私たちはどうしてもやる気が出ないときがあります。ときには、その理由さえわからず、どうにもできないと感じてしまうことも……。やる気のない状態からの立ち直り方と、落込みにくい生活スタイルをつくるヒントを紹介します。
- やる気が続く生活を構築する
- やる気がなくてもできる運動を見つける
- 目標日記をつける
- 自分を褒める
- できるだけタスクを分割する
- 失敗した自分に優しくする
- 人間関係を整える
- しっかり眠る
- 「どうにでもなれ効果」を抑え込む
やる気が続く生活を構築する
目標を設定し、日々の生活の改善に手をつけ始めたときは、誰でもやる気に満ちています。しかし時間とともにやる気は目減りしていき、ときには何もしたくないと思ってしまうことも。
もちろんやる気が出ない日があっても仕方ありませんが、その状態が続くのは問題です。せっかく続けていた将来のためのルーチンも止まってしまうからです。
最近ちょっとモチベーションが上がらないと感じるなら、やる気が続く生活スタイルをつくる8つの方法を試してみてくださいね。
①やる気がなくてもできる運動を見つける
身体を動かすことでやる気が湧きあがるのは、よく知られています。やる気がないときこそ、身体を動かす方がスランプからの脱出も早いもの。問題はモチベーションが落ちているときでも始められる運動を、多くの人が知らないことです。
気楽にできて、楽しいと感じられる自分に合った運動を見つけましょう。ヨガやダンスといったものも、やってみると意外と楽しいものです。準備がやや面倒かもしれませんが、ゆったりと泳ぐことも気分を上げてくれます。またゴルフなどのスポーツを定期的に楽しんでいるなら、打ちっぱなしなどの練習もお勧めです。
何も思いつかない場合は、サウナと散歩の組み合わせなど、楽しめる施設まで歩くといった「運動」もいいかもしれません。
やる気がわかない日があるのは仕方ありません。そんなときでも楽しめる運動を探しておくことは、モチベーションを取り戻す大切なテクニックの一つです。
②目標日記をつける
私たちは目先の利益に弱い生き物です。「いますぐ3万円もらえる」「1年後に4万円もらえる」のどちらかを選択してもらうと、「いますぐ3万円もらえる」を選ぶ人の方が多いのです。
ただ、そうした将来に繋がらない行動が、やる気を奪っていきます。逆に自分が達成したい目標に向けて一歩一歩進んでいると感じられれば、モチベーションを大きく失う可能性は低くなります。
そこで目標日記をつけて、日々目標に向かっている自分の状態を確認するようにしましょう。
ただ、まだしっくりくる目標を立てられていないなら、次のコラムを読んでみてください。
目標日記は簡単です。
朝、目標達成のためにその日にすべきことを1~2つリストアップし、その日の終わりに今日を振り返って簡単な感想を書きましょう。自分の重要な目標と日々の生活を、繋いでおくことが大切です。未来の自分に向かって投資し続けていることが、モチベーションをキープするポイントになります。
③自分を褒める
自分の行動に「できた」「すごい」と声に出してほめましょう。「朝起きれた。すごい!」「会議で意見が言えた。すごい」「メール送れた。すごい」などなど。自分の行動にプラスフィードバックを加えることで、やる気は1.6倍になるという研究結果がありますので、ぜひ試してみてください。ちょっとやる気が湧きにくいと感じたときは、とにかく自分を「できた」「すごい」で励ましてみましょう。
④できるだけタスクを分割する
やる気が出にくくなったと感じたら、タスクと細分化してみましょう。例えばプレゼン資料を作成しなければならないなら、「関連の法律を調べる」「関連の売り上げを調べる」「関係者へのヒアリング」など、小さなタスクに分解して一つずつ実施し、小さな成功を積み上げていきましょう。
これは目標に向けて動いている場合でも同じです。
モチベーションが湧かないときは、タスクをなるべく細かくして、小さな一歩を実感できるようにしましょう。「もう面倒だから、やめた」ではなく、「いつも通り英単語を覚えることはできかったけれど、テキストは開くことができた」と思えれば成功です。
⑤失敗した自分に優しくする
やる気を失う大きな要因の一つが、失敗から生まれる自己批判や羞恥心です。「こんな失敗するなんて、自分はダメな人間で、すべてから逃げ出したい」といった思いは、やる気を削いでいきます。
こうしたときに必要なのは、自分を受け入れ、慈しむ気持ちです。具体的には、親友が失敗したとき、自分がどんな言葉をかけるのかを考え、それと同じように自分に声掛けをしてみましょう。また、失敗をどのように今後の人生に活かしていくのかを考えましょう。
⑥人間関係を整える
スタンフォード大学の実験に、人間関係について考えるだけで、物事に取り組む忍耐力が50%も増加する研究結果があります。つまり自分にとって大切な存在がいるだけで、人は持続的に行動できるようになるのです。そうなれば落ち込んで、すべてを放り出したくなる可能性も低くなります。
自分にとって大切な人を思い浮かべ、その人と良好な関係を築けるように、日々努力しましょう。それがモチベーションアップに繋がります。米国の映画などでは家族の写真が仕事場のデスクに飾ってありますが、大事な存在を思い出すことで、やる気が出るといった効果が期待できるかもしれません。
⑦しっかり眠る
落込まないようにするためには、しっかりした睡眠を取ることが重要です。
睡眠不足がやる気を失うきっかけになることがあります。特に危ないのが、「このまま寝るのはもったいない」と感じて夜更かししてしまうこと。
昼間、自分の思い通りに動けない状態が続くと、それを取り戻そうと夜更かししてしまう行動を、「リベンジ夜更かし」と呼びます。ゲームやSNSなど、何となく時間を浪費するような娯楽で夜更かししがちです。
こうした行動は昼間のパフォーマンスを下げてしまいます。その結果として、さらに不満が溜まり、夜更かしするといった悪循環に陥る可能性があります。
結果的に自信を失い、やる気が削がれてしまうことにも……。
夜更かししたいと思っても、とにかく眠りましょう!
⑧「どうにでもなれ効果」を抑え込む
ダイエットしていたとき、2週間食べないようにしていたスイーツを一口食べたことで、ダイエットをすべて放り出して食べまくってしまったという経験はないでしょうか?
小さな失敗によって日々の努力や習慣をすべてぶち壊してしまう行動を、「どうにでもなれ効果」と呼びます。目標に反する行動を取った途端に、一気にやる気がなくなるので、モチベ―ションを考える上でも重要です。
この“罠”にはまらないためには、失敗を計画に組み込んでおくことが重要です。
例えば、ダイエットで我慢できなくなってスイーツを食べてしまったときは、2日間運動を増やすと決めておくのです。
問題は失敗したことではなく、そこでやる気を失って、積み上げてきた行動をしないようになってしまうこと。失敗しても立ち直る道をあらかじめ用意しておくことで、やる気を維持できる可能性は格段に上がります。
今回はやる気を取り戻し、持続させるためのテクニックをまとめました。ただ、あまりにも落ち込みがひどい場合は、専門家に相談する必要があるかもしれません。
心のしくみについて興味のある方は、こちらもご覧ください。
監修:一般社団法人 日本産業カウンセラー協会
参考:『神モチベーション「やる気」しだいで人生は思い通り』(星渉/SBクリテイティブ)/『メンタルマネジメント大全』(ジェリー・スミス/河出書房新社)