分の譲れない部分があり、それを理解する人がいないといった状況もあるかもしれません。あのビートルズでさえ、レコード会社と契約するまでに複数の会社から拒否されたのですから!
期待通りの結果を生まなかった理由を考え、ときに他人からアドバイスをもらいながら、状況をしっかりとらえ直してみましょう。
今日は失望で落ち込んでしまったときの対処法を紹介しました。
心理学を活用したライフハックに興味のある方は、こちらもご覧ください。
監修:日本産業カウンセラー協会
参考:「4 Ways to Recover From Life’s Disappointments」(Jennice Vilhauer Ph.D./Psychology Today)/「6 Ways to Bounce Back From Disappointment」(Susan Krauss Whitbourne Ph.D./Psychology Today)