「Google20%の法則」を知っていますか?グーグルの商品の半分を生み出したとされる社内取り組みです。意外に簡単な方法ながら効果は歴史的にも証明済み。そんな夢のような取り組みを紹介します。
- Googleの商品の半分を生み出したルール
- 新規開発に加えて「カイゼン」にも力を発揮
Googleの商品の半分を生み出したルール
「Google20%の法則」のルールは簡単です。通常の仕事を80%の時間で片付け、イノベーションを生むための時間に20%を使うというもの。2004年の株式初公開の時にスタートアップの理念として、Googleはこのルールを説明しました。
現在、このルールをGoogleが積極的に活用しているわけでなさそうですが、その効果は世界を唸らせるものです。同社が生み出した商品の半分は、この施策から生まれ、現在では世界中の人が使っているGmailも、このシステムから開発されたものだそうです。
同様の制度は、Google以外の企業でも採用されていたそうです。例えば、接着剤などで有名な3Mは、仕事時間の15%を自由なアイデア名を追及するという「15%プログラム」によって、ポストイットを生み出したとされています。
新規開発に加えて「カイゼン」にも力を発揮
社会を驚かせるような画期的なアイデアは、こうした試みから生まれるケースが少なくないようです。さらに、このルールは開発した商品を改善するのにも役立っていたとも言われています。
新規のアイデアもその改善にも役立つとなれば、多くの企業が導入したいと考えるのも当然でしょう。ただし、どんな組織でも効果を発揮するわけではなさそうです。
ライフハッカー日本版の「Google、Yahoo!、HP…成功事例に学ぶ『20%ルール』を導入するポイント」によれば、次の4つのポイントは吟味する必要性がありそうです。
①スケジュールに適度な余裕があるか
忙しすぎる職場でこのような施策が実施されれば、労働はさらに過密になっていくでしょう。また、「Google20%の法則」が同僚に迷惑をかけるとなれば、純粋にクリエイティブな時間を過ごすことができなくなってしまします。
②「空想にふける時間」が問題にならないか
20パーセントの時間をクリエイティブな発想のために使おうと思いを巡らしているときに、上司からボーッとするなと怒られたら、なんのための時間がわからなくなってしまいます。通常の仕事を80%の時間で片付けていく方向性を組織が認めていないなら、こうしたルールを使う人はいなくなるでしょう。
③失敗が許されるのか
イノベーションに失敗はつきものです。そうした失敗を会社が許さないとしたら、失敗から次のステップを探すこともできず、将来の変化にも対応できない企業ともいえそうです。
④個人の実験が尊重されるか
イノベーションを生みだすことは、数多くの決められたタスクを次々にこなしていくといったものではないだけに、クリエイティビティ―を発揮するやり方は個人個人に任されている必要があります。そうした自由を保障できないなら、「Google20%の法則」を導入しても効果がでない可能性があります。
企業がこの4つのポイントをクリアするのは、なかなか難しいことかもしれません。
あなたの職場がこのようなルールが取り入れられるような環境ではないとしても、そのことで必要以上にがっかりしないでください。この法則を自身の生活に組み込むこともできるからです。
例えば、調整してみたい新たな分野の勉強を始めたり、セミナーに通ってみるのはどうでしょう。あるいは自身の生活習慣を変えるためのチャレンジなども面白いかもしれません。現状を変えられる可能性を追求して時間を使うことは、きっと自身のモチベーションも上げてくれるはずです。
すでに転職自体は珍しくありません。また寿命が延びた「人生100年時代」を生き抜くには、現在の職種を続けられないかもしれません。そうした定年後の仕事探しも視野に入れて、自分のやりたいことにチャレンジしていくことは重要です。
日々の決まりきった習慣に収まるのではなく、さらに自分を豊かにする行動に20%を使ってみることで、きっと新しい世界が見えることでしょう。。
ぜひ、試してみてください。
参考:
『元人事部長が教える「結果を出す人」の働きかた』(小杉俊哉 著/大和書房)